全長約3,900キロにおよぶルート66は、かつて戦後アメリカの希望を象徴した道。今ではその風景が、ローカルの感性や創造性のキャンバスへと生まれ変わっている。ミッドセンチュリーのチャーミングな面影に、DIY精神が心地よく融合。ネオンサインはアートとして蘇り、ヴィンテージモーテルはセンスのある地元民の手でリバイバル。忘れられたハイウェイには新しいハイキングトレイルが伸びる。この旅は、ノスタルジーではない。場所が私たちをどう形づくるのか、そしてその地に生きる人々が、どうルート66を再定義しているかを肌で感じるもの。

シカゴ(イリノイ州)

EAT:空気より軽そうなディープディッシュピザ、あるいはカルダモンが香る北欧風カフェのペストリーで、シカゴの旅をスタート。

PLAY:バックタウンでは、レンガ造りのロフトの奥にアートと実験的デザインが融合するギャラリーがひっそり佇む。ガーフィールド・パーク温室は、都会の喧騒を忘れさせる緑の楽園。締めくくりは、建築ツアーを楽しむクルーズか、ミレニアム・パークでのウォーターフォールのポートレートを。

STAY:ダウンタウンのブティックホテルでデザイン美を満喫するも良し。郊外の州立公園でキャンプして、湖畔とプレーリーの静寂に身を委ねるのも粋。

スプリングフィールド(イリノイ州)&セントルイス(ミズーリ州)

EAT:ドライブインでレトロなコーンドッグやサンドイッチを。続いて地元の甘めソースと柔らかな肉が特徴のBBQで満腹に。デザートには、100年の歴史あるソーダファウンテンでパティスリーを味わって。

PLAY:スプリングフィールドでは、リンカーンの旧宅と州議事堂が歴史を感じさせる。近くには今もネオンが灯るダイナーが。セントルイスでは、チェロキー・ストリートの壁画や、サンセットクルーズから眺めるリバーバージが旅情を誘う。

STAY:歴史的なインに泊まるも良し。メラメック川沿いのルート66州立公園で自然と一体になるも良し。

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Meramec River

カンザス州&オクラホマ州

EAT:カンザスは揚げ魚とホームメイドパイでほっこり。オクラホマではブルーコーンのバイソンバーガーや、ローカルなペッパーソースでスパイシーなフードを味わって。

PLAY:バクスター・スプリングスには、当時の舗装や現役のスチール橋がそのまま残されている。タルサのアールデコ街や、オクラホマシティのアート溢れる地区では、壁画やビンテージのファサードに目を奪われる。

STAY:ネオンが眩しいリノベ・モーテルに宿泊するか、グランド・レイク州立公園で湖畔キャンプもおすすめ。

アマリロ(テキサス州)&サンタフェ(ニューメキシコ州)

EAT:アマリロではフリトパイがローカルの定番。サンタフェでは、暖炉のそばで味わうグリーンチリポークシチューが心を温める。

PLAY:キャデラック・ランチでは、車体に自由にペイントを。パロ・デューロ渓谷ではドラマティックな赤岩の絶景トレイルを堪能。サンタフェのアドビ造りの街並みには、ギャラリーや植物茶、砂漠ウェルネスな雑貨店が点在。

STAY:キャニオンのキャンプ場で満天の星を眺めて眠る夜。もしくは、クラフトと伝統を重んじる地域密着型ロッジもおすすめ。

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Courtesy of GoUSA
adillac Ranch in Amarillo, Texas

アルバカーキ(ニューメキシコ州)

EAT:ナバホ・タコスで朝をスタート。グリーンチリが主役のメニューがずらり、ボリューム満点のブリトーはフードトラックで味わって。

PLAY:セントラル・アベニューには、ネオンが灯るミッドセンチュリーのモーテルが並ぶ。旧市街では、スペイン植民地時代の建築と現代アートギャラリーが融合。サンディア・ピークの空中トラムで絶景を。

STAY:ルート沿いのヴィンテージ・モーター・ロッジ、またはRVリゾートでのんびり。北へ1時間、ジェメス山脈の天然温泉(サンアントニオやバトルシップロック)ではミネラルたっぷりの湯に癒される。

フラッグスタッフ&ホルブルック(アリゾナ州)

EAT:地域限定のチーズクリスプや、標高高めのバーグリル定番メニューにトライ。

PLAY:フラッグスタッフは、星空観察やロウエル天文台、山岳トレイルへの玄関口。近郊の化石の森国立公園では、何層にも重なる砂漠の時を“火の彫刻”が物語る。ホルブルックには、ネオンに照らされたティーピー型キャビンのウィグワム・モーテルも。

STAY:森林ロッジに滞在するか、ポンデローサ松の中でキャンプ。静寂な国有林の道をたどれば、静かで高地の砂漠が待っている。

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Courtesy of GoUSA
Petrified Forest

オートマン&キングマン(アリゾナ州)

EAT:オートマンでは、どっしり素朴なフライブレッドと、埃っぽさが魅力のウッディなバーでビールを。

PLAY:金採掘時代の面影残るメインストリートでは、サルーン風の演出やガンファイト、ロバたちのんびり散歩が風物詩。キングマンでは、ルート66の100周年フェスやアールデコ建築ツアーも楽しみ。

STAY:ハイウェイ近くの素朴なキャビンやRVスポット。星空が支配する砂漠のキャンプサイトへ車を走らせて。

モハーヴェ&サンタモニカ(カリフォルニア州)

EAT:砂漠の市場ではホイルに包まれたハンバーガーを。LAのビーチカフェでは、フルーツたっぷりの朝食、アボカドトースト、パシフィックの風を感じるアートなペストリーが主役。

PLAY:バーストウの鉄道&砂漠博物館で旅の序章を締めくくり、ヴェニスビーチでは壁画、スケートスポット、サーフカルチャーが一気に花開く。

STAY:ジョシュアツリーの下で迎える夜明けのモーテル。サンタモニカのピア沿いには、肩肘張らないホテルが並ぶ。けれどこの頃には、旅のリズムはすっかりスローダウンしているはず。マリブのRVパークや山の中のキャンプ場も、コーストを少し外れるだけで出会える隠れ家に。

旅の終わりに気づくはず。この道が、アメリカの原点そのものだということに。出来立てのドーナツ、渓谷のキャンプファイヤー、日没に染まるスモークハウスの香り。ローカルが愛する場所で食べ、星空の下で眠り、道が太平洋に溶け込むまで走り抜けて。この旅は、ただ“体験する”だけでなく“感じる”旅。アスファルトが遠ざかっても、きっとあなたの中に残り続ける。

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From:ELLE US