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暑さに負けない、パンの新スタイル。ひんやりパンで夏を楽しむ

冷たくして味わうパンはまるでスイーツのようなリッチさ。真夏のパン時間を涼やかにアップデートしてくれる、ひんやりパンの世界へようこそ。

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ひんやりパン

焼きたてパンの香ばしさは大好きだけど、気温がぐんぐん上がる暑い日はちょっと手が遠のいてしまう…。なんてパンラバーのみなさまに届けたいのが、冷たくして楽しむ「ひんやりパン」。冷蔵庫で冷やしてもおいしく味わうためにシェフたちのアイデアが満載のパンはどれもスイーツのようなリッチさ。冷やして味わうことで生地のもっちり感や具材の風味が際立った、新しいおいしさをぜひ!

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【東京・自由が丘】セテュヌ・ボンニデー「トロぺジェンヌ」

ひんやり冷たいパン

香り高くリッチな味わいが魅力

スイーツの街として知られる東京・自由が丘に店を構えて早4年。今では街を代表するベーカリーとして人気を博している「セテュヌ・ボンニデー」。

多くのファンを引き付けているのは、食感と味わいが豊かなパンの数々。それらは厳選した食材と国産小麦粉を使い、シェフである有形泰輔さんの卓越した技術によって焼かれたもの。

店頭に並ぶ商品のバランスもよく、ハード系の食事パンから菓子パン、総菜パン、サンドイッチまで様々な味わいのパンに出合える。特に冷蔵ケースに入った商品群も充実しており、暑い時期になると登場するのが、ブリオッシュ生地にオレンジ風味のクリームをたっぷり挟んだ南仏発祥の菓子パン「トロぺジェンヌ」(¥432)だ。

卵と濃厚なコクのあるクレーム・ドゥーブルが入ったリッチな生地は、キタノカオリとゆめかおりで食感の骨格を作り、石臼引きのゆきちからで口どけをなめらかに。粉の粒度で食べ飽きない食感を作り出す技もさすが。そこにオレンジの香りが漂うコアントローを加えたシロップをたっぷり染み込ませてしっとり。カスタードクリームにバターを加えた、クレーム・ムースリーヌを絞り出し、さらに生地とクリームのコクに自家製のフランボワーズジャムを加えることで透明感のある酸味がプラスされ、最後まで飽きずにペロッと食べられる。ぜひしっかり冷やして味わって。

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【東京・自由が丘】セテュヌボンニデー「ホイップメロンパン」

ひんやり冷たいパン

軽やか食感にほうじ茶の香りで爽やかさアップ!

もうひとつが冷たくして味わう「ホイップメロンパン」(¥356)。「メロンパンに日本ならではのテイストを加えたかった」と語るのは有形さん。そこで目を付けたのがほうじ茶だ。「ブリオッシュ生地にほうじ茶の香ばしさが重なると青い香りが生まれ、メロンっぽさを彷彿させる」というから、シェフの味の創造力には驚きだ。

生地は「トロぺジェンヌ」と同じブリオッシュ生地だが、形によって食感を変えるのがパンのおもしろいところ。同じ生地であっても焼き上がりの食感は異なり、このメロンパンは歯ざわりが軽快。さらにほうじ茶パウダーを加えたクッキー生地がサクサク食感をより心地よいものにしている。

北海道根釧地区産の生乳を使った、タカナシ乳業の「こんせん限定クリーム」を用い、味はしっかりしながらも軽やかな仕上がりに。ブリオッシュ生地のため冷やして食べてもパサつかず、食べやすいので夏にぴったりな一品だ。

C'est une bonne idée!
東京都目黒区自由が丘2‑15‑7 1F
営業時間/10:30~20:00
電話/03‐6421‐1725
休み/水曜
Instagram/@cestune_bonneidee_jiyugaoka

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【東京/用賀】メゾン クロスの「クリームパン」

ひんやり冷たいパン

リベイクして“冷やアツ”を楽しむ? 新感覚クリームパン

2021年にオープンして以来、多くのファンに愛され続けている「メゾン クロス」。シェフである黒須貴仁さんが目指すのは、厳選素材を使った、次世代の子どもたちにも安心して食べてもらえる体にやさしいパン作り。

オープン時からの超ロングヒットアイテムが「飲めるクリームパン!」と言う人が多い「クリームパン」(¥360)だ。ブリオッシュ生地には平飼い卵を使用し、生地に加える水分量を増やすことでふっくらしっとり食感に。カスタードクリームは生地同様の卵を使って丁寧に炊き上げ、生クリームを加えてトロッとなめらかな舌触りに仕上げた。その軽やかな口溶けはまさに飲めると評されるのも納得の味わい。

暑い時期は冷蔵庫で冷やしてシュークリーム感覚で食べてもおいしいけど、もうひとつはリベイクする方法。しっかり冷やしたクリームパンをパンの部分が温まる程度にトースターで温めると外はアツッ、中はひんやり。卵と水分量が多いリッチな生地に後からクリームを注入する後入れクリームパンだからこその味わい。ぜひ食感のコントラストをぜひ楽しんで。

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【東京/用賀】メゾン クロスの「ラズベリーとクリームチーズのタルト」

ひんやりパン

チーズとベリーのダブル酸味がアクセント

「メゾン クロス」からもうひとつ。愛らしいフォルムにキュンキュンしたのが、新商品の「ラズベリーとクリームチーズのタルト」(¥290)です。

タルトだけど、さすがパン屋さんが作るだけあってその正体はデニッシュ生地。最強力粉と準強力粉をブレンドした生地にフランス産発酵バターを織り込んで、3つ折りを2回施して層を厚めに仕上げ、バリバリ食感に。

そこに自家製ラズベリーソースとクリームチーズを合わせたフィリングを絞り出し、フルーツとクリームチーズの甘酸っぱさがクセになるタルトに。

厚みのある層のおかげで、冷やして食べてもザクザク感はしっかり堪能できる。二口くらいで食べられるミニサイズなのもうれしい。

MAISON KUROSU
東京都世田谷区用賀4-28-20 プチモンド用賀1F
営業時間/10:00~17:00
電話/03‐6336‐5204
休み/月・火曜
Instagram/@maison_kurosu

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【神奈川/腰越】KOMOPANの「アイスクリーム マラサダ」

ひんやり冷たいパン

サクサク食感に濃厚なアイスがクセになる!

2025年にオープン5年目を迎える「KOMOPAN」の店主・小森俊幸さんは粉使いの達人で、パンに使う小麦の一部は信頼する農家から取り寄せ、自ら製粉するこだわりぶり。

そんな小森さんがオープン当初から大切に作り続けているのが、ハワイの定番ドーナツの「マラサダ」だ。サクサクと歯切れのいい生地は九州にある梅野製粉が石臼で挽いたミナミノカオリの全粒粉と、神奈川県で小麦を栽培している農家から取り寄せた香りの強いゆめかおりを絶妙なバランスでブレンド。さらに米粉を炊いた米ゲルも加えて歯ざわりの良さと軽やかさが調和した、小森さんらしい仕上がりに。

「マラサダ」は通年販売で、日に100個を売り上げるほどの看板商品だが、GWから9月ごろの暑い時期に登場するのがアイスクリームをサンドした「アイスクリーム マラサダ」だ。小麦の風味豊かなドーナツに合わせるアイスクリームもまた贅沢。沖縄の人気アイスクリーム店「CAFUNÉ」からは、塩ミルク、黒糖、グァバミルク、エスプレッソチョコレートの4種がラインナップ。さらに、横浜市青葉区にある八百屋兼アイスクリーム屋「青果ミコト屋」からは和ウーロン&アプリコット、ピーナッツ黒豆の2種が届き、この中から1~2種類を選べる仕様に(シングル¥604、ダブル¥864)。

今回は、塩ミルクとグァバミルクをチョイス。あっさりした味わいのアイスクリームと、小麦の風味がしっかり生きた軽やかな生地の相性は抜群。季節限定のご褒美パンをお見逃しなく。

KOMOPAN
神奈川県鎌倉市腰越4-9-4 ケイ湘南Ⅲ 103
営業時間/8:30~16:00(売り切れ次第終了)
電話/0467‐55‐5142
休み/日・月曜
Instagram/@komo_pan_hou

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【京都/御所】ポワンプール・ポワンの「マンゴーのクグロフ」

ひんやり冷たいパン

のどごしなめらか! 驚異のしっとり食感

京都の人気ベーカリー「ポワンプール・ポワン」で夏に登場する「マンゴーのクグロフ」(¥734)が今年はさらにバージョンアップ。味の組み立ての巧みさと洗練された技を合わせ持つ店主・竹内健太郎さんが手がけるこの一品は、食感や味わいのバランス、香りの余韻に至るまで緻密に計算されたおいしさ。なかでも香り、甘み、酸味、そしてしっとり食感が光る。

香りの要になるのは、オレンジとレモンから作った柑橘酵母とレーズン酵母の2種類。これらを小麦粉、生クリーム、牛乳などと合わせ、一日発酵させて中種を仕込むことで爽やかな香りを引き出す。翌日には、ローストしたアーモンドプードルとヘーゼルナッツパウダー、小麦粉、卵、バターを合わせて中種と一体化。ここに、はちみつ、メープルシロップ、本和香糖(ほんわかとう、含蜜糖の一種)といったタイプの異なる甘みを重ねることで、味わいにリズムと奥行きが加わる。

暑い日でもするっと食べられるように、100%オレンジジュースとくず粉で作ったオレンジ葛餅を生地に練り込み、保水性を高めながら、しっとり軽やかな食感に。

ごろっと入ったドライマンゴーはパッションフルーツのピュレでマリネ。ナッツの香ばしさと調和しながら、マンゴー本来の甘みと酸味、酵母やサワークリームがもたらす複層的な酸味がふんわりと広がる。冷やして食べることしっとり具合が際立ち、香りとまろやかな酸味を一層堪能できる。

焼き上げるまでに3日を要し、仕上げにシロップを染み込ませるために1日冷凍する手間のかかりよう。作り方が相当マニアックだが、工程のひとつひとつに味わいと香り、食感を引き出す技が織り込まれ、その“完成度の高さ”で食べる人を魅了する。

point pour point
京都府京都市上京区椹木町新町東入春帯町345
営業時間/10:00~18:30
電話/075‐222‐1835
休み/日・月曜
Instagram/@pointpourpoint

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