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専門家による、100歳まで生きるために食べるべきもの

ブルーゾーンダイエットと長生きにいい食事に関する新たな情報を栄養士が解説

By
blue zones
Hanna Day-Tenerowicz

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。>>『delish』のオリジナル記事はこちら

ダイエット、ジムのメンバーシップ、運動プログラム、サプリなど、健康になるために毎年何十億円も費やしている人は多いけれど、100歳を超えても活動的な生活を送るセンテナリアン(百寿者)の長寿の秘訣は、結局のところ、豆を食べる、ストレス軽減のために昼寝をする、毎日の歩数目標達成ではなくただ移動するために歩くなど、シンプルな習慣に落ち着くのだろうか。
 
これこそが、「ブルーゾーン」(世界平均よりも長生きで、より健康的な生活を送る人々が住む世界各地の地域)の背後にある考え方。これらの地域(ギリシャのイカリア島、カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカのニコヤ半島、日本の沖縄、イタリアのサルデーニャ島など)に興味を惹かれ、20年前から、ブルーゾーンに住む人々が長く生きるのに役立つ習慣を探求し始めたという、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー作家で長寿の専門家であるダン・ビュートナーさん。現在、商標登録されたブランドでもある「ブルーゾーン」には、書籍、Netflixシリーズ、商品、ほかの都市が「ブルーゾーン」認定を受けるための道筋、さらにホットソースのコレクションまでもが存在する。

happy senior woman serving a meal to her family in dining room
skynesher//Getty Images

とはいえ、このような世界の長寿地域の生活習慣を真似ることは、長生きするのに実際役立つの? また、100歳まで生きたい場合、食べるべき特定の食品はある? 健康専門家の意見は……ほぼ間違いなくイエスだそう。
 
なぜかと言うと、食生活は、炎症、細胞修復、インスリン感受性など、老化の鍵となるメカニズムに影響を与えるから。これらはすべて寿命を決定するうえで重要な役割を担っています、と説明するのは、長寿クリニック「ネクスト・ヘルス」の創設者であるダルシャン・シャー医学博士。
 
栄養価が高く食物繊維が豊富な野菜、ヘルシーな脂肪、豆類や脂肪の少ない肉、魚などの良質なたんぱく質を選ぶことは、体の細胞がベストな状態で機能する力強い土台作りに役立ちます、とシャー博士は話す。
 
「これにより、心臓病、糖尿病、がんのような、寿命を縮める場合が多い慢性疾患のリスクを最小限に抑えることができます」と彼は話す。「なので、あなたが食べるものは、健康で長い人生を送れるかどうかに間違いなく影響します」
100歳(あるいはそれ以上)まで生きるのに必要な食事について、知っておくべきことは次の通り。

長生きにいい食事とは?

group of food with high content of dietary fiber arranged side by side
fcafotodigital//Getty Images

寿命を延ばすのに役立つ単一の食品はないけれど、健康の専門家いわく、長生きを助ける可能性のある食事パターンはあるという。
 
シャー博士のベストアドバイスは、加工されていない自然食品を豊富に食生活に取り入れること。片方の端には、栄養価が高く、抗炎症作用のある食べ物(カラフルな野菜、ベリー類、高品質のオリーブオイル、脂肪分の多い魚、ナッツ類、シード類、豆類など)があり、もう片方の端には、高度に加工された、砂糖を多く含む、炎症を起こしやすい食べ物があるような感じで、食べ物をスペクトラムとして想像すると分かりやすいかもしれない。「できるだけ栄養価の高い方から選びましょう」と話すシャー博士。
 
ブルーゾーンダイエットへの移行は、プラントベースのダイエットへの移行とよく似ています、と話すのは、「デイリー・ハーベスト」などの食品ブランドで栄養士を務めるキャロライナ・シュナイダーさん。果物、野菜、全粒穀物、豆類など、食事により多くのプラントベースの食品を取り入れることから始めてみよう。
 
彼女のおすすめは、「肉を抜いた食事の回数を毎週徐々に増やしてください。まずは『ミートレス・マンデー(肉を食べない月曜日)』から始めて、最終的には動物性たんぱく質の代わりに、豆腐、枝豆、テンペ、いんげん豆、レンズ豆、ひよこ豆、えんどう豆など、植物性たんぱく質を取り入れていきましょう」と提案している。
 
ブルーゾーンの食生活を再現するなら、オーツ麦、豆、ナッツ、米など、シンプルな単一成分の食品で、加工が最小限に抑えられた自然食品に重点を置き、発音できない長い原材料名が書かれた加工食品や包装食品を避けることを目標にしましょう、とシュナイダーさん。この方法で食べると、添加糖分の摂取量も抑えられる。
 
また、クリームチーズの代わりにフムスを使ったり、チップスの代わりにナッツやシード、アボカドを食べることで、ヘルシーな脂肪を摂取して、飽和脂肪酸を減らすことができます、と彼女は話す。

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ブルーゾーンダイエットから学べることとは?

men eating greek salad
JulPo//Getty Images

二つの認定専門医で医療コンサルティング会社「ドクターU」の減量専門家でもあるレシャム・ウッタムチャンダニ医学博士は、「ブルーゾーンダイエットを見習うなら、節度を重視すべきでしょう」と話す。沖縄では、腹八分目で食べるのを止める習慣があります、と彼女は述べている。
 
繰り返しになるけれど、もっとも長生きの人々が暮らす地域の共通点は、プラントベース食品を多く含む食事である。ロマ・リンダ・チルドレンズ・ホスピタルでの研修中、食事にベジタリアンの選択肢があることに驚き、病院内でヘルシーな食事を提供しようとする地域ベースの取り組みを見ることができたと彼女は語っている。
 
ブルーゾーンのアプローチは、アメリカの大部分で主流とされる「健康になる」ためのトレンドとはまったく異なる。このようなトレンドでは、特定の食事方法と運動習慣を守り、持続可能ではない場合が多いです、と話すのは、ハワイ州ホノルルの「ホームグロウン・ニュートリション」のオーナーで、登録栄養士のマリア・エメリックさん。
 
「心身ともに健全な老年期を迎えた世界最長寿の人々は、最新の流行ダイエットや減量サプリを実践したわけではありません」とエメリックさんは話す。「その代わり、持続可能で、ほとんどの場合繰り返し可能な健康にいい生活習慣を選択しています。それが、慢性疾患のリスクの低さと、より長い健康的な生活につながっています」

mature female gardener tending lettuce on raised bed
JAG IMAGES//Getty Images

たとえば、ブルーゾーンの人々は、階段を使う、庭仕事をする、自転車で店に行く、友達の家まで歩くなど、無意識のうちに常に体を動かすように促される環境で生活している傾向があります、とエメリックさんは話す。
 
最近では、ブルーゾーンの概念をめぐって批判的な意見が出ており、そのなかには、記録の保存ミスや不正によって、一部の地域の人々の寿命が100歳以上であるという不正確な主張を招いている恐れがある、と指摘する学術論文もあるという。
 
ブルーゾーンに関する懐疑論は、人口統計データや遺伝的要因の正確性を重点を置いている場合が多いです、と話すシャー博士。それでも、世界中のブルーゾーンから得られる教訓は全体的にメリットがあると、彼は考えている。
 
「そのような議論があるにしても、ブルーゾーンの生活習慣の核となる原則、たとえば自然食品中心の食事、コミュニティ、身体活動、目的を持った生き方などは、普遍的に有益なものです」
 
覚えておきたい重要なポイントは、一つの特定の食品が健康を左右するわけではないことです、と話すのは、「ヒルトン・ヘッド・ヘルス・リゾート・アンド・ウェルネス・スパ」の登録栄養士であるエリザベス・ハギンズさんは話す。
 
「栄養学の分野はまだ新しい科学であり、詳細については学ぶべきことがたくさんあります。とはいえ、さまざまなプラントベース食品を食べ、加工食品を制限するのが体により良いことであるのは間違いないでしょう」とハギンズさんは話す。

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長生きのために食べるべき食べ物とは?

traditional turkish breakfast served in a restaurant
Alexander Spatari//Getty Images

ブルーゾーンに住む人々は、豆やさつまいも、全粒穀物などに含まれる複合炭水化物を多く摂取する傾向があります、と説明するのは、科学および栄養の会社「ゾーイ」の共同設立者であるティム・スペクター医学博士。食物繊維が豊富なこれらの炭水化物は、消化の時間がより長く、より多くのエネルギーを供給することから、チップスやクラッカーに含まれる精製糖や加工炭水化物に比べて健康にいい。
 
スペクター博士が推奨する長生きにいい食品と、それらが重要な理由は次の通り。
 
葉物野菜と豆類:炎症と闘い、細胞の健康を促進する必須ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を豊富に含む。
・ベリー類:抗酸化物質が豊富なベリー類は、老化や慢性疾患につながる酸化ストレスから体を守る。
・全粒穀物:腸の健康と代謝機能に不可欠な複合炭水化物と食物繊維を提供する。
・ナッツ類と種子類:ヘルシーな脂肪、たんぱく質、心臓の健康をサポートする重要な微量栄養素を含む。
・発酵食品:ヨーグルト、キムチ、ザワークラウトなどの食品は、健康に欠かせないヘルシーな腸内マイクロバイオームをサポートするプロバイオティクスを提供する。


translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images

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