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夕食後の散歩は本当に体にいい? 健康の専門家が説明

「ファート・ウォーク(おなら散歩)」の健康効果とは

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a split image featuring a roasted meat dish and a couple walking a dog
monkeybusinessimages / LauriPatterson / Getty Images

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。>>『delish』のオリジナル記事はこちら
 
暗くなるのが早い今のような時期はとくに、夕食を食べ終えたあとはソファーにどっしり腰を下ろしてテレビを見たくなるもの。けれど、TikTok上で、夕食後の散歩[“ファート・ウォーク”(おなら散歩)とも呼ばれる]がもっとも簡単な健康法の一つで、血糖値をコントロールし消化を助けると主張する人々を見たことがあるかもしれない。
 
とはいえ、TikTokerたちが信じ込ませようとしている夕食後の短い散歩は、本当に健康にいいもの? 健康の専門家によると、答えは、イエスだそう。
 
食後の散歩は気分が良くなるだけではなく、代謝の健康に劇的な変化をもたらします、と話すのは、登録栄養士のサルマ・アルシバイさん。「歩くと筋肉が糖を引きつける磁石のように働き、インスリンの助けをほとんど借りることなく、血流から直接ブドウ糖を引き出します」とアルシバイさんは話す。
 
科学誌「ニュートリエンツ」に掲載された研究によると、食後の散歩は恐ろしい血糖値スパイクを抑制しインスリンレベルを安定させることから、インスリン抵抗性のある人にとくに効果的だそう。ウォーキングシューズの用意はいい? 夕食後の散歩について、健康の専門家が知っておくべきことをすべてご紹介。

夕食後の散歩の健康効果とは?

woman walking at dawn in the mountain
Alavinphoto//Getty Images

夕食後の散歩は誰にとっても有益ですが、とくに糖尿病前症、糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、インスリン感受性に不安がある人にとって、この習慣は重要です、とテキサス州の「ラディアント・ヘルス・ダラス」のオーナーで創設者のリチャ・ミッタル医学博士は説明する。(アメリカでは、人口の約12~14%が糖尿病を患っており、38%は血糖値が高く、糖尿病前症のリスクカテゴリーに該当するという。)
 
「ウォーキングはインスリン感受性の改善に役立ちます」と説明するミッタル博士は、内科、肥満医学、ライフスタイル医学の3つの専門資格を持つ。朝食後や昼食後の短い散歩も望ましく、これらの散歩は血糖値を下げるのに役立つだけでなく、一日を通してよりアクティブに行動できるようになる。
 
血糖値のバランスを保つことで、エネルギーの急降下を回避できるだけでなく、後から忍び寄ってくる炭水化物への渇望も抑えられるでしょう、とアルシバイさんは説明する。「食後に散歩する時間を作るのは、単に体の健康のためだけではありません。エネルギーや頭の冴えを維持できるほか、食欲をコントロールするための賢い戦略です」

young african woman sleeping in her bed in the morning
Mavocado//Getty Images

夕食後の散歩も代謝を促進させることができます、と説明するのは、オハイオ州コロンバスが拠点の家庭医であるベルナデット・アンダーソン医学博士。食後の散歩はカロリーの燃焼を促進し、余分な脂肪の蓄積を防ぐのに役立つ。さらに、食欲を刺激するホルモンであるグレリンを軽減され、夜食を我慢しやすくなります、と彼女は説明する。夕食後に軽く体を動かすと、ストレスホルモンが減少し、体がリラックスして緊張もほぐれる。
 
「短い散歩によって、より落ち着いて夜を過ごすための準備が整い、眠りにつきやすく、一晩中熟睡しやすくなります」とアンダーソン博士は語る。ただし、眠りにつきにくくならないよう、散歩と就寝の間は少なくとも1時間半の間隔を空けるよう、彼女は推奨している。
 
夕食後の散歩は血糖値を下げるだけでなく、血流を促すことで循環が良くなり、酸素や栄養素が細胞に効率よく届けられるようになります、とアンダーソン博士。定期的に歩いていると、やがて心臓が鍛えられ、動脈が健康に保たれるため、血圧の低下を促す。これにより、心臓病、脳卒中、そのほかの心臓関連の問題のリスクが軽減される。したがって、歩数を稼ぐことは血糖値の管理だけでなく、健康なコレステロール値の維持にも役立つ。

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食後の散歩ではどれくらい早く歩くべき?

runner using fitness tracking app on her smartwatch in the city
alvarez//Getty Images

食器はシンクに浸しておこう。なぜなら、食後はなるべく早く散歩したほうがより効果が高くなるからです、と医学誌『スポーツ・メディシン』に掲載された2023年の研究を例に挙げながら語るアルシバイさん。実際、食事を終えて数分以内に軽く散歩すると、体がすぐに血糖値を管理し始めると、研究者らは述べている。
 
「5分間の散歩でも効果がありますし、30分歩けば効果が増大します」とアルシバイさんは話す。「一番いいのは、食後1時間以内に歩くことです。食後すぐでも、少し後でもいいですが、早く動けば動くほど、その効果は劇的に高まります」
 
食後の運動に関しては、ジョギングは消化器系に悪影響を及ぼす可能性があるため、散歩がベストです、とミッタル博士は話している。

「ファート・ウォーク」とは? 健康にいいの?

woman speed walking, profile, against blue sky
David Madison//Getty Images

「ファート・ウォーク(おなら散歩)」とは、食後に軽く歩くことで、消化を促してガスを排出し、腸の動きを効果的に動かすことを面白く表現した言葉です、とアルシバイさんは話す。
 
消化を促進することから、このような散歩は、膨満感の予防、定期的な排便の促進、腸の運動性の改善に役立つ。食後の散歩は、胃や腸への血流を増やして消化を助け、体がより効果的に食べ物を分解するのを助けます、と説明するアンダーソン博士。
 
また、胃酸が食道に上がるのを防ぐことで、膨満感やガス、消化不良を起こりにくくします、とアンダーソン博士。つまり、夕食後の散歩は、胃酸の逆流による不快感を緩和する自然な方法と考えることができる。
 
「軽いペースでリラックスした状態を保ち、新鮮な空気を楽しむ時間を取ってください」とアンダーソン博士は語る。


translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images

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close up mouth of teenage boy holding electric toothbrush in hand, smiling and brushing teeth in bathroom
Tatsiana Volkava//Getty Images
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