いま、コーヒー業界のホットなアイテムといえば「コーヒーバッグ」。ティーバッグタイプ同様、お湯に浸して抽出していく方法はコーヒーの淹れ方のなかでもっとも手軽で、もっとも失敗のリスクが低いとされている。また、お湯とカップがあればつくれるため、自宅にコーヒー器具がない場合や、アウトドア、旅先にもおすすめだ。
本記事では、ご自身もコーヒーバッグを開発・販売しているバリスタの福島宏樹さんにディップスタイルのメリットや、おいしく淹れるポイントについて教わっていく。コーヒーバッグをまだ試したことのない人は、エディターおすすめのコーヒーバッグ(ホット用)と、水出しコーヒーバッグからチェックを!
コーヒーバッグのおすすめ6選【アウトドア・旅行にも】
「丸山珈琲」お試しコーヒーバッグセット
コーヒーバッグの初心者は「丸山珈琲」から試してみては。ブレンド2種のほかベリー、シトラス、ハーモニー、ナッツ、デカフェも。1週間毎日ことなる味わいを楽しめるよう、7種類の銘柄がセットになっている。また、ちょっとしたギフトには10個入りがおすすめ。
「フィロコフィア」コーヒーバッグ お試しセット
アジア人初の世界チャンピオン、粕谷哲さんが手がける特別なコーヒーバッグ。原産地や焙煎度の異なる3種類が5包ずつ入っている。ちなみに3種類のなかでは、甘さと苦みのバランスがちょうどいい深煎り「014」がエディターのおすすめ。飲み比べやスイーツとのペアリングも楽しんで!
「ゼロハチコーヒー」コーヒーバッグ 15個
「ゼロハチコーヒー」のコーヒーバッグで楽しむときも、必要なのはカップとお湯だけ! ドリッパーや細口ケトルがない場合や、アウトドアシーンにばっちり寄り添ってくれる。また、シンプルでおしゃれなボックス入りで手土産としても重宝。グアテマラ、エチオピア、インドネシアなどから選りすぐられたコーヒーを堪能してみて。
「イノセントコーヒー」シロクマカフェ デカフェコーヒーバッグforボトル ボス 2種10パック×2袋
おやつ時間や夕食後のひとときにコーヒーが飲みたいけれど、カフェインが気になるという人もいるのでは? そこでおすすめなのがデカフェタイプ。デカフェの専門店「イノセントコーヒー」からは浅煎りと深煎りそれぞれ5包ずつが入った2袋セットをピックアップ。かわいらしいシロクマのパッケージでギフトにしても喜ばれる。
「天然生活」ブラックコーヒー(25包) ティーバッグタイプ
ストック用のコーヒーバッグなら、25袋入りのコスパセットをチェックして。カップに入れたら約90℃のお湯(150mlが目安)を注ぎ、約2分程経ってからコーヒーバッグを揺らすのがおいしくつくるコツという。キャラメルコーヒー、ヘーゼルナッツコーヒーといったフレーバー展開もあり。
「ユニオンコーヒーロースターズ」三毛猫珈琲本舗 陽だまりオーガニックブレンド(6袋入)
こちらのコーヒーバッグは、本体にマドラーが付いたユニークかつ効率的な形状。お湯の量や抽出時間でコーヒーの濃さを調整できるため、気ままな猫のようにその日の気分やお天気で、自分好みの一杯を楽しんで。同ブランドからはデカフェタイプもラインアップする。
水出しコーヒーバッグのおすすめ4選
「ドリップコーヒーファクトリー」水出しコーヒー
ローストコンペティションで日本一に輝いた焙煎士が監修のもと丁寧に焙煎。水に麦茶パックをポンッと入れるくらいの手軽さで、フルーティーなアロマとまろやかなコク、繊細な酸味が感じられる水出しコーヒーのできあがり。コーヒーバッグ1包につき500mlの水が適量だ。
「フジヤマコーヒーロースターズ」水出しアイスコーヒー 金魚ちょうちんブレンド(しっかり) 3パック×2袋
スペシャルティコーヒーのみを取り扱う山口県のコーヒーショップより、手軽な水出し用が登場した。クリアな水出しアイスコーヒーはもちろん、ミルクを入れてアイスカフェオレにしても楽しめる。また、こちらは短冊のしやブランド包装などに対応し、暑中見舞いのプチギフトに適役だ。
「ロクメイコーヒー」水出しアイスコーヒー コーヒーバッグ
世界で流通しているコーヒー豆のうちわずか5~7%程度といわれるスペシャルティコーヒーを使用。たっぷりのクラッシュアイスをプラスしてもコーヒー本来のおいしさが際立つ特別なブレンドに。苦みが少なく、ほのかな甘さとまろやかな口あたりが特徴で、毎日ごくごくと、自宅で楽しむにはぴったりだ。
「キーコーヒー」香味まろやか水出し珈琲 4バッグ入×4袋
こちらの水出しコーヒーバッグは、1点につき水500mlなら喫茶店で飲めるような本格的な味わい。1000mlを注げばすっきりとした味わいがつくれるので、自分の好みにあわせて調整できるのが◎。「キーコーヒー」ではアイスカフェオレのほか、炭酸割り、梅酒割りなど、アレンジレシピが紹介されているので気になったらチェックしよう!
コーヒーバッグとドリップバッグのちがいは?
ここまで本記事では、ティーバッグのようにディップしながら抽出するタイプをコーヒーバッグとして紹介してきた。また、カップに引っ掛けてからお湯を注いで抽出するタイプについては「ドリップバッグ」として分けている。それぞれの抽出方法や味わいのちがいについては、バリスタ・福島宏樹さんにくわしく解説してもらおう。
コーヒーバッグとは?
「特別なコーヒー抽出器具を用意する必要がなく、個人のスキルも関係なく本格的なコーヒーを楽しめるのが『浸漬式(しんししき)』のコーヒーバッグです。アウトドアやホテルステイなど、お湯を細口ケトルで注げない状況ではドリップバッグよりもコーヒーバッグが便利。とくにティーバッグのような三角形のものは、お湯と粉が触れ合う面積が大きいため、短い時間でもまろやかなコーヒーが抽出できます。
また、コーヒーバッグに窒素ガスが充填(じゅうてん)されている場合、消費期限が半年から1年と長めに。ガスによって酸化が抑えられ、挽きたてに近いアロマを感じられます。個包装タイプはちょっとしたプレゼントにもおすすめです」(福島さん)
ドリップバッグとは?
「ドリップバッグは浸漬式のコーヒーバッグに比べると注ぐ手間がかかりますが、香りやコクが表現しやすいといえます。ドリップバッグは2点掛け(Xタイプ)と3点掛け(VFRタイプ)に分けられ、それぞれで抽出時間が異なります。
また、お湯をコーヒー粉に通す抽出方法を『透過式』というのですが、カップの端と端に引っ掛ける一般的なドリップバッグ(2点掛け)は、透過式と浸漬式のハイブリッド。抽出の途中でバッグがコーヒー液に浸かるようになっていて、濃度をしっかり出すことができます」(福島さん)
コーヒーバッグの選び方
コーヒーバッグを選ぶポイントは、基本的にドリップバッグと同じ。浅煎りから深煎りまで好みの焙煎度合いで選ぶほか、デカフェ(カフェインレス)、水出しタイプなども展開されている。
また、コーヒーバッグはギフトに適した個包装になっていることが一般的だが、なかには大容量タイプも。浸漬式の淹れ方が気に入ったら、コスパに優れた大容量タイプを選んでみて。
バリスタが提案! コーヒーバッグのおいしい淹れ方
コーヒーバッグは、カップとお湯さえ用意すればおいしいコーヒーがつくれるけれど、ひと手間かければ味と香りが抜群にアップする! 味わいを究極まで高めたいのなら、プロが教えるコーヒーバッグの抽出方法を実践してみよう。
お湯の温度は約92℃
「コーヒーバッグをより香り高く抽出するには、沸騰したお湯を使わずに少し温度を落とすのがポイントです。おすすめの温度は92℃くらい。浅煎りなら約95℃、深煎りなら約90℃でも良いでしょう。沸騰してから少し時間をおいて冷ますほか、別のケトルに移しても92℃くらいに下げることができます。
また、お湯は1包のコーヒー粉の約15倍が目安。たとえば、1包が10gなら150g程度のお湯を注いでいきます。15倍をひとつの目安に、14倍ならやや強いテイストに、16倍のお湯ならあっさり、と同じコーヒーバッグでも味わいの微調整がかないます」(福島さん)
抽出時間は約4分
「メーカーによって推奨時間が異なりますが、漬け込む時間の目安は約4分。深煎りなら短めの3分でも良いでしょう。まずは少量のお湯を注いで全体によくなじませます。はじめによく湿らせることで、お湯を全量注いでからもコーヒーバッグが浮かず、抽出効率が上がってきれいな味わいがつくれるのです。4分ほど経ったらカップのなかで3回くらい揺らして、コーヒーバッグを取り出します。微粉が出すぎて舌触りが悪くなってしまうため、あまり上下に揺らしすぎるのはおすすめしません」(福島さん)
記事監修:福島宏樹さん
東京・大田区の「蒲田カフェ」ヘッドバリスタ。自身の地元でもある蒲田でスペシャルティコーヒー文化を根付かせるべく、深煎りのブレンドから普段なかなか目にすることのない希少価値の高い浅煎りの豆まで幅広く提供。店舗運営以外に、ラテアートやハンドドリップの体験会からバリスタ同士の交流会、トレーニング、CM撮影協力など幅広く活動。毎週水曜日の夜にはさまざまなコーヒー教室を開催している。
Instagram @hirotasso / @kamata_cafe