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「シュラブ」って? ドリンク&料理に活躍するフレーバービネガーを作ろう!

ビネガーに砂糖、フルーツ、スパイスを漬けるだけ。注目が集まる「シュラブ」のレシピ。

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「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

「シュラブ(Shrb)」って知っている? フルーツ、砂糖、ビネガーを合わせて作るシンプルなフレーバービネガーで、スパイスやハーブを加えてアレンジも自由自在。甘みと酸味のバランスが絶妙で、炭酸水で割ればそれだけでおいしいドリンクに。さらに、サラダのドレッシングをはじめ料理のアクセントとして使い道は無限大。
 
昨今は海外のミクソロジストの間でも注目を集め、洗練されたモクテルやカクテルに欠かせない素材として取り入れられている。身近な材料で作れるのも魅力なシュラブのレシピ3点と、ドリンク&料理への使い方のアイデアを料理家の渡辺麻紀さんがご紹介。新しい味の世界を楽しんで!


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スパイス風味のシュラブが推し!

バナナとバニラ、こしょうのシュラブ

フルーツを砂糖漬けにし、ビネガーで保存する知恵から生まれたシュラブ。禁酒法時代(1920~1933)にはアルコールの代用として親しまれていた、ユニークな歴史でも知られている。

クラフトカクテルや手作り調味料への関心が高まるなかで再び脚光を浴び、今やおしゃれな食シーンで欠かせない存在に。なかでもスパイスを一緒に漬け込んだシュラブは、ドリンクや料理にひと味違う魅力を手軽にプラスしてくれる。

例えば「バナナとバニラ、こしょうのシュラブ」は、バナナの芳醇な甘さをバニラの香りが引き立て、スパイシーな黒こしょうの風味が全体に絶妙なコントラストを生む組み合わせ。

材料はこんなにシンプル

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

材料は酢と砂糖をベースに、フルーツとスパイスで風味をプラス。今回はクセのない米酢と上白糖を使っているけれど、酢はアップルサイダービネガーや白ワインビネガー、砂糖は三温糖やきび砂糖など、好みで自由にアレンジしても。「酢の種類によっては酸味が強くなったり、砂糖の種類によっては液色が茶色っぽくなるなどの違いが出るので、仕上がりの味と色をイメージしながら選んでください」と渡辺さんからのアドバイス。

バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ


●材料【作りやすい分量】
米酢 200㏄
上白糖 100g
バナナ 正味200g(約2本)
バニラビーンズ 1/2本
粒黒こしょう 小さじ1/2

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材料を合わせて一晩置いたら完成

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

作り方も簡単。まずは煮沸消毒した清潔な保存瓶などの容器を用意。

●作り方
1 バナナは皮をむいて1cm幅程度の輪切りにして容器に入れる。
2 砂糖、バニラビーンズ、つぶした粒黒こしょうを加え、純米酢を加える。砂糖がなじむように底のほうをスプーンで軽く混ぜ、ふたをして冷蔵庫で漬ける。途中、沈んだ砂糖が全体にまわるよう1、2回かき混ぜる。一晩以上置いてから使う。

※冷蔵庫で10日間ほど保存可能。バナナの色が茶色っぽくなってくるので、気になるようであれば途中で取り出しても。除いたバナナはヨーグルトにのせてもおいしい。

アレンジ1:ポークソテーのソースに

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

甘ずっぱいシュラブは調味料としてさまざまな料理に使える。「バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ」は、例えばポークソテーに絡めながら煮詰めると、甘酸っぱくトロピカルな味わいのソースに。サイドディッシュのケールサラダも、シュラブとごま油(白)を同量ずつと、塩(強めにきかせるのがおすすめ)を合わせたドレッシングであえたもの。シュラブの甘い香りが苦みのある野菜によく合う。

トロピカルポークソテー

●材料【1人分】
豚ロース肉(ポークソテー用) 1枚
バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ 液体大さじ4+バナナ6切れ
バター 5g
ココナツシュレッド(フライパンで空炒りしておく) 適量
ごま油(白) 適量
粗挽き黒こしょう 適量

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カラメル色になるまで煮詰めて

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

●作り方
1 豚ロース肉はところどころに切り込みを入れ、両面に塩をし、室温に10分おく。フライパンにごま油を中火で熱し、豚ロース肉の表面の色が変わるまで焼く。裏返し、焼き色が付いたら「バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ」の液体を加え、ふたをして蒸し焼きにする。
2 豚ロース肉に火が通ったらバナナも加え、豚ロース肉にからめながらシュラブがカラメル色になり、少し濃度が出るまで煮詰める。
3 器に盛り、ココナツシュレッドをのせ、粗挽き黒こしょうをふる。

アレンジ2:甘酒とシェイクに

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

炭酸水で割るだけでもおいしいシュラブはアレンジの幅も広く、気分に合わせて自由に楽しめる。例えば「バナナとバニラ、こしょうのシュラブ」で作る甘酒シェイクは、シュラブを甘酒と合わせてハンドミキサーでなめらかになるまで混ぜたら完成。まろやかな甘酒に、リッチな甘さとフレッシュな酸味が加わる。

甘酒シェイク
●材料【1人分】
甘酒 140㏄
バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ 液体大さじ3+バナナ3片

●作り方
1 「バナナとバニラ、黒こしょうのシュラブ」の液体とバナナ、甘酒を合わせ、ハンドブレンダーなどでなめらかになるまで攪拌する。
2 小皿に粗挽き黒こしょうを広げて入れ、グラスの淵にシュラブ少々(分量外)を付けて湿らせ、小皿にのせてところどころに粗挽き黒こしょうを付ける。
3 1を2に注ぐ。

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金柑とローリエ、花椒のシュラブ

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

フルーツとスパイスを変えると、味わいが劇的に変わるのもシュラブの楽しさ。こちらは金柑とローリエ、中国料理でおなじみの花椒(ホワジャオ)を組み合わせた清涼感のある香りが印象的。花椒は柑橘類に似た香りを持つので、金柑との相性抜群。

金柑とローリエ、花椒のシュラブ
●材料【作りやすい分量】
米酢 200㏄
上白糖 120g
金柑 200g
ローリエ 4枚
花椒 小さじ1

●作り方
1 金柑は横半分に切り、清潔な保存容器に入れる。半量は麺棒などで軽くつぶす。
2 砂糖、ローリエ、花椒を加え、純米酢を加える。砂糖がなじむように底のほうをスプーンで軽く混ぜ、ふたをして冷蔵庫で漬ける。途中、沈んだ砂糖が全体にまわるよう1、2回かき混ぜる。一晩以上置いてから使う。
※冷蔵庫で10日間ほど保存可能。

炭酸水で割る以外にも、お湯や紅茶で割ってはちみつを加えたり、温めた白ワインにはちみつと一緒に加えてヴァンショー感覚で楽しんだりしても美味。

料理に使うなら、例えばシュラブを金柑ごとフライパンに入れて火にかけ、カラメル色になり、少しとろみが付くまで煮詰めて手軽なソースに。バター風味で蒸し煮にした白身魚(たらなど)や白子、または豚肉のソテーなどに添えて。

柿とカルダモン、赤唐辛子のシュラブ

「シュラブ」って知ってる?マルチに使えるフレーバービネガーを作ろう!

柿にカルダモンと赤唐辛子を合わせたシュラブ。 漬けたばかりのときは柿のまろやかな甘みが立ち、日が経つにつれて酸味の利いたシャープな味わいに変化する。

柿とカルダモン、赤唐辛子のシュラブ

●材料【作りやすい分量】
純米酢 200㏄
上白糖 120g
柿 正味200g+皮10g
カルダモン 4粒
赤唐辛子(種を除く) 1本

●作り方
1 柿は皮をむいて12等分くらいに切り、あれば種を除く。皮10gと共に清潔な保存容器に入れる。
2 砂糖、カルダモン、赤唐辛子を加え、純米酢を加える。砂糖がなじむように底のほうをスプーンで軽く混ぜ、ふたをして冷蔵庫で漬ける。途中、沈んだ砂糖が全体にまわるよう1、2回かき混ぜる。一晩以上置いてから使う。
※冷蔵庫で10日間ほど保存可能。

ほかのシュラブ同様にドリンクにするほか、料理にも使い勝手がいい。例えば、千切りのにんじんをシュラブとオリーブオイル、塩を合わせたドレッシングでサラダに。このときシュラブの柿の果肉を加えてもよく、このドレッシングは帆立のカルパッチョなどにかけても相性がいい。またフライパンで煮詰めたシュラブを鶏のから揚げに絡めれば、甘酢風の味わいに。


Cooking: MAKI WATANABE(makiette)

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