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「organ/uguisu」紺野真シェフが教える、ズッキーニとトマトが変身する技ありレシピ

「organ」「uguisu」紺野真シェフの著書から、ズッキーニ&トマトの新しい食べ方を紹介。編集部がキッチンで習った作り方をプロセス写真付きで公開。

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紺野真、野菜のひと皿料理

ズッキーニ、とうもろこし、トマト。身近な野菜が、紺野真シェフの手にかかるとぐっと新鮮なひと皿に。皮ごと焼いたズッキーニはくり抜いて、とうもろこしと香ばしいソースを詰めた“ボート”仕立てに。じゃがいもは蒸さずにオーブンで焼き、ふんわり食感の香ばしいニョッキへ。どちらにも共通するのは、甘みと香ばしさを兼ね備えた「焦がしトマトソース」。

著書『uguisu/organ 紺野 真が作る 野菜のひと皿料理』に掲載されたレシピをもとに、編集部がキッチンで直接教わった“作り方の極意”をプロセス写真付きで徹底解説。いつもの野菜が、ちょっと意外で新しいごちそうに生まれ変わる。

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まずはこの一皿から! 「とうもろこしとピスタチオ、ズッキーニのボート」

ズッキーニボート

皮ごとほっくり焼いたズッキーニに、とうもろこしと甘く香ばしいトマト&ピスタチオのソースをたっぷり詰めた、夏のごちそう。異なる甘みと食感が重なり合い、シンプルなのに奥深い味わいに。見た目も華やかで、夏の食卓を盛り上げてくれること間違いなし。
 
このレシピで使う「焦がしトマトソース」は、次に登場するニョッキでも活躍する万能選手。「店でもよく使うソース」と紺野さんも太鼓判を押す、甘みと香ばしさが共存する味わい。いつものトマトソースとはひと味違う、この作り方は覚えておきたい。
 
とうもろこしとピスタチオ、ズッキーニのボート
材料【4~5皿分】
ズッキーニ 3本
とうもろこし(実を包丁で削ぐ) 1本
ピスタチオ(ロースト) 36g(正味)
焦がしトマトソース(作りやすい分量) 
 ミニトマト 450g 
 にんにく(薄切り) 2片 
 EX.V.オリーブオイル 大さじ1 
 塩 適量 黒こしょう 適量 
 赤唐辛子 適宜
卵白 1/2個分
塩 適量
レッドソレル(好みのハーブ) 適量

STEP 1 ズッキーニを丸ごと焼く

ズッキーニボート

ズッキーニボートの土台となるズッキーニは、まず丸ごと調理する。オリーブオイルをかけてアルミホイルで包み、190℃に予熱したオーブンへ。
 
約15分加熱すると、皮が少しだけしわっとなり、包みを開けた瞬間に甘い香りがふわっと広がる。崩れない適度なやわらかさが肝なので、焼きすぎ注意。

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STEP2 焦がしトマトソースを作る

ズッキーニボート、紺野真

ズッキーニをオーブンに入れたら、すかさずソース作りへ。狙うのはフレッシュさと香ばしさの絶妙なバランス。鉄製フライパンを強火にかけ、煙が立ちはじめたら、へたを取ったミニトマトとにんにくを放り込む。

「短時間で一気に加熱し、甘みをギュッと凝縮します」と紺野シェフ。酸味とみずみずしさを残すには、火を止めるタイミングが勝負どころ。ここからはまさにスピード勝負!

STEP3 直火で香ばしさをプラス

ズッキーニボート、紺野真

このソースのハイライトが、この工程。香ばしさとフレッシュさを両立させるために、スピード感をもって甘みを凝縮させていく。

紺野シェフが取り出したのは、なんとクレームブリュレなどに使うバーナー!フライパンをあおりつつ、炎を小刻みに動かしてトマト全体をムラなくあぶると、ふわっと立ちのぼる香ばしい香りに包まれる。にんにくは香りが立ったら途中で取り出して。

「バーナーがなければ、とにかく強火のフライパンで!」と紺野シェフからのアドバイス。ちょっとドキドキする瞬間だが、この香ばしさはクセになる。家で作業するときは、周囲に燃えやすいものを置かないようにくれぐれも注意して。

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STEP4 焼き目がついたら火を止める

ズッキーニボート

全体がほどよく焼き色を帯びたら、香ばしさと甘みのピークに到達。皮はパリッと香ばしく、果肉はまだジューシーという理想的な状態で火を止めて。

STEP5 ピスタチオを加えて、さらに風味よく

ズッキーニボート

焦がしたトマトに、ピスタチオと卵白を加えてハンドブレンダーにかけ、なめらかなピュレ状になるまで攪拌する。塩で味を調えれば、香ばしさとナッツのコクがぐっと増したフィリングの完成。

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STEP6 フィリングを詰める

ズッキーニボート

焼き上がったズッキーニは縦半分にカットし、ナイフで周囲に浅く切れ目を入れたあと、スプーンで中身をくり抜く。

くり抜いた身は、STEP5の焦がしトマトソースに加えて攪拌してもいいそう。「店では濃厚な味わいに仕上げるために入れていませんが、家庭なら好みで入れても」とシェフ。

フィリング大さじ3ほどを絞り袋に入れ、ズッキーニのくぼみにこんもりと絞り出す。黄緑の器に赤いソースが映え、仕上がりの期待感が一気に高まる瞬間だ。

STEP7 さらにオーブンで焼く

ズッキーニボート

フィリングを詰めたズッキーニの上に、ゆでて粒をはずしたとうもろこしをたっぷり散らす。黄色と赤のコントラストがさらに鮮やかに。

220℃に予熱したオーブンで10分ほど、表面にほんのり焦げ色がつくまで焼く。香ばしい匂いが立ち上り、甘みがいっそう際立つ。

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STEP8 ハーブを飾って完成

ズッキーニボート

器にズッキーニボートをそっと移し、仕上げにレッドソレルをふわりと飾ると、見た目も夏らしい華やかさに。

ナイフを入れると、ほっくりと焼けたズッキーニに、ジューシーなフィリングと香ばしいソースがとろりと重なる。ピスタチオのコクが余韻に広がり、軽やかなのに満足感のある味わい。

「もちろんフィリングにベーコンなどの肉類を足してもおいしい。けれど、今回のレシピのように卵白以外は植物性の素材だけで作ったほうが、よりきれいで澄んだ味わいが楽しめます」と話す紺野シェフ。野菜の持つ力をダイレクトに感じられる、素材が響き合う一皿だ。

2品目は「じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース」

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース

ほっくりと甘みが凝縮した、皮ごと焼き上げたじゃがいもで作るふんわりニョッキ。「とにかくじゃがいもが熱いうちに手早く仕上げるのがコツ」と紺野シェフ。
 
合わせるのは「とうもろこしとピスタチオ、ズッキーニのボート」でも活躍した「焦がしトマトソース」。香ばしさとフレッシュ感が共存し、トマトの酸味と甘みがじゃがいものやさしい味わいを引き立てる。

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース

材料【4人分
じゃがいも(だんしゃく) 3個(520g)
強力粉 156g(じゃがいもの重さの35%)
卵黄 1個
パルミジャーノ・レッジャーノ(おろす) 25g
塩 5g
焦がしトマトソース(材料と作り方は「とうもろこしとピスタチオ、ズッキーニのボート」参照) 適量
EX.V.オリーブオイル 適量

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STEP 1 焦がしトマトソースを作る

ジャガイモのニョッキ、焦がしトマトソース

まずは「焦がしトマトソース」を作っておく。作り方は「とうもろこしとピスタチオ、ズッキーニのボート」を参照。フレッシュさと香ばしさが共存する万能ソースは、ニョッキとも相性抜群。ひと口ごとにうま味が広がり、後を引く味わいだ。

STEP 2 じゃがいもを皮ごと焼く

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース

じゃがいもはよく洗い、水気をしっかり拭き取ってからアルミホイルで包み、190℃に予熱したオーブンへ。約30分焼き、串がすっと通ればOK。まだ固ければ追加で加熱する。オーブンで焼くことで甘みがぎゅっと凝縮され、香ばしさもプラスされる。

焼き上がったら、熱いうちに皮をむくのが最大のポイント。「じゃがいもが冷めると生地に粘りが出てしまうので、皮むきから裏ごし、粉と合わせるまで一気に仕上げることが大事」と紺野シェフ。このスピード感が、ふんわり軽やかなニョッキを生み出す秘訣だ。

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STEP 3 熱いうちに裏ごす

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース
ELLE Digital (JP)

皮をむいたじゃがいもは、熱いうちに裏ごし器で丁寧になめらかにする。重さを計り、じゃがいもの分量の35%にあたる強力粉を準備する。
 
ボウルにじゃがいも、強力粉、卵黄、パルミジャーノ・レッジャーノ、塩を入れ、手早く軽くこねてまとめる。水分が多くやわらかすぎる場合は、強力粉(分量外)を加えて調整する。

STEP4 ニョッキを成形する

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース

生地は棒状に転がして均一な太さに伸ばし、包丁でひと口大に切って軽く丸める。

打ち粉(分量外)を薄くふった台に並べ、フォークの背でやさしく押し当てて凹凸をつける。この凹凸がソースの絡みをぐっと良くするポイント。打ち粉は最小限にとどめ、じゃがいもの素朴な甘みとしっとり感を損なわないようにする。

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STEP 5 ニョッキをゆで、焦がしトマトソースと和える

じゃがいものニョッキ、焦がしトマトソース

鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩は湯量の1%(分量外)を加える。ニョッキをそっと入れ、サイズにもよるが目安は3分前後。浮いてきたらすぐに氷水へ。しっかり冷やしたらペーパータオルを敷いたバットに並べ、水気をしっかり取ってオリーブオイルをまわしかけ、表面をコーティングしてくっつきを防ぐ。

 
フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブオイル適量を熱し、ニョッキを中弱火でじっくりソテーする。全体が温まったら焦がしトマトソースを加えてひと煮立ちする。

厳選の野菜料理レシピが満載な一冊は、必見!

紺野真が作る 野菜のひと皿料理

今回教えてくれたレシピが掲載されているのは、紺野真シェフが、約3年をかけて完成させた『紺野 真が作る 野菜のひと皿料理』。

実際に店で提供してきた料理から、旬の野菜を自由に組み立てた新作まで、100近いレシピを収録。切り方や火入れの加減ひとつで変わる野菜の奥深さを、シェフならではの発想と技術で引き出している。プロの料理人はもちろん、日々の食卓に新しい発見を求める人にも響く、野菜料理の可能性を広げる一冊だ。

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