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ハイブランドから女王愛用バッグまで! 近代史に名を残すアイコンバッグ13選

グレース・ケリーやジェーン・バーキンが愛用したバッグとエピソードもご紹介。

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バッグは長年にわたって人々の憧れや熱望、クラフトマンシップの源となっている。しかし、美的な魅力だけでなく、日常的に使う大切な物を入れておく場所でもあるため、バッグには高い機能性が凝縮されている。現在、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で開催中の大ファッション展「Bags: Inside Out」では、長年にわたって愛されてきたバッグと、そのバッグを所有してきた人たちとの関係性を掘り下げている。今回は、キュレーターのルシア・サヴィが、同展で展示されている中でも、最も重要なバッグ13点を解説。

※V&Aの「Bags: Inside Out」展は、現地時間2021年9月12日まで開催予定。

Photo: Sarah DuncanCourtesy of the V&A Translation: Masayo Fukaya From Harper's Bazaar

「ラクロッシュ・フレール」のバニティケース(1926年頃)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「ゴールド、ダイヤモンド、ターコイズ、マザーオブパールを使用した小ぶりなバニティケースは、それ自体がジュエリーのような存在です。

こうしたバッグは、夜会のときに女性の手を優美に見せるためのジュエリーとしてみなされていました。一方で、化粧品やタバコを持ち運ぶために内側を小さく区切り、デザイン性にも長けています。繊細でありながら機能性も兼ね備えたこのバッグは、 “ミニチュアの奇跡”と言えるでしょう」

ノルマンディー号のクラッチバッグ(1935年頃)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「ノルマンディー号は、1935年5月29日にフランスのル・アーブルからニューヨークに向けて初航海した、当時、世界最大で最速の客船でした。

その豪華客船の魅力をクラッチバッグのデザインに落とし込み、ファーストクラスのお客様へのギフトとして船内販売されたものです」





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「ロベルタ・ディ・カメリーノ」のハンドバッグ“バゴンギ”(1950年代後半)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「モナコ公国の公妃グレース・ケリーは、『エルメス』の“ケリー”と結び付けられがちですが、1959年のローマ旅行では、『ロベルタ・ディ・カメリーノ』がデザインした“バゴンギ”を携えていました。

このバッグは、ベネチアのゴンドラ職人たちが木製織機で作っているため、クラフトマンシップを象徴するバッグとして大ヒットしました」

「ウィラーディ・オリジナルズ 」のイブニングバッグ“スターダスト”(1950年〜1960年)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「こちらは、耐久性のあるアクリル樹脂、ルーサイトを使用したバッグです。手で成形する必要があったため、この高価なラグジュアリー製品にはクラフトマンシップが息づいています。

エリザベス・テイラーやマリリン・モンローといったアイコニックな女優たちに愛用されていたことで人気を博しました」

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ジェーン・バーキン所有の「エルメス」“バーキン”(1984年)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「当時のエルメスの会長ジャン=ルイ・デュマが、イギリス出身の女優で歌手のジェーン・バーキンのためにこの伝説的なバッグを作りました。

2人がロンドンへの機内で偶然出会い、ジェーンがポケット付きの革のバッグを見つけるのはとても難しいとジャンに打ち明けたことがきっかけだそうです。

これは“バーキン”の第1号で、続く商品にはないショルダーストラップが付いています。また、ジェーン・バーキンが実際に愛用していたもので、彼女が貼っていたステッカーの跡まで残っています」

「 ジャンニ・ヴェルサーチェ」のハンドバッグ“セーフティ・ピン”(1994年春夏)

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Courtesy of the V&A

「『ジャンニ・ヴェルサーチェ』の“セーフティ・ピン”コレクションはケイト・モスやナオミ・キャンベル、クリスティー・ターリントンという錚々たるスーパーモデルを起用した彼の代表的なショーのひとつです。コレクションでも目を引く美しさが落とし込まれたハンドバッグです」

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「ルイ・ヴィトン」×スティーブン・スプラウスの“グラフィティ・キーポル50(Graffiti Keepall 50’)”(2001年春夏)

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Courtesy of the V&A

「2001年、マーク・ジェイコブスは、アーティスト兼ファッションデザイナーのスティーブン・スプラウスとコラボをし、ルイ・ヴィトンのモノグラムを再構築しました。

ポップかつストリートカルチャーを取り入れたこのバッグは、象徴的なモノグラムの上にスプラウスの特徴的なグラフィティで“落書き”したデザインになっています。

これが、ルイ・ヴィトン史上初となるアーティスト・コラボレーションで、以降数多くのアーティストとコラボしています」

「クロエ」のハンドバッグ“パディントン”(2005年)

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Courtesy of the V&A

「1990年代後半から2000年代前半にかけて、フェンディ、ディオール、プラダ、マルベリー、クロエなどの高級ブランドバッグが人気を博し、ファッション業界では“イット・バッグ ”と呼ばれるようになりました。

大きなパドロックキー(南京錠)と親しみやすいデザインが特徴の『パディントン』は、発売直後に8000個が即完売。

リンジー・ローハンやニコール・リッチーなど、世界中のセレブが愛用している姿も目撃され、大勢の人がウェイティングリストに並びました」

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「マルベリー」のハンドバッグ“アレクサ”(2010年春夏)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Sarah Duncan

「2009年にイギリスの人気モデル、アレクサ・チャンにインスピレーションを得て考案されたバッグが『アレクサ』です。

彼女がマルベリーのクラシカルなメンズ用ブリーフケース『エルキントン』を持ち歩いていたことに端を発しています。

サッチェルバッグとハンドバッグを兼ねたこの商品は、ファッション誌で“不況を打ち破るイット・バッグ”と呼ばれるほど魅力的なデザインでした」 

「バレンシアガ」のオーバーサイズドショッパー“バザール”(2016年秋冬)

近代史に名を残す、アイコンバッグ13選
Courtesy of the V&A

「2016年に誕生したこのショッパーバッグは、バレンシアガのアーティスティック・ディレクターに就任したデムナ・ヴァザリアによる初のコレクションのもの。

普遍的なアイテムであるマーケットバッグが、ラグジュアリーなバッグに生まれ変わるというアイデアから生まれています」

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「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」の“バムバッグ”(2019年秋冬)

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Courtesy of the V&A

「スポーツは私たちの服装に長い間影響を与えてきました。2013年にヴァージル・アブローによって設立されたオフ-ホワイト。

機能的なバッグを入手困難なほど人気の高いファッション・ステートメントへと見事に昇華させています」

「ザ・ニューヨーカー」のトートバッグ(2019年)

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Courtesy of the V&A

「アメリカの雑誌『ザ・ニューヨーカー』は2004年より、新規の定期購読を申し込んだ人にこのトートバッグを提供し始めました。

当初は需要に追いつくのに苦労しましたが、今では世界中で認知され、文化的な知識のシンボルとなっています」

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「ロウナー」のハンドバッグ“トラヴィアータ”(2020年)

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Courtesy of the V&A

「公共の場でお目にかかるエリザベス女王は、必ずと言っていいほどハンドバッグを持っていますが、その色は黒、グレー、白のみです。

『ロウナー』によってデザイン・製造される“トラヴィアータ”は定番モデルですが、特注されるロイヤルバージョンはこの写真とは異なり、ハンドルが長くなっているのが特徴です」

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