コロンビアの美しく豊かな自然をモチーフに、遊び心あふれるハンドメイドアイテムを展開する「メルセデス・サラザール」。2025年7月9日(水)までトゥモローランド 渋谷本店にて開催中のポップアップでは、ブランドを象徴する大人かわいいかごバッグや、色とりどりのアクセサリーを手に取ることができる。
そして、ポップアップの開催を機にデザイナーのメルセデス・サラザールが来日。色彩と伝統工芸が織りなす「メルセデス・サラザール」の魅力や、ブランドを支える部族の職人たちへの思いを彼女に聞いた。
「メルセデス・サラザール」
コロンビア出身のデザイナー、メルセデス・サラザールが率いるハンドメイドブランド。コロンビアの部族が受け継ぐ工芸を保護したいという思いから、すべてのアイテムを部族の職人と協力し制作している。
Instagram:@mercedessalazar
――ブランドを立ち上げたきっかけは?
「建築を専攻していた大学生の頃に、授業の一環でジュエリーギャラリーを訪れ、ジュエリーに大きな興味を抱くようになりました。その後、メキシコでジュエリー制作を学ぶなかで、あの国特有の色彩や文化にインスピレーションを受けたことがきっかけとなり、母国で伝統工芸を生かしたブランドを立ち上げることを決意しました」
――「メルセデス・サラザール」で大切にしていることは?
「それはふたつあります。ひとつは、コロンビアの伝統的な手法を保護し、今よりさらに発展させていくこと。もうひとつは、制作を担う部族への理解を深めることです。コロンビアは地域によって、それぞれ異なる部族が暮らしています。私たちはそのうちのいくつかの部族と協力して制作を行っているのですが、彼らのもとを訪れ、直接会話をし、良い関係を保つことはブランドにとって大切なことなのです」
――すべてのアイテムをコロンビアの部族が制作している?
「そうです。私がデザインを手がけ、それぞれのパーツの制作を彼らが担ってくれています。部族によって得意とする手法が異なるため、例えばバッグであれば、網みのパーツはこの部族に制作をお願いし、刺しゅうのパーツはまた別の部族にお願いするというふうにしています。最終的に、すべてのパーツをブランドのギャラリーに集約して組み立てるのですが、多様な部族の協力によってひとつのアイテムが完成するのです」
――ブランドの成長が地域経済に与える影響について、どう考える?
「さまざまな面で良い影響を及ぼすことができていると考えています。ブランドを立ち上げてからこの20年で、『メルセデス・サラザール』を通し、コロンビアの部族の技能の高さや、伝統工芸の美しさを世界に知ってもらうことができました。実際に、注目度が高まったことで、部族の職人と協業するデザイナーが増えています。私がこれまで愛をもって取り組んできたことが、母国の発展や部族の方々の生活の向上につながっていることをとてもうれしく思っています」
――今後、どのようにブランドの世界観を拡大していきたい?
「さまざまな国でポップアップを開催することで、私たちのメッセージを直接届けたいと思っています。ただ、今以上にブランドビジネスを大きくしていくことは考えていません。それよりも、協業する部族とともに工芸の手法に磨きをかけることで、今あるもののクオリティをさらに高めていきたいと思っています。それと、私の娘たち、つまり次の世代にブランドを引き継いでいきたいと考えています。伝統工芸の継承やコロンビアの経済発展のためには、『メルセデス・サラザール』をこの先も長く継続していくことが必要ですから」
「メルセデス・サラザール」ポップアップ情報
会期/2025年7月9日(水)まで
場所/トゥモローランド 渋谷本店(東京都渋谷区渋谷1-23-16)
営業時間/11:30~20:00
問い合わせ先/トゥモローランド 渋谷本店 tel. 03-5774-1711