もし外出先で地震にあってしまったら? 災害はいつどんな瞬間に起こるかわらかない。とはいえせっかく防災グッズを用意していても、いざという時に使いこなせないといったケースも。大切なのは、日常に無理なく防災を取り入れること。例えば、食品や日用品を普段から消費しながら備蓄する“ローリングストック”を実践するのもひとつのアイデア。今回は防災アドバイザーの古島真子さんをむかえ、楽しんで取り入れることができる“HAPPY防災”グッズをご紹介。毎日の延長線上で、できるところから始めてみよう。
text: MEGUMI OTAKE
監修者PROFILE
古島真子(ふるしま・まこ)/防災をHAPPYに伝える防災士。3.11をきっかけに岩手県陸前高田市に10年以上通い、防災の大切さに目覚める。“十人十色の個性に合わせたカラフル防災”をコンセプトに、instagramなどで情報発信中。
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- 日常の延長線上で防災を考えるために
- 【1】「アシックス」の安全靴
- 【2】「エッフェ」の笛ネックレス
- 【3】「タイオン」のダウンパンツ
- 【4】普段使いできる防災スリッパ
- 【5】リュックも覆えるレインコート
- 【6】「コジット」の防災リュックになる玄関チェア
- 【7】「無印良品」のドライシャンプー
- 【8】「ヴァセリン」のピュアスキンジェリー
- 【9】「メルーナ」の月経カップ
- 【10】心を潤す美容グッズ
- 【11】「Vエイド」の防災パン
- 【12】「ソネングラス」のソーラーランタン
- 【13】「ウォッシュユー」のマルチクリーナー
- 【14】大判の風呂敷
- 【15】「ソーヤー」のミニ浄水器
- 【16】「ジャクリ」のポータブル電源
- 【17】「パイクスピーク」の携帯トイレ
- 【18】「パセコ」のストーブ
- 【19】ポリ袋クッキング用のセット
- 【20】「ライフギフト」のカタログギフト
日常の延長線上で防災を考えるために
茅ヶ崎と陸前高田の2拠点生活をおくる、カラフル防災クリエイション代表兼防災士の古島真子さん。“十人十色の個性に合わせたカラフル防災”をテーマに、明るくハッピーに防災の大切さを伝えている。その先にある理念は、自然災害をきっかけに命を落とす人が一人もいない社会を創ること。将来はあらゆる世代が防災を通じてつながりをもち、助け合いの輪を広げていくことだと話す。現在の主な活動内容は、企業の防災マニュアルの整備や備蓄品の見直し、イベント、研修まで多岐にわたる。
「やらなきゃいけない、というのが従来の防災のイメージですが、それだと本質的な防災はできていないし、届く人が限られてしまう。それでは意味がないと感じています。十人十色の個性があるように、ベストな防災アイテムも人それぞれ。防災の基本を念頭に置きつつも、日常の延長線上で“心がときめくHAPPYなアイテム”を無理なく防災にも役立ててほしい」と古島さん。
時と場所、環境によって防災グッズの種類や量にも大きな違いがあるけれど、もし被災した時に自分にとって本当に必要なものとは何か。物資だけでなく心のケアにもスポットをあて、日常から取り入れられる古島さんおすすめの防災グッズをピックアップ。20のアイテムを参考に、自分に合った防災グッズを考え直してみよう。
>>次ページからおすすめの防災アイテムをご紹介!
【1】「アシックス」の安全靴
「災害が起きた時は、ガラスの破片やくぎなどが散乱し、足場が危険な状態になることも。私が持っている『アシックス』の安全靴は、ハイカットなので足首までしっかりガードしてくれて安心。ビビッドカラーが効いていて、視認性が高いところも優秀です。好きなデザインを選んで普段から愛用していれば、いざとなった時にも活用できて◎。お手ごろ価格な『ワークマン』の安全靴もおすすめです。ただ、これらの安全靴で守られるのはあくまでつま先だけなので、踏み抜き防止インソールをスニーカーにインすることで、足裏全体を守ることができて万全です」(古島さん)
シューズ¥15,400/アシックス(Amazon)
【2】「エッフェ」の笛ネックレス
「防災用としてリュックに救助笛をしまいこんでいても、いざというときに使えなければ意味がないですよね。それであればアクセサリー感覚で毎日身に着けられるものを。私は『エッフェ』の笛ネックレスをいつもお守りのように身に着けています。カラー展開が豊富で、好きな色を選ぶのも楽しいですし、人間や救助犬の耳に聞こえやすい周波数まで計算されているのも心強いです。プレゼントにしても喜ばれそう」(古島さん)
ネックレス¥4,180/エッフェ(SUNDAY MOUNTAIN)
【3】「タイオン」のダウンパンツ
「タウンユースはもちろん、被災地でもストレスなく着用できるダウンパンツは1枚持っていると重宝しそう。避難所で一番困るのがやはり寒さ。ブランケットを持っていなくても、足元の寒さをしのぐことができます。この『タイオン』のホワイトのダウンパンツは、ファッションとしてもおしゃれですよね。軽い着心地で動きやすいのも大事なポイントです」(古島さん)
ユニセックス シティ ダウンパンツ¥24,662/タイオン(Amazon)
【4】普段使いできる防災スリッパ
「家にいるときも、いざとなったらそのまま避難できるよう、防災スリッパは日頃から備えておくのがベスト。シンプルでおしゃれなデザインなら部屋に置いてもインテリアの妨げにならず、普段から違和感なく使用できます。Amazonでセンスのいい防災スリッパを探してみるのもいいですし、または『無印良品』のかかと付き防災スリッパもミニマルなデザインでおすすめです」(古島さん)
防災ルームシューズ¥2,380/アルファックス(Amazon)
【5】リュックも覆えるレインコート
「避難する際は両手があけられる状態にするのが鉄則。レインコートはリュックまで覆える形状かつ、丈が長めのタイプをチョイスするのがと良いと思います。ポンチョタイプなら着脱も簡単。フードをかぶった時に視界が開けた状態であることも重要なポイントです。気分の上がるデザインを見つけて、ぜひ日ごろから使う習慣を」(古島さん)
ポンチョレインコート¥12,100/ポロ ラルフ ローレン(エル・ショップ)
【6】「コジット」の防災リュックになる玄関チェア
「防災リュックはいざという時に引っ張りだすよりも、普段から目に見える場所に置いておけるといいですよね。『コジット』の防災リュックになる玄関チェアは、実家で母が使用していて、我が家のインテリアにもすっかりなじんでいます(笑)。普段は玄関で靴を履く時の椅子として使えて、緊急時には、背負うための肩紐を出してリュックにできるというアイデア商品です」(古島さん)
防災リュックになる玄関チェア¥4,182/コジット(Amazon)
【7】「無印良品」のドライシャンプー
「災害時に水が止まってシャワーを浴びられないなど、避難所の生活において衛生面に悩む声を多く聞きます。そんな時に役立つのが、水を使わないドライシャンプー。スプレータイプやパウダータイプなど、さまざまな種類がありますが、私が実際に試して一番使いやすかったのがこの『無印良品』のドライシャンプー。ベタつかずサッパリとした仕上がりかつ、スプレータイプでくまなく頭皮に吹きかけられる点も使いやすくてお気に入りです」(古島さん)
水のいらないシャンプー¥890/無印良品(Rakuten)
【8】「ヴァセリン」のピュアスキンジェリー
「『ヴァセリン』のスキンジェリーは全身の保湿ケアとしてオールマイティに使えるので、1つ持っていると便利です。そして、実はちょっとした裏技も。もしライフラインが止まって火起こしが必要となった時、コットンなどに塗布して火種に入れると、火が長持ちするんです。油分があるので着火剤としての役割も担ってくれるんですね。暖を守るのはもちろん、火があることでできることがぐっと増えます」(古島さん)
オリジナル ピュアスキンジェリー¥555/ヴァセリン(Amazon)
【9】「メルーナ」の月経カップ
「女性にとって気になるのが生理ケア用品。被災地では支援物資に限りがあり、生理用品が足りなくなることも想定しておきたいところです。また、特に量の多い日の夜は生理用ナプキンだけだと不安な人も多いはず。安心を担保するためにも、月経カップを常備しておくことをおすすめします。カラフルな見た目もかわいいドイツ製月経カップ『メルーナ』は、初心者でも扱いやすいのが特徴です」(古島さん)
月経カップ¥3,164/メルーナ(Amazon)
【10】心を潤す美容グッズ
「災害時は、物資だけでなく心のケアもとても大切。自分のお気に入りのアロマやホットアイマスクなど、心が癒やされるような美容グッズがメンタルを支えてくれることもあります。また、最低限のスキンケア(特にクレンジングシート)や、眉ペンだけでも防災リュックに入れておくと、気持ちが違ってくると思います」(古島さん)
ネイルオイル¥4,510/ウカ(エル・ショップ)
【11】「Vエイド」の防災パン
「非常事態の時は、すぐに食べられるものが必須。さらに栄養価が高く、おいしいものだとうれしいですよね。『Vエイド』の防災パンは食品添加物不使用で、ヴィーガン対応かつ26品目アレルゲンフリー。そしてなんと5年保存も可能。防災食というとドライな触感のイメージですが、このパンはすごくふわふわでおいしいんです。抹茶クロレラ&あずき味など数種類あり、日ごろから楽しんで食べられます」(古島さん)
防災パン¥734/Vエイド(Rakuten Bic)
【12】「ソネングラス」のソーラーランタン
「見た目もおしゃれな『ソネングラス』のランタンは、ふたの裏側に太陽光充電のポータブルライトを備えています。もともとは南アフリカに住む人々の暮らしを支える目的で作られたもので、ライフラインが不足しがちな現地の子どもたちが夜に勉強するために使われたり、フェアトレード体制で雇用を生み出したりもしています。非常用ライトとしてはもちろん、中にドライフラワーを入れたりと自由にデザインすることができるので、日常のインテリアとしても楽しめますよ」(古島さん)
ソーラーランタン¥5,420/ソネングラス(Amazon)
【13】「ウォッシュユー」のマルチクリーナー
「『ウォッシュユー』のマルチクリーナーは、化学添加物不使用&アルコールフリーのスーパーアルカリイオン水。これ1本で“洗浄・消臭・除菌”ができます。普段はキッチンまわりやお部屋の掃除などに役立てられ、被災時には洗い物や洗濯にも使えるという心強いアイテムです」(古島さん)
ボトル&詰め替え用リフィル2L ¥3,450/ウォッシュユー(Amazon)
【14】大判の風呂敷
「風呂敷は物を包むだけでなく、実はすごく万能なアイテム。災害時にもし骨折してしまった場合には三角巾の代わりにもなりますし、けがをしてしまった際の止血にも使えます。寒い時は首元に巻けばちょっとした防寒対策にも。さらには、風呂敷の中に重たい石などを詰めてハンマー代わりにすれば、いざという時の助けにもなってくれます」(古島さん)
風呂敷¥1,999/TAYU-TAFU(Amazon)
【15】「ソーヤー」のミニ浄水器
「水はたくさん備えなければいけませんが、リュックに入れても重たいですし、それが避難の妨げになることも懸念されます。断水などで水を確保できない時に役立つのが、手軽に使える携帯浄水器。『ソーヤー』の浄水器はコンパクトなサイズ感で、持ち運びにも便利。雨水や川の水を飲料水レベルにろ過してくれます」(古島さん)
浄水器¥5,500/ソーヤー(Amazon)
【16】「ジャクリ」のポータブル電源
「在宅避難の際はできるだけ日常に近いかたちで過ごすしたいもの。『ジャクリ』のポータブル電源はデバイスの充電はもちろん、容量によっては家庭用の緊急バックアップ電源として活躍してくれます。業界トップの軽さで持ち運びしやすく、場所をとらないのもポイント。サイズ展開も豊富でソーラーパネルとのセットもラインナップしています」
ポータブル電源¥139,800/Jackery(Amazon)
【17】「パイクスピーク」の携帯トイレ
「災害時のトイレ事情は想像以上に大きな問題です。これは絶対に備えてほしい。家のトイレが壊れて使えなくなってしまうこともあるので、そんな時はボックスタイプの簡易トイレが役立ちます。『パイクスピーク』の簡易トイレは折りたたみができるので普段はコンパクトに収納でき、スツールとしても活用できます。また、『BOS』の非常用トイレセットも優秀なのでぜひチェックしてみてください」(古島さん)
携帯トイレ¥3,380/パイクスピーク(Amazon)
【18】「パセコ」のストーブ
「サバイバルにおいて人間は何がないと生きられないか。そこで上位にくるのが適切な体温です。実は、水や食料よりも先に確保しなければならないもの。在宅避難の際、ポータブルバッテリーをもっていてもエアコンまでは使えないというケースもあります。そんな時にも石油ストーブを備えていれば万全。老舗メーカー『パセコ』の石油ストーブは、コンパクトなのに高性能で信頼感があります」(古島さん)
石油ストーブ¥19,800/パセコ(Amazon)
【19】ポリ袋クッキング用のセット
「ちまたでも人気の“ポリ袋クッキング”は災害時にも役立つので、日頃から慣れておくと良いと思います。在宅避難の際はカセットコンロ&カセットガス、ポリ袋、お米やお野菜をストックしておけば、インフラが止まってしまっても、温かくて普段通りのものが食べられるので安心です」(古島さん)
アイラップ¥149/イワタニ(Amazon)
【20】「ライフギフト」のカタログギフト
「おしゃれなボックスに入ったこちらの『ライフギフト』は、“いのちを守る”カタログギフト。デザインのいいインテリアのような防災グッズから、おいしくて備蓄もできる食品まで、日常でも楽しく使える防災アイテムをセレクトすることができます。大切な人に幸せでいてほしい、という願いとともに防災へのきっかけを促してくれる、とてもすてきなギフトだと思います」(古島さん)
カタログギフト¥15,350/ライフギフト(Rakuten)