ダイアナ元妃は1997年6月、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団の「白鳥の湖」のガラ公演を鑑賞した。このとき、それが元妃が公の場に登場する最後の機会のひとつになろうとは、誰も思ってもいなかっただろう。
「ジャック・アザグリー」のドレスに「ジミー チュウ」のパンプスを合わせたダイアナ元妃のその日の装いは、とても魅力的だった。でも、それ以上に注目を集めたのは、王室御用達のジュエラー「ガラード」が手がけた、カスタムメイドのダイヤモンドと南洋真珠のネックレス。
「ガラード」はこのネックレスに合わせてイヤリングも製作したが、このときにはまだ完成していなかったそう。
そのネックレスとイヤリングは、ダイアナ元妃のアイディアを取り入れてデザインされたもの。バレエの鑑賞後、ネックレスはイヤリングを仕上げるために再び「ガラード」の元に送られた。しかし、残念ながら元妃が亡くなる前に、イヤリングが完成することはなかった。
現在は“スワン・レイク・スイート(スイートは「ひとそろい」の意味)”として知られるこのイヤリングとネックレスが、2023年6月27日、アメリカのオークションハウス「ガーンジーズ」が行う競売に出品されることが明らかに。
ガーンジーズのアーラン・エティンガー社長は『WWD』誌に、このジュエリーについて次のように話している。
「皇太子妃だったダイアナは、まだ少女でした」「彼女は借り物を身に着けていました。その後、強く、信頼される人に成長した彼女は、独り立ちできる人になりました。ネックレスをデザインすることは、彼女にとって自らを表現することでした」
このネックレスには、ダイヤモンド178粒と南洋真珠5個が使用されている。いっぽうイヤリングには、6粒のダイヤモンドと養殖真珠2個。
ガーンジーズは、このネックレスとイヤリングについてこう説明している。
「実際にダイアナ妃が身に着けた価値あるジュエリーのなかで、今後オークションにかけられる可能性があるのは、これらだけかもしれません」
現在の所有者であるウクライナの不動産開発業者、マルク・ギンズブルグ氏は『ニューヨーク・タイムズ』紙に、「決して身につけるためのものではありませんでした。まさに象徴的なもの、大切にすべきものでした」と話している。
「スワン・レイク・スイート」は6月27日(現地時間)、ガーンジーズがNYのホテル、ザ ピエールで行うオークションに出品される。
From TOWN&COUNTRY