もしあなたがセレブのスタイリストやアシスタントだったら、ちょうどいま、必死になってファッションブランドや関係各所に電話をかけているところかもしれない――開幕を直前に控えたカンヌ国際映画祭が、参加者のドレスコードを変更していたことが明らかになった。
各国の映画スターやセレブたちが勢ぞろいする一大イベントの主催者は、ウェブサイト上でも参加者が従うべきルールを明確にしている。その新たな「行動規範」によると、参加者は「イブニングウェア(夜に催されるイベントの正装であるロングドレスやタキシード)を着用すること」となっている。
そのほかに認められるのは、いわゆる「リトル ブラックドレス」、または「カクテルドレス、ダークカラーのパンツスーツ、ドレッシーなトップスにブラックのパンツ」。それらに合わせるのは、「エレガントなシューズまたはサンダル」とされている(ヒールの高さは問わない、とのこと)。また、「ブラックかネイビーのスーツに、蝶ネクタイあるいはダークカラーのネクタイを着用すること」、とも記されている。
上記の記載を見る限り、服装に関する規則として驚くようなことはひとつも述べられていない。だが、この新たなルールには、レッドカーペットに登場するセレブたちの多くが好むネイキッドドレスやボリュームのあるドレスを「禁止する」として、次のような記載が含まれている。
「品位を保つことを目的として、レッドカーペットに限らず映画祭の会場に含まれるその他のエリアにおいても、被服を着用しない状態でいることを禁じます」
「ゲストたちの移動や会場内での着席の妨げになるほどにボリュームのある衣装、特に長いヴェールなどの着用は認められません」
過去の映画祭を振り返ると、2024年にベラ・ハディッドが乳首が透けて見える「サンローラン」のドレスで登場し、2023年にはナオミ・キャンベルが着用した「ヴァレンティノ」のクチュールドレスが「場所をとりすぎる」などしており、新たに発表されたルールに従っていたことになるセレブは、これまでほとんどいないかったかもしれない。
だがこのルールが公表されたのは、開催のまさに直前。守らないまま入場しようとしたゲストは、どうなるのだろうか……? 規範には明確に、「入場は認めない」と記載されている。
ちなみに、カンヌ国際映画祭が参加者たちへの対応や要求で疑問を持たれるのは、これが初めてではない。ケリー・ローランドが2024年、レッドカーペットの階段をのぼる途中、スタッフの対応に怒りをあらわにしたことを覚えている人もいるだろう。
また、クリステン・スチュワートは過去に、当時のドレスコードでハイヒールの着用が要求されていたことに反発し、パンプスを脱いで手に持ち、裸足で階段をのぼっている。
日本時間では5月14日未明に開幕する2025年のカンヌ国際映画祭、セレブたちはどのような装いで登場し、主催者側はどのような対応を取るのだろうか――?
From ELLE UK