「ルイ・ヴィトン」ウォッチ & ファインジュエリー部門のアーティスティック・ディレクター、フランチェスカ・アムフィテアトロフがテーマとして掲げる「革新と伝統の融合」。歴史やメゾンのコードを最先端のデザインで表現したクリエーションの最高峰が、ハイジュエリーコレクション、「Awakened Hands, Awakened Minds(アウェイクンド ハンズ アウェイクンドマインズ)」だ。2025年2月に発表された本コレクションは、匠の技と科学の進歩を融合させたコレクションの第2章として、19世紀フランスの急速な進歩からインスピレーションを得た7つのテーマと50点のハイジュエリーピースを展開。クラフツマンシップと科学の革新をたどる旅が、新たな視点で描かれている。
そこで、今回発表された7つのテーマの背景にあるストーリーと壮麗なクリエーションを紹介。
スプランドゥール(Splendeur)
フランス語で、壮麗、輝きを意味する“スプランドゥール(Splendeur)”。その名の通り、フランス王宮で称賛された華麗なクラフツマンシップを想起させるデザインが特徴だ。王室の調度品に見られるフローラルモチーフを着想源とし、「ルイ・ヴィトン」のモノグラム・フラワーを再解釈。透かし細工が施されたペンダントは、イエローゴールドとプラチナの交互パターンが花の構造を際立たせ、中央には8.69カラットのモザンビーク産ルビーが輝く。同コレクションからは、リングとイヤリングも。
フェノメナル(Phénoménal)
驚異的な、並外れたといった意味を持つフェノメナル。フランスの磁器技術に着想を得た、格子細工や華麗な装飾や色彩豊かなレイヤーが特徴だ。「ルイ・ヴィトン」のシグネチャーでもあるロープモチーフをあしらったネックレスは、バゲットダイヤモンドとゴールドを織物のように組み合わせ、シグネチャーの「V」を想起させるデザインに。中央にはLV モノグラムスターカットダイヤモンドと、7.44カラットのコロンビア産エメラルドがきらめきを放つ。
また、メンズのカプセルコレクションとして、職人技とメゾンのクリエイティビティを融合した象徴的なコンパスも登場。ダイヤモンドのフレームと4.55カラットのツァボライトが輝く希少なオブジェで、ウォッチは2.16カラットと2.71カラットのツァボライトを配したデザイン。文字盤には、曲線を組み合わせたエングレービングが施した圧巻のクリエーションに注目。
エレガンス(Élégance)
その名の通り、身体の動きに完璧に沿うLV モノグラムスターカットダイヤモンドがしなやかに輝く繊細なコレクション。ダイヤモンドを連ねたチェーンをV字型に配置した、グリッド状のオープンウィーブ構造を採用し、随所にLV モノグラムスターカットダイヤモンドを集約。発明へのオマージュを融合した、遊び心あふれるヘッドバンドも。
グラヴィテ(GRAVITÉ)
フランス語で“重力”を意味する“グラヴィテ(Gravité)”は、フランスの物理学者フーコーの科学的精密性と、見えない力への視点を取り入れたコレクション。貴金属を導管のように扱い、並列と速度の相互作用による調和をシンメトリーなデザインに落とし込んだ。6.48カラットのカシミール産サファイアを配したV字型ペンダントや、完璧なシンメトリーでセットされた2つのカシミール産サファイアが特徴。制作に2,058時間を費やしたネックレスからは、エネルギーと精密さがもつ美しさを感じることができる。
ディナミズム(Dynamisme)
“ディナミズム(Dynamisme)”は、19世紀のモダンな集産主義(個人よりも集団や社会全体の利益を優先する思想や経済体制)に着想を得たコレクション。リンクを精緻に配列した構築的なネックレスが、動きの相関性をグラフィカルに表現する。オープンシェブロン・モチーフが立体的な構造を際立たせ、プラチナとイエローゴールドのコントラストがプレイフルな輝きを強調。イエローゴールドの角度が「V」モチーフを想起させ、計算された配置が2つの1.59カラットのLV モノグラムスターカットダイヤモンドへ視線を導く。
ヴィジョン(Vision)
“ヴィジョン(Vision)”は、19世紀の産業革命と鉄道の機械化から着想を得たデザイン。プラチナ、イエローゴールド、ダイヤモンドを用いた多連構造で、リンクやビス(鋲)を巧みに取り入れ、動きと光の相互作用を表現。イエローゴールドの三角形モチーフとダイヤモンドバゲットが交互にセットされ、中央には50.01カラットのスリランカ産イエローサファイアが。その下には3.07カラットのLV モノグラムスターカットダイヤモンドが配置され、モダニズムや「Awakened Hands」へのオマージュを表現。
ヴィクトワール(Victoire)
エッフェル塔にささげる「ルイ・ヴィトン」の賛歌として生まれた“ヴィクトワール(Victoire)”。建築的なデザインのハイカラーネックレスは、幾何学的な細工が視線を「V」モチーフへ導き、10.04カラットと3.19カラットのLV モノグラムスターカットダイヤモンドが圧倒的な輝きを放つ。ネックレスには33個のイエローダイヤモンドがちりばめられ、光のコーラスラインを形成。3,923時間を超える製作時間を要した匠の技の集大成が、19世紀へのビジョナリーな賛辞として本コレクションを締めくくる。
卓越したクラフツマンシップと革新性が融合した芸術の結晶であるハイジュエリーコレクションは、「ルイ・ヴィトン」が描くラグジュアリーの新たな境地。伝統と革新が織りなす永遠のエレガンスを、ジュエリーのきらめきから感じたい。
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