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【専門家解説】美しいバラを育てるために知っておくべき23のポイント

土の調合からチェックすべき品種、お手入れの年間スケジュールまで、美しいバラを咲かせるために必要なことを教えます。

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climbing red rose against blue sky, flowers in the garden in summer
Andrew Olifirenko//Getty Images

ゴージャスなバラは、夏の庭やパティオの主役。それが木立ち性でもつる性でも、いわゆるスタンダードなタイプでも、あるいはフェンスを這うバラだとしても、屋外空間の中心として存在感を放ち、ガーデンデザインに彩りを添えてくれる。

美しいバラを育てるために必要なことは? 「ハウス・ビューティフル」がアドバイスを求めたのは、チェルシー・フラワーショーでゴールドメダルを獲得した経歴をもつバラ育種生産会社のピーター・ビールズ・ローゼズだ。ここでは、専門家がシェアしてくれた秘訣を26のキーワードでご紹介。華やかな色や香りをまとうバラを毎年楽しむために何をすればいいのか、早速見ていこう。UK版「ハウス・ビューティフル」より。

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英国王立園芸協会による「ガーデン・メリット賞」

lovely white roses rosa iceberg korbin rose in bloom originally bred by reimer kordes,germany,1958, hybrid ,floribunda rose ,also known as korbin ,fée des neiges and schneewittchen,one of the worlds favourite roses ,inducted into the rose hall of frame in 1983
Masako Ishida//Getty Images

バラを選ぶ時は、イギリスの王立園芸協会によるガーデン・メリット賞(AGM)を獲得した品種をチェックすることをお忘れなく。「AGM受賞品種は審査を勝ち抜いたもの。だから、こうしたバラを選べば勝者を手に入れることになるのです」とピーター・ビールズ・ローゼズの苗床担当マネージャーを務めるイアン・リマー。特に、もっとも厳しい戦いを勝ち抜いた「ローズ・オブ・ザ・イヤー」の品種は、お見逃しなく。

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早く成長する「ベアルート」

soaking roots of bareroot roses roots of david austins graham thomas roses submerged in water white bucket on mulch high point of view selective focus
annick vanderschelden photography//Getty Images

ベアルートとは、土がついていない冬眠状態にあるバラの苗のこと。容器に植えられていない状態で、11月から翌年の3月の間に入手可能だ。早く成長するバラをお探しなら、これをおすすめしたい。素早く根をはり、夏を迎える頃には美しい花を咲かせてくれる。

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壁いっぱいにバラを咲かせる「クライミングローズ」

バラの育て方
Paul Maguire//Getty Images

パーゴラやフェンス、外壁に彩り豊かなアクセントを加えるなら、ぜひ「クライマー」と呼ばれる枝が強い、つる性のバラを試してみてほしい。一般的に、開花時期は夏から秋にかけて。屋外空間の印象を大きく変えてくれるはずだ。

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定期的な「花がら摘み」を忘れずに

cut the roses in the early morning, before 10 am roses are most hydrated and have the highest respiration in the morning hours
Boy_Anupong//Getty Images

剪定ばさみを使い、定期的に色褪せた花や房を摘み取ろう。この作業を、「花がら摘み」という。これにより、バラはより強いエネルギーを「咲かせること」に注ぎ込むことができ、長い間完璧な状態を保つことができる。夏が来たら、毎週花がら摘みをしてほしい。



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美しくバラを咲かせるのに重要な地面への「定着」

woman gardener transplanting roses flowers from pot into wet soil after watering it with watering can summer garden work
Maryviolet//Getty Images

地面に根を張り、定着する過程で手を貸すと、バラは良好な状態を保ってくれる。イアンは、こんなアドバイスをくれた。「バラを植えるのに最適な季節は秋ですが、土が凍ったり水浸しになったりしなかれば、いつ植えても問題ありません。ただ、できるだけ猛暑日や日照り続きのタイミングは避けましょう」

地面に直接植える場合は、堆肥や園芸用の肥料をたくさん使い、土を整えること。 また、バラはpH6.5前後(弱酸性)か中性の土壌を好むことを覚えておいてほしい。こうした条件が揃えば、深く根を張ってくれるはずだ。

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たくさんの花を咲かせる「フロリバンダ」

rose

「フロリバンダ」という言葉をご存知だろうか。「たくさんの花」という意味をもち、バラ栽培の文脈では、それぞれの茎にたくさんの花をつけるバラのことを指す。花壇用として人気が高く、毎年6月から10月にかけてあふれんばかりの花で庭を彩ってくれる。



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庭が華やかになる「グランドカバー・ローズ」

ground cover roses
John Harper//Getty Images

庭の植物同士の間隔が広く空いてしまうのは、あまり美しいものではない。ここで活躍してくれるのが、グランドカバー・ローズだ。「平伏した状態で花を咲かせるバラのことなのですが、夏の花壇で、鮮やかな花々の間に植えるのに理想的。手が届きにくい場所を色で満たし、また、鉢植えにもぴったりです」とイアン。グランドカバーローズは縦ではなく、横方向に広がっていくので、あらゆる隙間を埋めるのに活躍してくれる。

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長く開花を楽しめる「ハイブリッド・ティー」

autumn red roses blooming
Irina Marwan//Getty Images

2種類の品種を交配した「ハイブリッド・ティー」と呼ばれるバラは、フロリバンダとは異なり、それぞれの茎の先に1つのつぼみをつけ、壮麗な花を咲かせる。イアンはこう明かす。「ハイブリッド・ティー・ローズは、庭に咲く花の中でも開花時期が長い。初夏につぼみを膨らませ、秋の初霜が降りる頃まで美しい花を見せてくれます」


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「害虫」には注意!

close up of ladybug on pink rose flower
Cris Cantón//Getty Images

基本的に、バラは手間がかからない植物だが、アブラムシが葉やつぼみに群がることがある。ホースから勢いよく水を出して虫を駆除することもできるが、自然の力に頼る方法も…。テントウムシは、こうした害虫が大好物なのだ。すべての植物に言えることだが、まん延が進行する前の方が対処が容易なので、暖かくなり始めたら注意しよう。


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肥料には「カリウム」を

granular mineral fertilizers for rose plant, spring and summer scheduled feeding close up of fertilizer in womans hands near bush in backyard plant care, cultivation, nature, garden landscaping
Valeriy_G//Getty Images

カリウムは、多くの肥料の成分として不可欠な栄養素。「トマトの肥料は、カリウムを豊富に含むので、プランターで育つバラに魔法をかけてくれますよ」とイアン。「夏の間、プランターを華やげるバラにトマトの肥料を与えると、より鮮やかな彩りを見せてくれます」




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意外に大切な「ラベル」のチェック

flower bouquets for sale on the street at the flower shop, paris, france
Alexander Spatari//Getty Images

バラは種類が豊富なので、購入前には必ずラベルを確認すること。そうすることで、自宅の庭やプランターに大き過ぎたり小さ過ぎたりする品種を買ってしまうような事態を避けることができる。





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保水性・水はけ・日当たり

rose
jes lu//Getty Images

保水性の強い土と、水はけのよさ、それから日当たりを兼ね備えた環境を用意すれば、これだけでバラの栽培に成功したも同然です。







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タイミングも大切な「栄養素」

watering garden flowers with sprinkler
xijian//Getty Images

バラを最高の形で育て、咲かせたいのなら、正しい量の栄養が必要となる。「プランターに育つバラに、定期的に液体肥料を与え続ければ、花々は期待に応えてくれるはず」とイアン。「地面にバラを育てる場合は、一般的な肥料を、開花前の2月、最初に咲いた花々が枯れた後の6月か7月、それから8月の3回に分けて与えてください」

また、肥料の種類について、こう付け加える。「『ヴィタックス』と『 ウェストランド』は、バラ専用の液体肥料を扱っている2大ブランド。私たちは『マキスクロップ』による、海藻と鉄分を加えたタイプの肥料も気に入っていますけれどね」

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「ローズヒップ」で花だけではなく、実も楽しんで

rose hips
Joff Lee//Getty Images

品種によっては、鳥たちに愛される装飾的な実、つまりローズヒップをつけるものも。真夏に枯れた花をしっかりとつみ取っておけば、秋にはカラフルな実に目を奪われることだろう。

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品種によって異なる「香り」

rose
ChamilleWhite//Getty Images

甘く、時にフルーティーなバラの香りはいくらでも味わいたいもの。そして、その香りは品種によって少しずつ異なる。さまざまなかぐわしさを堪能したいのなら、複数の品種を植えよう。

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鉢植えのバラは購入時に「品質」をチェック

closeup of pink rose
Minh Hoang Cong / 500px//Getty Images

「園芸用品店で鉢植えのバラを購入するのなら、質のいいものの見分け方は知っておいた方がいいですね。まずは、健康な緑の葉をたくさんつけている苗を選んでください」とイアンはアドバイス。「新芽の先端やつぼみに虫がいないことも確認しましょう。健康で丈夫に育っていそうなものを手に取ってください。優れた園芸用品店は、バラを最良の状態に保っていて、土にも雑草や(菌類と藻類の複合物である)地衣類がないはずです」

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フェンスをつたう「ランブラーローズ」

climbing rose, veilchenblau
emer1940//Getty Images

同じつる性のバラでも、「クライミングローズ」と「ランブラーローズ」は少し異なる。後者は、やわらかい枝をもち、フェンスやアーチをつたうように伸びる。イアンはこれについて、こうコメント。「ランブラーローズの多くは初夏から真夏にかけて一度だけ開花します。その花は盛大に咲き誇り、思わず目をとめてしまうほど。中には、魅力的なローズヒップ(カラフルな実)をつけるものもあるので、楽しみにしてください」

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「スタンダード」なバラ

holding pink rose in both hands
MinoruM//Getty Images

バラに関して「スタンダード」などという概念が存在しないことは周知の通り。けれど、ロリポップ・キャンディを思わせる形をしたクラシックなバラは、屋外空間にエレガンス、そして格式を加えてくれる。玄関や庭の小道の片側にプランターを置いてアクセントとしたり、これでドラマチックな風景をフレーミングしたりするのも、おすすめだ。


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定期的な土の入れ替え

smiling casual dressed woman gardening and taking care of flowers in the backyard on a sunny spring day
cream_ph//Getty Images

バラはプランターでもよく育つが、培養土は時間の経過とともに劣化する。「植物を元気に保つには2、3年に一度、土の表面を5センチすくい取り、代わりに『ジョン・イネス No. 3』を敷き詰めてください。こうすることで栄養レベルが高まり、健康なバラがたくさん咲いてくれます」。イアンは、こう教えてくれた。



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カラフルな「フラワーカーペット・ローズ」

colorful rose flowers
masanii21//Getty Images

自宅の境界線を、動物たちのトイレにしたくないのなら、地面に広がって咲くバラや多年草を植えてみては? イアンはこう言う。「フラワーカーペット・ローズは美しく、低く広がります。色も黄色に白、赤、コーラル、ピンクと多彩です。病気にも強くて手間もかからないのもうれしいですね。ぜひ、木の下に植えてみてください」


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