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京都 カフェ
Kunihiro Fukumori

インテリアが美しい、京都のおしゃれカフェ5【2025年最新版】

いまチェックしておくべき京都のカフェを地元ライターが厳選。

By Mako Yamato

美しい景色や古き良い日本の良さが残る寺院のほか、京都らしさを反映した最新ショップなどが集まり、人々を魅了する京都。そんな京都で絶対に行っておきたいインテリアがおしゃれなカフェを京都在住ライターの大和まこさんにASK!

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ほとり/東山

京都カフェ ほとり

京都・岡崎の平安神宮の大鳥居から、白川に沿って南へ。明治45年に建てられた、堂々たる町家を改装して2025年3月に登場したのが「Com-ion」。薪火料理のオールデイダイニング「hitohi」、テーラーメイドの清水焼ブランドの工房&ショップ「時の端」、コワーキングスペース「soil work」、そしてカフェ&ショップ「ほとり」が入る複合施設だ。

京都カフェ ほとり

もっともコンパクトな「ほとり」は、白川に面する離れをリノベーションして作られた。サンドイッチやピクルス、エクレアなどの軽食と飲み物を揃え、スタンディングで楽しむカフェと、オリジナルの器やカトラリー、食材などをセレクトするショップからなる。

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京都カフェ ほとり

<写真>自家製フォカッチャとポルケッタ、いろんな野菜などサンドイッチ¥900〜はその時々で。ピクルス¥600には季節の有機野菜が使われている

京都カフェ ほとり

空間の主役となるのは大きく切り取られた窓の外に見えるせせらぎの眺めだ。改装を担当したのは京都に拠点を構えデザインや企画を手掛ける「Day」。軽やかな什器は、京都で古道具店とデザインスタジオを営む「ものや」が担当した。

「空間を見た瞬間、川が見える場所で人が集うイメージがわいて、眺めを邪魔しない高さのあるカウンターを思いつきました。テーブルクロスは実は写真を印刷したもの。水の流れとリンクするようなブルーの色は、写真と共に変化していく仕掛けです」と「ものや」櫻井仁紀さんはいう。

きらきらと輝く白川を眺めながら過ごすひとときは、あらためて街の魅力に気づかせてくれるに違いない。

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京都カフェ ほとり

ほとり
京都府京都市東山区堀池町382-1
Instagram

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watoto/下鴨

watoto 京都カフェ

下鴨神社の糺の森に抱かれて2025年2月に誕生した「watoto(ワトト)」。緩やかに薬膳や発酵を取り入れ、旬の野菜をふんだんに使った昼ご飯から始まり、深い自家焙煎コーヒーのあるカフェ、そして繊細な香りをまとったカクテルが供されるバーへと、一つの空間が時間とともにスタイルを変えてゆく。

店を営むのは硲真人さんと母の由美子さん。まだオープンしたばかりではあるものの、由美子さんは福井県小浜市で長らく店と宿とを切り盛りしてきた。ファンも多かった料理とともに、拠点を京都へと移し新たなスタートを切ったのだ。

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watoto 京都カフェ

築110年の祖父の家をリノベーションするにあたり、真人さんがタッグを組んだのは福井の店も手掛けた建築家・平井純さん。「お客様も自分たちも心が安らぐ場を作るには、できるかぎり自然素材を取り入れたいと考えました」と振り返る。

テーブルは神代杉、カウンターはミャンマーから届いたチークと、それぞれ存在感を放つ。コーヒーの焙煎機は鞍馬石の上に、床はインドネシア・ボロブドゥール寺院と同じ石を敷き詰めた。スサや豆じゃりを入れた土壁は左官職人・大野浩太郎さんによるもの。屋根は淡路島で瓦を作る道上大輔さんによる、銀古美と呼ばれる古彩色瓦で葺いた。古いままの姿を残す窓などと相まって、モダンでありながら温もりを感じさせる空間はこうしてできあがったのだ。

watoto 京都カフェ

<写真>鶏の照り焼き 茗荷のソース、車麩と茄子の南蛮など、月の前後半で内容が変わるランチプレート¥2,800。

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watoto 京都カフェ

<写真>ランチプレートはデザート、飲み物がセット。

watoto 京都カフェ

Watoto
京都府京都市左京区下鴨森本町9
公式サイト Instagram

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koen/一乗寺

koen 京都カフェ

目の前に広がる公園の緑が心地よい「koen(コウエン)」は、写真家の嶌村吉祥丸さんによる京都の拠点。嶌村さんと共に建築家の富田晨さんが隣接する2軒を繋ぎ、ショップとギャラリー、アトリエ、そしてカフェを兼ね備えた建物へと生まれ変わらせた。部屋をイメージさせるショップ、窓のあるギャラリー、大テーブルが印象的なカフェという3つの空間は、それぞれが窓の外に見る公園の景色が加わって完成するようだ。

「公園にはやってくる人それぞれの定位置ともいえるベンチがあります。いつもそこにある存在として、象徴的に捉えたのがカフェの大テーブル。3つの円で構成されるデザインは、交わる場を表現しています」と店長の日髙美月さん。テーブルは京都で古道具店とデザインスタジオを営む「ものや」が手掛け、さまざまな表情の木のスツールはショップ「ライト・イヤーズ」のヴィンテージをセレクトした。福井県越前市のクリエイターによる和紙照明など、ギャラリーで展示される作品が加わってもすっと調和する懐の深さは、公園という存在とリンクするようでもある。

koen 京都カフェ

<写真>2階のギャラリースペース。












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koen 京都カフェ

メニューを見れば奈良県天川村から届けられるジェラートや、深めと浅めの両方が用意されたコーヒーなど。「コーヒーの好みで、ここが選択肢から外れるのは残念だから」と日高さん。包容力はここでも顔をのぞかせ、居心地のよさを担っている。

<写真>天からジェラート¥700。定番の薪ミルクや、苺ミルクなど季節のジェラート(+¥50)など5種類ほどが揃う。コーヒーは喫茶「暖々」の豆を使用。

koen 京都カフェ

koen
京都府京都市左京区一乗寺塚本町15-2
Instagram

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jete’/吉田

jete’ 京都カフェ

節分で知られる吉田神社の近くにある「jete’(ジュテ)」は、かつての理髪店をリノベーションして誕生したカフェ。「昔ながらの雰囲気を残しつつも、新しい店が入り交じるこの吉田東通が好き。そして時を経た古いものも好き」と店主の江沢野々海さんはいう。そんな江沢さんが店を構えるにあたり白羽の矢を立てたのは、吉田東通にあった古い理髪店だった。すでに取り壊されることが決まっていた建物を、借り受けて店にすることができたのは江沢さんの情熱の賜物。

改装には自らも加わり、どこか異国感のある空間を完成させた。壁に残された鏡の跡を見て、空間全体が昔のままと思うのは早計。実は経年美を感じさせる床は、タイルを剥がしてから凹みを埋めて目地を描き、新たに仕立てたものだという。古いものを愛する感性が作りあげたのだ。

jete’ 京都カフェ

控えめに存在感を放つジョルジュ・ルオーのリトグラフは、「よく来てくださるお客様が、空間に似合うと贈ってくださったもの」というエピソードからも、すでに街に溶け込み愛される様子が伝わってくる。








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jete’ 京都カフェ

穏やかな時間が流れる中で味わえるのは、その時々で3〜4種がラインナップされているパスタとピッツァ、そしてシンプルなモーニング。気取らないけれど間違いのない味は、空間とも相まって心地よさを高めてくれる。

<写真>トマト、ナス、ピーマンのシチリアーナ¥1,000、ワイン¥700。11時まではトーストとゆで卵、コーヒーのシンプルなモーニングを。

jete’ 京都カフェ

jete’
京都府京都市左京区吉田下大路20-3
Instagram










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み空/北白川

み空 京都カフェ

銀閣寺や哲学の道からほど近いレトロビルの半地下にある「み空」は、間借り営業でファンを増やし独立したコーヒー店。店主の石倉源太さんが手回しで焙煎するのは、ケニアやインドネシア、グァテマラなど深煎りでも香りや個性がしっかり残るコーヒー豆。飲み手の気分やシチュエーションに合わせ、軽めで味わいたいならペーパドリップで、濃いめならネルドリップでと淹れ方を変えて供される。

み空 京都カフェ

「コーヒーと共に過ごす時間や場所も大切にしたくて」という石倉さん。飲食店を経て長らく使われていなかった空間の改装は、京都と奈良に拠点を持つギャラリー「HS」のハヤシユウジさんが手がけた。ガラスブロックや壁などは昔のまま、白木の什器を合わせることで、ミニマルでありつつも気取らない雰囲気を作りあげた。丸いデザインが印象的な椅子は、残されていたものを黒く塗り、白木を合わせてアップサイクルしたもの。




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