
パリは美しいホテルの宝庫。けれど「シャトー(城)」に泊まりたいとしたら、選択肢はひとつ。セント・ジェームス・パリだ。16区に位置するこの「ルレ・エ・シャトー」加盟のホテルに足を踏み入れたなら、パリ市内にいるとはとても思えないだろう。ロビーは荘厳でありながら、親密さも感じさせる(ホテルの看板猫、ピルーがくつろいでいるかも)。そのままレセプションに進むと、そこで渡されるのは昔ながらのルームキーだ。
「セント・ジェームス・パリは、時が止まったような場所。けれど、過去に囚われているわけではないのです」と館内の装飾を手掛けたインテリア・デコレーターのラウラ・ゴンザレスは言う。「目指したのは、パリのスタイルを象徴するさまざまな時代を、ここで再現すること。19世紀は中国の骨董品で、新古典主義はモールディング。アールデコはディテールに表れています。ミックス・アンド・マッチを極めることで、パリに立つ大邸宅の真髄を表現しようと考えたのです」
ゲストにとってホテルはパリの街を探索する際の拠点。けれど、ここにはホテルに「こもりたくなる」仕掛けが充実している。館内にはミシュランで星を獲得したレストラン「ベルフィーユ」や「ゲラン」のスパがゲストの訪問を待ち受けている。
セント・ジェームス・パリで、セールスとマーケティング部門のディレクターを務めるニコラ・エグロフが『タウン・アンド・カントリー』のインタビューに答え、彼のお気に入りの部屋、そしてこの場所が特別である理由を明かしてくれた。それでは、館内の様子とともに、彼の解説を見ていこう。US版「タウン・アンド・カントリー」より
From: Town & Country US