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gardendesign
fotolinchen//Getty Images

ガーデニング初心者は必見、覚えておきたい8つの新常識

植物選びからデザインまで。最新トレンドで庭を自分だけの楽園にアップデート。

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インテリアデザインと同じように、ガーデニングにもトレンドの波がある。いま専門家たちが注目しているのは、何よりも自然なスタイル。ニュージャージーを拠点とするボタニカルスタイリストのローラ・ジャニーは言う。

「アウトドアリビングという考え方が広まるにつれて、私たちはもっと自然と繋がりたいと考えるようになりました。それは、周辺環境と一体になり、多様な景観を育むこと。これまでの整えすぎたガーデニングとは大きく異なります」

広い庭がある人も、マンションの小さなベランダでガーデニングを楽しみたい人も、このアドバイスを目にすれば、早速庭いじりがしたくなるはず。始める前にちょっと確認。「植物耐寒性ゾーンマップ」にアクセスしてみて。このマップを見れば、アドバイスに出てくる植物の育て方、芝生のケアがあなたの庭のある場所に適しているかどうかひと目でわかるはず、US版「ハウスビューティフル」より。

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自然をそっくりそのまま生かしたように植栽

a naturalistic garden by hoerr schaudt.
Scott Shigley

造園設計事務所Hoerr Schaudtの副主任コリー・モリスは、「最近、植栽デザインは、もっとオーガニックで自然から直接ヒントを得るようなアプローチに大きく変わってきています」と話す。つまり、今から庭づくりをしたいと考えている人たちは、自然の中にいるような感覚で、色々な生き物が共存できる庭を求め、自然との繋がりを切望しているということ。

「そのため、その土地にもともとある植物や、そこに馴染んだ植物を一緒に植えて、自然な草原のような庭を作るのが大切になっています。そうすることで、見た目が美しくなるだけでなく、花粉を運ぶ大切な昆虫たちも助けられるんです」と、モリスは続けて話す。

その結果、今まで一般的だった芝生の庭を縮小して、遊ぶ場所としてだけ残し、代わりに草原のような自然な庭を作る人が増えている。

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雰囲気を言葉にするなら、“安息の庭”

a sanctuary garden styled by laura janny.
courtesy Aimee Ryan

最近のガーデントレンドで注目されているのが、庭をまるで隠れ家のように使うアイデア。デザイナーたちは、そんな庭を“サンクチュアリガーデン(安息の庭)”と呼んでいる。

「スケジュールに追われる慌ただしいライフスタイルの中で、人々は逃避する場所を求めています。これらの庭のほとんどは、周りから隔てられた、静かな場所に作られることが多く、ラベンダーやオーナメンタルグラスのように五感を刺激する植物が植えられています」と、ボタニカルスタイリストのローラ・ジャニーは分析する。

このトレンドを自宅に取り入れるために、ローラは淡いピンク、白、ペールイエローのような、落ち着いた色彩の植物を取り入れることをおすすめしている。

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恵まれた広さの庭には、ゆったりとした菜園を

a large vegetable garden designed by hoerr schaudt.
Scott Shigley

「見た目の美しさと実用性を兼ね備え、自分の手で果物や野菜、ハーブ、それに花まで育てられる、そんな広くて収穫もできる庭を求める人が増えています。こういった多彩な表情を持つ庭は、新鮮な作物を育てられるというだけでなく、食事をしたり、みんなで集まったりするためのエリアも考えておくといいでしょう」と、前出のモリスは語る。

キッチンの延長として使ったり、屋外のダイニングスペースとして使ったりすることで、自然と日常がスムーズにつながる。自分の庭で採れた新鮮なズッキーニやトマトを食べられる毎日に幸せを感じない人なんていないはず!

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その土地の環境に配慮した植物を優先してセレクト

garden
fotolinchen//Getty Images

「気候変動にも配慮した緑との付き合い方への注目はますます高まっており、その土地に合った素材や植物を選ぶことが重要になっています。これには乾燥に強く、燃えにくい植物を選んだりすることも含まれています。昨今のガーデニングの専門家たちは、長く育てやすく、病気になりにくい植物を優先して取り入れ、長期的な適応力と生態系のバランスを確保しようとしています」と、モリスは説明する。

上記にフィットするおすすめの植物としては、例えばオオバハナシノブ、ラベンダー、ワイルドパンジーなどが挙げられる。

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限られたスペースにこそ有効な垂直菜園

a vertical garden designed by staghorn living.
courtesy Staghorn Living

造園デザイナーでStaghorn Livingの創設者であるカット・オール・セルヴォーニは言う。「特に狭い都市の家の庭では、限られたスペースを最大限に活用するために、垂直菜園はお薦めの手法。壁やフェンスを利用して、可能な限りつる性植物を這わせていきます。自分で張り付いて這い上がるツルアジサイはもちろん、つるバラやクレマチスは支柱を使えばうまくいきます」

さらに、壁に取り付けられる、おしゃれで長持ちするプランターを使うのもおすすめ。そうすることで、ちょっとデザインが良くない壁や、がらんとした壁が、個性的な緑に彩られた憩いの場になり、見違えるように変わる。「まるで植物を使ったアート作品みたいに見えるんです!」と、カット・オールは笑う。

6

これからの庭づくりはパーゴラとセットで考える

a garden with a pergola by birch and basil design.
courtesy Cory Monji | Birch and Basil Design

「パーゴラ(日陰棚)は以前から人気がありましたが、最近では、アウトドアリビングに代表されるような屋内外の境界が曖昧な生活空間を好む人が増えています。庭には日陰とプライバシーの確保は必須で、パーゴラはその解決策の一つとして自然と主流になってきました」と語るのは、ニューヨークのBirch & Basilデザイン事務所の代表、クリスティン・モンジ。

パーゴラのデザインは実に多彩なので、自分の庭と感性に一番合うものを選びぬこう。

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緑だけを景観の基調とする楽しみ

an all green garden by staghorn living.
courtesy Staghorn Living

「最近、何人かのクライアントからカラフルな花の代わりにいろんなトーンのグリーンで、面白い葉っぱが重なり合った、緑いっぱいの植栽にしてほしいという依頼がありました。これは、肩の力が抜けた、よりモダンなガーデンデザインが好まれる傾向にあるということにほかなりません。いろんな種類の形や大きさの葉を持つ低木やオーナメンタルグラスをあしらい、濃淡だけでなく、斑入りのタイプも取り入れて立体感を出すといいですよ」と、カット・オールは提案する。

さらに緑一色の庭の良い点として、花が咲く多年草のように開花のタイミングに左右されることなく、一年を通して落ち着いた景観を保つことができるのだ。

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自然との共生を実感するポリネーターガーデンとは?

garden
Helen H. Richardson//Getty Images

「環境問題に関心を持つ人が増えるにつれて、自宅の庭にミツバチやチョウ、鳥といったポリネーター(花粉を運ぶ生き物)を招き入れるのがトレンドになっています」と、ローラは説明する。ガーデニングの専門家たちは、このような大切なポリネーターを追い払うことが、地域の自然にとって良くないことだと気づき始めている。

ローラによると、サルビア、エキナセア、モナルダ、ヤロウのような植物を庭に加えることで、ポリネーターを再び呼び戻すきっかけになるとのこと。つまり、庭が美しく育つことと環境への貢献は両輪とも言えるのだ。


original text : Nikhita Mahtani

>>US版『House Beautiful』のオリジナル記事はこちら

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