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新築を「自分らしく仕立てる」6つの秘訣

新築なのに懐かしい。空間に深みを加えるデザイナーのワザとは?

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Cozy living room with a sectional sofa bookshelves and decorative items
PIASSICK PHOTO

家を新築するなら、これから壁の色を選んだり、家具や家電を決めたりする作業が待っている。それと同時に空間の「雰囲気作り」の重要性をお忘れなく。長く住み継がれた家に匹敵する唯一無二の個性がなければ、新築の家はキレイなだけが取り柄のとても薄味な空間に思えてしまうに違いない。

「新築の家や大規模なリフォームを計画する際、オリジナルの個性と「古き良き」に通じる雰囲気を加味することは必須です。これらの要素がその空間に存在しなければ、物足りなさを感じることになるでしょう」と、Ellie Mroz Designの創設者であるエリー・ムローズは語る。

DIYに挑戦したいと考えても、理想の家具を探してもOK。新築の家に個性を加える方法はたくさんある。ここでは、ムローズや他のインテリアデザイナーたちが教えてくれた、最高のヒントやコツを紹介しよう。US版「ハウスビューティフル」より。

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壁を工夫する

de gournay chinoiserie wall paper around doorway flanked by pair of dining chairs upholstered in bruno triplet velvet
Andreas von Einsiedel//Getty Images

真新しい壁に、表情豊かな趣を加えてみよう。Danielle Rose Design Co創業者のダニエル・チップルットは、壁紙とローマンクレイ(壁の仕上げ用粘土)をよく使うという。

「壁紙は大胆な柄や繊細で古典的なモチーフを手軽に取り入れることができ、ローマンクレイは柔らかく層になったような効果で奥行きを与えてくれます。どちらの選択肢も、何もないシンプルな空間に風格を与え個性に満ちた豊かな空間に変えるのにとても役に立ちます」と彼女は説明する。

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建築的なディテールを天井周りにプラス

interior home
PIASSICK PHOTO

たとえ新築の家になかったとしても、その家にピッタリの建築的ディテールを付加することで、空間をより印象的で上品に見せるのに驚くほどの効果を発揮する。

「木のパネルで覆われた天井、露出した梁、装飾的なモールディングといった天井周りのディテールは、新築物件のすっきりとした直線や洗練された雰囲気を和らげ、空間をよりパーソナルで居心地の良いものにしてくれます。こうした細やかな配慮が、施主の好みを反映した感覚を生み出すのです」とチップルットは話す。

JZ Interiorsの創設者、ハイメ・ゼイナーも同様の意見だ。「複雑な縁飾りから作り付けの書棚まで、熟考されたオーダー家具は、住まいの個性を際立たせる層のような質感と奥行きを生み出し、よりパーソナルな空間にしてくれます」と彼女は語る。もちろん、これらの特別な装飾を取り入れる前には、時間をかけてじっくりと計画を立てるべきだろう。

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の創設者であるマデレイン・マイヤーは語る。「新しい建物にこうした装飾を加える前に、下調べをすることはとても大切です。あなたの家が“個性的”ではなく、単にやりすぎで不自然な印象に陥ってしまわないよう、プロポーション、縮尺、配置には守るべきルールがあることを覚えておいてください」

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空間を構成する素材にこだわる

modern apartment kitchen interior with kitchen island, kitchen supplies, , oven and dining table with chairs and pendant lamp above. living room with tv screen on the concrete wall in the background. white and wooden paneling ceiling, concrete wall and parquet. render.
ExperienceInteriors//Getty Images

家に時代を超えた個性を吹き込むためには、適切な素材を選ぶことが不可欠。ムローズはレンガ、杉、銅といった、古典的で上質な素材を特に重用しているという。「これらの素材は新築の家でも住み慣れた家のように感じさせてくれる、温かみが備わっています」と彼女は語る。

大理石もまた素晴らしい選択肢だとゼイナーは言う。「大理石ならではの自然界の柄を、カウンタートップや収納の面材に選ぶことで、時間を超えた贅沢な雰囲気を感じさせることができます」

またデザイナーのメリンダ・ブラウニングは力説する。「例えば建具を無垢材に変えるだけで、どれほど質の高い印象で空間が満たされるか、驚くほどです」

最後にドアノブも交換しよう。「ごく一般的なドアノブなら、真鍮やブロンズのような経年変化が楽しめる仕上げのものに交換するだけで効果は抜群。これだけの作業でも瞬時にその空間に変化がもたらされるでしょう」とデザイナーのメグ・マクシェリー

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装飾的な「縁飾り」をリフレイン

16th century roman palazzo furnished with family antiques
Andreas von Einsiedel//Getty Images

家の布張り家具や小物を、コード、ブレード、テープ、タッセルといった、以前から存在する装飾的な縁飾りでアップグレード。

「どんなにシンプルな無地のクッションでも、少しフリンジを付けるだけで、昔ながらのエレガンスな空気感を漂わせることができます。これは、あなたの個性を簡単に家に取り入れることのできる手軽で楽しい方法です」とマイヤーは提案する。

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家具選びに迷ったら「ミックス&マッチ」で前進

house garden, august 1966 the sitting area in the coconut grove, florida, home of howard perry rothberg; between two floor to ceiling windows is a drawing hanging above the recessed fireplace, vase of flowers, and potted plant. below a modern painting on the right are two brown leather chairs in the style of mies van der rohes barcelona chair. a low glass table separates the chairs from the matching ottoman. behind the white sofa is a tri pedastaled hi fi. (william grigsby/conde nast via getty images)
William Grigsby//Getty Images

コーディネイトする家具次第で、部屋の雰囲気は大きく左右されるけれど、あまり難しく考えすぎないこと。「個性的な家具に惹かれたら、異なるスタイルや年代、あるいは地域のものと自由に組み合わせて楽しみましょう」とマイヤーはアドバイスする。

たとえ旅先でも、二度とないような発見や出合いがあるかもしれないので油断しないこと。

「異国で出合ったアートやオブジェがスタイリングに加わると、新しい空間に瞬く間にあなたらしい個性が加わります」とデザイナーのキャスリン・マーフィーは言う。

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周辺環境との調和を意識する

high angle view of a living room interior in victorian style home. 3d render of cosy living room with sofa set on hardwood floor.
alvarez//Getty Images

インテリアデザインを手がける際、ムローズはその家が建つ地域の特性にもヒントが無いかアンテナを張り巡らし、スタイリングに加味する可能性を考えている。近隣の古い家々や土地の記憶を辿り、取り入れられそうなテイストやモチーフがあれば積極的に生かすのだ。

たとえ新築の家であっても、周囲の街並みに合わせた雰囲気を室内にリフレインすることで、以前からその土地に建っていたかのような馴染んだ感覚を生み出すことができる。


original text : Sarah Lyon

>US版『House Beautiful』のオリジナル記事はこちら

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