記事に移動

癒やし効果抜群! 植物愛好家がおすすめする、国内の美しい植物館5

植物愛好家の木谷美咲さんが、全国から珠玉の植物園を厳選。

By
植物園

日本にいながら世界中から集められた花や植物を鑑賞でき、かつ、緑豊かな環境でリラックスできると、植物園の人気が上昇中。『珍奇植物生態入門』、『世界一うつくしい植物園』など、10以上の著書がある植物愛好家で作家の木谷美咲さんに、建築やデザインも楽しめる植物園から、絶対見ておきたい珍しい植物がある植物園まで、いま行くべき植物園をASK!

ガーデニングシーズン到来! 世界で最も美しい温室8

1

夢の島熱帯植物館/東京

夢の島熱帯植物館
夢の島熱帯植物館

かつてはごみ埋立地として使用されていた東京湾の地を埋め立てて作られた人工島「夢の島」の公園内に、1988年に開館した「夢の島熱帯植物館」は、側面が切り取られた四半球のガラスドームが連なる大温室が特徴の植物園。夢の島の廃棄物処理施設の廃棄熱を利用した、環境負荷を減らした設備のほか、植物の多様性を活かした展示スペースづくりにも力を入れている。

また、食虫植物専用温室や、自然に関する教育的な映像が上映されていて鑑賞できる上映ホールなども「夢の島熱帯植物館」ならでは。

夢の島熱帯植物館
夢の島熱帯植物館

「滝があり、ジャングルを歩いているような気持ちになります。何度も足を運んでおり、さまざまな思い出がありますが、特に、夜間特別開館のイベント『夜間開館』が印象深く、“サガリバナ”など夜に咲き、香りを放つ植物がライトアップされ、非日常感が楽しく心躍る体験でした」(木谷さん)








ADの後に記事が続きます
夢の島熱帯植物館
夢の島熱帯植物館

<写真>A、B、C、3つのドームからなる大温室は圧巻。それぞれ異なる熱帯・亜熱帯環境を再現しており、東南アジアや小笠原諸島などさまざまな国を通り過ぎるような体験が楽しめる。





サガリバナ

<写真>夏のみに咲く“サガリバナ”。花は夜に開花し翌朝には散るため「幻の花」とも呼ばれる。

夢の島熱帯植物館
住所/ 東京都江東区夢の島2-1-2

公式サイト



ADの後に記事が続きます
2

小田原フラワーガーデン/神奈川

小田原フラワーガーデン
小田原フラワーガーデン

熱帯・亜熱帯植物を中心に、その時々に咲く花や果実を見ることができるトロピカルドーム温室のほか、ランドスケープも考慮したバラのパーゴラも見どころ。バラのパーゴラの中心に位置するアルカディア広場では、夏季限定で「おどる噴水」が稼働し、子連れで楽しむのもおすすめ。

また、トロピカルドーム温室の空調は、ゴミを焼却する際に出る高温排ガスの余熱を利用して温室内を温めており、環境に優しいエネルギー効率の高い設計がされている。

小田原フラワーガーデン
小田原フラワーガーデン

「翡翠色の花が美しい“ヒスイカズラ”が見頃の時に訪れた時には、その植栽が非常に美しく、園の方に解説をしていただくとともに、蜜の試飲体験という貴重で楽しい体験をさせていただきました。併設のカフェでは、開花期間限定のメニューもあり、開花時期にヒスイカズラ色の飲み物をいただき、思い出に残っています」(木谷さん)

<写真>直径40メートル、高さ22メートルの温室内。約300種の熱帯・亜熱帯の花木や果樹が来園者を楽しませる。




ADの後に記事が続きます
ヒスイカズラ
Getty Images

<写真>3月~5月に開花する“ヒスイカズラ”。宝石の翡翠のような青緑色が神秘的だが、野生では絶滅が危惧されている品種の一つなので、一見の価値あり。

小田原フラワーガーデン
住所/神奈川県小田原市久野3798-5

公式サイト

3

京都府立植物園/京都

京都府立植物園
京都府立植物園

日本で最も古い公立公園植物園である「京都府立植物園」は、1924年に開園し、今年開園100周年を迎えた伝統と趣を感じる植物園。2023年度の来場者数は約86万人で、国内の公立植物園の中でもトップクラスを誇る。延床面積が4,694㎡ものガラス張りの観覧温室のデザインには、池に浮かんだ金閣寺と北山連峰のシルエットを取り入れている。


ADの後に記事が続きます
京都府立植物園
京都府立植物園

「郊外にあることが多い植物園の中にあって、アクセスがよいのも魅力で、地下鉄烏丸線の北山駅出入口とも直結しています。都市部に近い一方で、ひとたび園内に足を踏み入れると、隔絶された世界を感じる雰囲気。園内は広く、時間をかけてゆっくり歩いて回り、四季折々の花や樹木を楽しむことができます」(木谷さん)

<写真>3年に一度開かれる世界バラ会議において認定された、“ピース”や“スヴニール ドゥ アンネフランク(通称アンネのバラ)”といった「殿堂入りバラ」や、“金閣”や“大文字”等の京都の地名にちなんだバラが咲き誇るばら園。奥に見えるのは比叡山。

京都府立植物園
京都府立植物園

「観覧温室内には4500種類、25000株もの植物が植栽展示されています。中でも、印象深かったのは冷房室で展示されている“ウツボカズラ”や“アリストロキア”の仲間の珍しい花々。年間を通じて、展示会やワークショップが催されています。今年は開園100周年で温室のラン展示を大幅にリニューアルされたそうで、それも見どころでしょう」(木谷さん)

<写真>砂漠サバンナ室やジャングル室など、8つのエリアに分かれている温室。エリアごとに景観が異なり、植生を楽しんで学ぶことができる。

ADの後に記事が続きます
ウツボカズラ
Getty Images

<写真>食虫植物として知られる“ウツボカズラ”。蜜におびき寄せられた虫たちが滑りやすい袋の縁に乗ると、そのまま袋の中に滑り落ちて捕食される。








アリストロキア
Getty Images

<写真>“アリストロキア サルバドレンシス”。2023年に、京都府立植物園では、人の顔ほどの大きさで「アフリカ最大の花」と呼ばれる“アリストロキア・ゴルデアナ”を国内で初めて開花させた。

京都府立植物園
住所/京都府京都市左京区下鴨半木町​

公式サイト

ADの後に記事が続きます
4

大阪市咲くやこの花館/大阪

咲くやこの花館
大阪市咲くやこの花館

1990年の「国際花と緑の博覧会」のメインパビリオンとして建設され、長閑な雰囲気の花博記念公園鶴見緑地内に開園した「咲くやこの花館」。水面に浮かぶ睡蓮の花をイメージしてデザインされた温室のサイズは、国内最大級の高さが30メートル、延床面積は6,890m2にも及ぶ。また、約5,000枚のガラスを使用した全面ガラス張りの構造が、内部に最大限の自然光を取り入れ、植物が自然に近い環境で育つよう工夫されている。

咲くやこの花館
大阪咲くやこの花館

「温室内はエリアごとに分かれ、熱帯から極地圏まで多様な植物が植栽展示。年間を通じた展示会やワークショップも大変多く、中でも『虫を食べる植物展』は毎年大変な人気があります。私も以前トークイベントに出演させていただきました。食虫植物教室や捕虫の仕組みがわかるライブ解説やガイドツアーなど、楽しいイベントが盛りだくさんで、何度も足を運びたくなります」(木谷さん)





ADの後に記事が続きます
咲くやこの花館
大阪市咲くやこの花館

<写真>砂漠に生える奇想天外や高山に生える植物など、世界の希少な植物に出合える。













ハエトリソウ
Getty Images

<写真>他の植物には見られない、捕虫のために葉が素早く閉じる動作で人気の“ハエトリソウ”。北アメリカ東海岸が原産。









ADの後に記事が続きます
モウセンゴケ
Getty Images

<写真>世界中に広く分布し、湿地や湿った草地に生息する食虫植物“モウセンゴケ”。美しい見た目に反し、葉にある粘毛が粘着トラップとなり、虫を捕獲する。








5

姫路市立手柄山温室植物園/兵庫

手柄山植物園
姫路市立手柄山温室植物園

1980年に、手柄山中央公園の南山に開園した「手柄山温室植物園」。親子のように寄り添う、大小二つのドーム型温室があり、愛らしい玉ねぎのようなフォルムも人々に親しまれている。休憩所を兼ねたフラワーショップ「花の家」からは姫路城を望むこともできる。





ADの後に記事が続きます
手柄山植物園
姫路市立手柄山温室植物園

「温室外の敷地内には、珍しいオーストラリア産の植物で構成されたロックガーデンや姫路の市花である“サギソウ”の専用温室があります」(木谷さん)

<写真>園内で一番背の高い、マダガスカルが原産の“オウギバショウ”など、熱帯・亜熱帯植物が中心に展示されている大温室。大温室内の階段を上ったところには滝の水放出があり、マイナスイオンに癒やされる。









手柄山植物園
姫路市立手柄山温室植物園

<写真>多肉植物など、乾燥地帯の植物が中心に展示される小温室。巨大な“金鯱”や“柱サボテン”は必見。










Page was generated in 6.3941569328308