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ミッドセンチュリーモダンに触発された、12のタイムレスなキッチン

ミッドセンチュリーデザインの魅力と、モダンな調理スペースの利便性を融合させたスタイリッシュなキッチン

By
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ミッドセンチュリーモダンほど、その影響力と浸透力が強いデザインスタイルはないだろう。1940年代に誕生したミッドセンチュリーモダンは、ジョージ・ネルソンやエーロ・サーリネン、ジオ・ポンティ、ハンス・ウェグナー、チャールズ・イームズらによって広められたデザインで、数十年かけて、国を超え、そしてインテリアカテゴリーを超えて、最も影響力のあるデザインスタイルに成長してきた。そして、このデザインスタイルは特にキッチンでその美しさを発揮する。

現代のデザイナーは、クリーンなラインやシンプルなシェイプ、フォルムの強調などといったミッドセンチュリーモダンの要素を継承し、守り続けている。“古い”と感じることなく、ミッドセンチュリーモダンを取り入れたい場合、象徴するフォルムや仕上げを意識することがポイントで、そこにモダンなエッセンスをミックスすることで、時代を超越した、まさに新しいスタイルが生まれるのだ。これから紹介するミッドセンチュリーモダンにインスパイアされた12のキッチンは、まさにこのデザインスタイルがタイムレスな存在であること証明している。

US版「ハウスビューティフル」より。

羽目板を張り替える

pink midcentury modern kitchen inspiration
Kate Arends

ミッドセンチュリーモダンの住まいを語る上で欠かせないのが、羽目板。ミッドセンチュリーモダンには欠かせないの要素のひとつであり、リノベーションをする際に最初に手をつけなければならないもののひとつでもある。しかし、家が持つ歴史を大切にしたいのであれば、そのままの良さを絶対に残すべきだろう。

ケイト・アレンズが住む、ミネソタ州にあるミッドセンチュリーモダンの家では、ホワイトオークの羽目板は壊さずに、そのまま使うことにした。

彼女は、ミッドセンチュリーモダンの定番であるタンブル大理石のフローリング、カラカッタビオラ大理石のカウンタートップ、そして「ファロー&ボール」の“サルキング・ルーム・ピンク”で塗装されたキャビネットでアクセントをつけることによって、際立った特徴を持たせた。

上部キャビネットを省く

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Stephen Kent Johnson

ミッドセンチュリーモダンのキッチンでは、上部キャビネットを控えめにするか、あるいは全く置かないことで、視覚的によりすっきりした見た目を重視していることがよくある。

スタジオ・シャムシャリの2人がデザインしたこのキッチンは、ロサンゼルスの丘陵地帯をイメージしたカリフォルニアウォールナットのカウンターとコンクリートのカウンタートップを取り入れ、シンプルかつ美しいデザインを実現した。そしてアイランドキッチンの上には、ハンス・アウネ・ヤコブソンのビンテージのペンダント照明が設置されており、ミッドセンチュリーモダンの歴史を感じさせる。

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家具で楽しむ

midcentury modern kitchen design inspiration
ERIC PIASECKI

ミッドセンチュリーモダンは、“家具デザインの黄金時代”と呼ばれ、今日私たちが愛用する多くのデザインやシルエットを生み出した。

ここでは、クーレック・ジョーンズが手がけたキッチンに、パトリシア・ウルキオラがデザインした「モローゾ」の卓越したアイランドスツールを取り入れて、ミッドセンチュリー時代の数々の名作に敬意を表している。

ファイアークレイ」のスタックタイルやシンプルなウッドキャビネットなど、ミッドセンチュリーモダンの代表的なアイテムと組み合わせることで、レトロでありながら革新的な空間を演出することができる。

空間の色調を揃える

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Joshua McHugh

ミッドセンチュリーモダンスタイルの特徴である温かみのあるウッドトーンに、玉虫色の石材を使った汚れ止めパネルと落ち着いたブラックのカウンタートップが見事に調和している。

エレナ・フランプトンが手がけたこのミッドセンチュリースタイルのキッチンは、2014年にデザインしたものだけれど、タイムレスなスタイルにより、時代を感じさせない仕上がりに。

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積み重ねたようなデザインの汚れ止めパネルを選ぶ

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Jess Isaac

ミッドセンチュリーモダンの幾何学的な美しさを強調するために、汚れ止めパネルは定番のフラットなものではなく、積み重ねていく立体型のものを選んでみて。

ジャキ・シーマンがデザインしたこのロサンゼルスのキッチンは、ミッドセンチュリーの流行カラーからヒントを得ている。「ウォーターワークス」のペールピンクの汚れ止めタイルと、「ファロー&ボール」の“カルク・グリーン”で塗装されたキャビネット、そしてミッドセンチュリー時代のオリジナルの羽目板が組み合わせられている。

原色を取り込む

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Haris Kenjar

シアトル郊外のピュージェット湾を望むミッドセンチュリーモダンスタイルのこの住まいは、家全体が原色を取り込んだシンプルな色調でまとめられている。

オレ・スタジオがデザインしたウォールナット材とラミネート材を使ったキャビネットでは、ポップな色使いも楽しめる。そして、ミッドセンチュリーの陶磁器コレクションが映えるオープンシェルフにも注目。

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オープンシェルフをミックスさせる

midcentury modern kitchen inspiration
Wing Ho of Canary Grey

ミッドセンチュリーモダンのデザインの最盛期には、オープンシェルフやフローティングシェルフが、家の中のエリアを区切りながらもオープンな動線を維持し、ゲストをもてなしたり、社交の場を増やす方法として注目されていた。

プロスペクト・レフュージ・スタジオのデザイナー、ビクトリア・サスは、このミッドセンチュリー時代に建てられた保存状態のいいランチ・ハウスに、ウォールナットのキャビネット、ビンテージのホームアクセサリー、そしてアイランドキッチンの上にはその時代に作られたフローティングシェルフを取り入れ、この家のミッドセンチュリーモダンのルーツを体現している。

テラゾーを使ってみる

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JONATHAN HOKKLO

テラゾー仕上げのアイテムは、ミッドセンチュリーモダンの後期に登場し、カウンタートップやフロアなど、さまざまな用途で人気を博した。

最近では、デザイナーのペネロープ・オーガストがこのマンハッタンのキッチン用にデザインした特注仕様のもののように、大理石、クオーツ、花崗岩、ガラスなどのカラフルな欠片をセメントと混ぜたユニークな素材が生まれ、カスタマイズの可能性を無限に広げている。

「ファロー&ボール」の“カルーナ”で塗装したライラック色のキャビネットと明るい黄色のコンロが、この部屋を遊び心たっぷりな雰囲気に仕上げている。

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I字型のキッチンレイアウトを採用する

palm springs midcentury modern kitchen inspiration
David Blank

ミッドセンチュリーモダンの住宅は、あまり広くないため、キッチンが小さくなりがちで、隅々までスペースを活用することが求められていた。リノベーションで開放的な間取りにするのではなく、コンパクトなサイズで、風通しのよい仕上げにすることで、軽快な印象になる。

フォーマルク・アーキテクチャが設計したこのミッドセンチュリースタイルのパームスプリングスにある家では、オリジナルのコンクリートの壁にテラゾーのフローリングと温かみのある木材のキャビネットがアクセントになっている。

ポップなオレンジを組み合わせる

orange midcentury modern kitchen inspiration
Patrick Sutton

キッチンでこれほど大胆にカラーを使うことはあまりないけれど、このジューシーな色合いはミッドセンチュリーの定番。ミッドセンチュリーモダンの全盛期には、オレンジや錆色の色合いが流行し、家具やインテリア、壁紙に至るまで、鮮やかな色使いが盛り込まれていた。

さりげなく、でも意外性のある色の取り入れたいのなら、パトリック・サットンがデザインしたこのキッチンをヒントに、クラシックな木製キャビネットの内側を、「ベンジャミンムーア」の“エレクトリック・オレンジ”のような際立った色合いでコーティングしてみて。

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メタリックな素材をミックスする

the new home of joy cho  oh joy   architecture and design by mcshane and cleo murnane  project m plus
Bethany Nauert

ミッドセンチュリーモダンのインテリアでは、メタリックのデザインアクセントが大活躍する。過ぎ去ったその時代の華やかさをキッチンに加えるのに最適なのだ。

ジョイ・チョウクレオ・ムルネが設計したこのロサンゼルスの住宅では、「タバルカ」の真鍮の汚れ止めパネルやきらびやかな「ミッツィ」の照明など、周辺の建築物を参考に、ミッドセンチュリーモダンスタイルの空間に仕上げている。

長く、細く考える

hamptons  home designed by amy lau  kitchen
Paul Raeside

ミッドセンチュリーモダンの全盛期には、フローレンス・ノルがデザインした代表的なソファなどのクリーンなラインから、クラシックなミッドセンチュリーモダンの住宅建築の屋根のラインまで、直線的なデザインが至る所に見られた。

エイミー・ラウがデザインしたこのハンプトンズの家のように、直線的な要素を取り入れたキャビネットや照明で、キッチンにも同じエッセンスを取り入れてみて。

このキッチンでは、ブリーチしたウォールナット材のキャビネットと雪のように白い「シーザーストーン」の“ブリザードクォーツ”のカウンタートップに、「ボーン・シンプル・デザイン」の巨大な特注の照明が、ミッドセンチュリーモダンらしいブルーで組み合わせられている。


original text : ALYSSA LONGOBUCCO

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