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エリザベス女王が長い生涯で住んでいた、全6邸宅をガイド

バッキンガム宮殿、ウィンザー城、バルモラル城、ホリールード宮殿、サンドリンガム・ハウス、ヒルズバラ城を詳しくご紹介。

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a guide to queen elizabeth’s homes
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96歳のエリザベス2世がバルモラル城で最期を迎えたという事実は、彼女にふさわしいものだった。スコットランド北部にあるこの王室私有地は、彼女がいつも公の場から離れ、王室一家とくつろぎ、霧のかかる田園地帯を散策できる場所であった。しかし、バルモラル城は、女王が70年にわたる在位中に住んだ6つの邸宅のひとつに過ぎず、それぞれが王室の歴史、建築的意義、さらに政治的重要性を持っている。バッキンガム宮殿のように王室が所有する建物もあれば、バルモラル城のように個人所有の邸宅もあり、これらは彼女のイギリスでの功績を思い起こさせるだけでなく、未来の王や女王のシンボルともなっているのだ。ここではエリザベス女王がその長い生涯で住んだ大邸宅について、詳しくご紹介! US版「エル・デコ」より。

>> エリザベス女王お気に入り、スコットランドのバルモラル城ってどんな場所?

>> エリザベス女王が最期の時を過ごした、バルモラル城の歴史

バッキンガム宮殿/ロンドン、イギリス

buckingham palace, london, england
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女王の住居の中で、バッキンガム宮殿ほど象徴的なものはない。その歴史は17世紀にまで遡り、当初は桑の木の植林地として、後にバッキンガム公爵の邸宅として使用されていた。

しかし、現在の新古典主義のU字型の宮殿へと変化したのは、ジョージ4世の時代になってからである。建築家ジョン・ナッシュ、そして後にエドワード・ブロアとジェームズ・ペネソーンが、敷地内の既存の建築物を拡張するために依頼を受けた。


buckingham palace, london, england
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エリザベス女王は、1936年に父親が即位した後、この宮殿の王宮に移り住んだ。

バッキンガム宮殿には775の部屋があり、そのうち19部屋は王室の儀式や各国首脳の接待に使われる大広間である。バッキンガム宮殿のバルコニーでは、ロイヤルファミリーの誕生日や結婚式、毎年行われる「トゥルーピング・ザ・カラー」などが行われることで有名。




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ウィンザー城/ウィンザー、イギリス

windsor castle, windsor, england
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ロンドンの西に位置するウィンザー城は、1,000年以上の歴史を持つ、世界で最も古く、最も大きな城である。約1,000の部屋を持つこの城は、これまで39人の王と女王の住まいとなった。







windsor castle, windsor, england
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ウィンザー城は、第二次世界大戦中にエリザベス女王と妹のマーガレットが避難所として使用したのが最初で、その後、女王は週末の保養地として使用していた。

1992年の火災で城の一部が焼失したが、フィリップ王子の指揮のもと、入念な修復が行われ、かつての輝きを取り戻した。エリザベス女王が愛したこの城は、女王の永眠の地となり、エリザベスは、両親、姉、夫とともに、敷地内のセント・ジョージ・チャペルに埋葬される予定だ。


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バルモラル城/アバディーンシャー、スコットランド

balmoral castle, aberdeenshire, scotland
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バッキンガム宮殿やウィンザー城が公務の場であるならば、バルモラル城は女王がくつろぐ場所であった。

約2万平米の森林に囲まれたこの塔のあるカントリーハウスは私有地であり、王族が田園を散策したり、狩りをしたり、基本的に人目を気にせずに生活できる場所となっている。



balmoral castle, aberdeenshire, scotland
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1848年にヴィクトリア女王とアルバート公がこの土地を入手し、現在の邸宅を建て、後にエリザベス女王が何度も幸せな夏を過ごすことになる場所。宮殿関係者によると、彼女はこの家で安らかに息を引き取ったという。







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ホリールード宮殿/エディンバラ、スコットランド

holyrood palace, edinburgh, scotland
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エディンバラの有名なロイヤル・マイルの端にあるこの広大な土地は、宮殿が建つ前は修道院の敷地だった。伝説によると、1128年、スコットランドのデイヴィッド1世は、この場所で角の間に十字架を付けた雄鹿の幻を見たそう。

彼はその場所に修道院を建て、“Holy Rood(聖なる十字架)”と名づけた。その4世紀後、ジェームズ4世がこの地に宮殿を建てたが、現在見学できる宮殿はウィリアム・ブルースが17世紀末に完成させた古典様式の設計した部分。

holyrood palace, edinburgh, scotland
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現在、289の部屋を持つこの宮殿は、スコットランド王室の公邸として使用されており、エリザベス女王は毎年夏のガーデンパーティーで、国際的な要人や 地元のリーダーを招待している。









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サンドリンガム・ハウス/ノーフォーク、イギリス

sandringham estate, norfolk, england
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サンドリンガム・ハウスは、バルモラル城と同様、女王の私有地であった。

エリザベスの父、ジョージ5世は、この地を“世界のどこよりも好きな場所”と呼び、1952年2月6日にこの地で息を引き取った。

それ以来、女王は父の命日と自身の即位日を記念してこの家に滞在し、クリスマスをこの約80平方キロメートルの敷地で過ごした。女王が飼っていたコーギーが安置されているのもこの場所である。

sandringham estate, norfolk, england
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この敷地内の邸宅の歴史はエリザベス朝時代にまで遡るが、現在の建物を建てたのは、アルバート公とヴィクトリア女王の息子エドワード7世だった。

当初のホールは小さすぎると言われたため、取り壊され、A・J・ハンバートによってはるかに大きな建物に建て替えられ、その10年後にR・W・エディス大佐によってさらに別の棟が増築されている。


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ヒルズバラ城/ヒルズバラ、北アイルランド

hillsborough castle, hillsborough, northern ireland
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18世紀に建てられた広大なこの邸宅は、北アイルランドの国務長官の公邸だけれど、王室が公式訪問する際の公邸としての二重の役割も担っている。その名前に反して、この家は城ではなく、“カントリーハウス”または“ビッグハウス”と呼ばれている。

ヒルズバラ城の公式ホームページによると、アングロ・アイルランドの上流階級は、貴族であることを誇示するために自分の家を“キャッスル(お城)”と呼ぶのが一般的だったそう。

hillsborough castle, hillsborough, northern ireland
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1933年、ヴィクトリア女王の孫娘であるアリス王女の訪問により、英国王室との交流が始まり、1946年、エリザベス女王が初めて北アイルランドを公式訪問した際、ヒルズバラ城に滞在した。

その後、1953年の戴冠式の特別晩餐会ではメアリー女王が所有していたティアラを身につけ、イチゴとメレンゲのデザートで祝ったり、1977年の紛争時にはヘリコプターで駆け付けたり、2005年12月のアイルランド大統領メアリー・マカレーズとの歴史的会談が行われるなど、重要な役割を果たしている。


original text : ANNA FIXSEN

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