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©Keizo Kioku

【東京】スター建築家が手掛けた美術館10選。観光やアート巡りにおすすめ!

東京で訪れるべき美術館を厳選紹介。

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休日のお出かけスポットや旅先での行きたい場所リストとしても人気の美術館。全国には、常設展や企画展の作品のほか、写真映えする撮影スポットや設置されている名作椅子、建築のエピソードなどが堪能できる美術館が多数存在する。今回は、東京都に焦点を当て、その地域ならではの自然や文化と調和しながら、有名建築家が手掛けたデザインが光る美術館をご紹介。アート作品だけでなく、建物そのものが持つ魅力や、空間に込められた建築家の思いを感じながら、心ゆくまでデザインの旅を楽しんでみては?

【東京】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築20

1

国立西洋美術館/ ル・コルビュジエ

国立西洋美術館

1959年に開館した「国立西洋美術館」。本館は、20世紀を代表する建築家のひとりであるル・コルビュジエにより設計され、1階部分の柱で建物を持ちあげてできた空間「ピロティ」などル・コルビュジエによって提唱された“近代建築の5つの要点”が具体的に表現されている。建設にあたっては、ル・コルビュジエの弟子である坂倉準三、前川國男、吉阪隆正が協力し完成させた。2016年には、世界文化遺産へ登録された。

<写真>転載不可 © 国立西洋美術館

国立西洋美術館

ル・コルビュジエが1929年から亡くなるまで36年にわたって練り続けた美術館計画“無限成長美術館”の基本的な原理に基づいて設計された「国立西洋美術館」。美術館の中心に置かれる吹き抜け空間である「19世紀ホール」と2階展示室を繋ぐスロープは、作品と空間をゆっくりと楽しみながら移動することができる動線を確保。型枠に使用された姫小松という木の木目が美しく浮き出ているコンクリート製の柱と梁も見逃せない。

<写真>転載不可 © 国立西洋美術館

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国立西洋美術館

本館は、ル・コルビュジエが考案した人体の寸法をもとにした尺度「モデュロール」で設計され、柱の間隔や前庭床の目地など様々なところで使われることにより、建築に統一感やリズムが生まれている。

<写真>転載不可 © 国立西洋美術館

国立西洋美術館
住所/東京都台東区上野公園7-7
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間/9:30~17:30 金・土曜日 9:30~20:00※入館は閉館の30分前まで
休館日/月曜(祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始

公式HP

2

東京国立近代美術館/ 谷口吉郎

東京国立近代美術館

日本で最初の国立美術館として1952年に開館し、1969年に谷口吉郎により設計、移転開館した「東京国立近代美術館」。アプローチやエントランスには、小さな広場を設けたピロティ構造を採用し、谷口が掲げた“街角の小公園”として役割も果たしながら、自然光がたっぷりと入る開放感のある空間となっている。2002年には、坂倉建築研究所の設計による増改築が行われ、ミュージアムショップやアートライブラリなどが新設された。

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東京国立近代美術館

2002年の改築時に休憩スペースとして開放された、美術館最上階の4階に位置する“眺めのよい部屋”。2012年には建築家の西澤徹夫によって、オレンジの床にハリー・ベルトイアがデザインした“ベルトイア・チェア”が設置された現在の姿に生まれ変わった。“眺めのよい部屋”はジェームズ・アイヴォリー監督作品の映画タイトルより命名。





東京国立近代美術館

3階の日本画コーナーに設置されているのは、剣持勇による“ラタン・スツール”。

東京国立近代美術館
住所/東京都千代田区北の丸公園3-1
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間/10:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)※いずれも入館は閉館30分まで
休館日/月曜(休日の場合は翌平日)、展示替期間、年末年始

公式HP


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3

東京都美術館 / 前川國男

東京都美術館
©東京都美術館

1975年、前川國男の設計により竣工。レンガ色の打込みタイルでできた現在の「東京都美術館」(開館は1926年)は、メインエントランスを地下に配置し、上野公園の木々にとけ込む設計になっている。中央広場を中心にそれぞれ独立したブロック状に各棟を配置することによる、都市的な要素を取り入れた空間構成が特徴。また、シンボル的存在の球体、井上武吉の作品のほか、敷地内に展示されている彫刻作品も見逃さないで。

東京都美術館
©東京都美術館

館内各所でみられるヴォールト(かまぼこ)天井にオリジナルのペンダントライトが並ぶ。建物にあわせてデザインしたカラフルな椅子も前川國男によるもの。












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東京都美術館
©東京都美術館

1階にある「佐藤慶太郎記念 アートラウンジ」では、フィン・ユールなど北欧デザインのテーブルやチェアでゆっくりとくつろぐことができる。

東京都美術館
住所/東京都台東区上野公園8-36
tel. 03-3823-6921
開館時間/9:30~17:30、特別展開催中の金曜日は9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日/第1・第3月曜(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始、整備休館
※特別展・企画展は毎週月曜休室(祝日・振替休日の場合は翌平日)

公式HP

4

国立新美術館 / 黒川紀章

国立新美術館

2007年、黒川紀章・日本設計共同体の設計により開館した「国立新美術館」は、“森の中の美術館”をコンセプトに周囲の森と共生する、訪れる人々の新しい芸術文化のサロンになるような交流スペースを重視した建物だ。波打つような三次元曲面のガラスカーテンウォールは、自然光と緑を感じられる気持ちの良い空間を生み出している。メインエントランスには、緋色のリングを配した円錐形のモチーフを設置し一目でエントランスだとわかる工夫がなされ、建物全体を楽しみながら滞在できる美術館となっている。

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国立新美術館

シンボルとなっている巨大な逆円錐型の柱の上部にはレストランやカフェが配されており、解放感あふれる眺めのよい空間を楽しめる(写真左)。

1階のロビーにはハンス J. ウェグナーによる“CH25”(写真右)や“CH07”、地下1階にはアルネ・ヤコブセンによる“エッグチェア”“スワンチェア”など、北欧デザインの名作を配置している。

国立新美術館
住所/東京都港区六本木7-22-2
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間/10:00~18:00(入館は17:30まで)
※展覧会により異なる場合あり
休館日/火曜(休日の場合は翌平日)、年末年始

公式HP

5

世田谷美術館 / 内井昭蔵 

世田谷美術館

1986年、内井昭蔵の設計により砧公園の一角に開館した「世田谷美術館」。“生活空間としての美術館”“オープンシステムとしての美術館”“公園美術館としての美術館”という3つのコンセプトを掲げ、周囲の環境と調和する開放的な建物となっている。




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世田谷美術館

建物全体で用いられている逆三角形の支柱(写真左)が、独特の構造と装飾としても高い評価を得ている。美術館のコンセプトを体現した1階の展示室(写真右)。展覧会の内容にもよるが、公園の豊かな緑を望む横一面の広々とした窓からは、四季折々のさまざまな表情が楽しめる。

世田谷美術館
住所/東京都世田谷区砧公園1-2
tel. 03-3415-6011
開館時間/10:00~18:00(展覧会入場は17:30まで)
休館日/月曜(休日の場合は翌平日)、年末年始

公式HP

6

サントリー美術館 / 隈研吾

サントリー美術館
©Keizo Kioku

1961年に丸の内に開館し、2007年に隈研吾による設計で六本木に移転リニューアルした「サントリー美術館」。“都市の居間”として居心地の良い美術館を目指し、隈建築の特徴である和モダンを基調に、やすらぎを感じる空間に仕上げた。外観は、白いセラミックパネルのルーバーをファサードに採用し、窓には日本の伝統建具である無双格子からヒントを得たスクリーンにより光を調整することで、美術館と庭園のゆるやかなつながりを実現した。

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サントリー美術館
©Keizo Kioku

館内は、和の素材の木や和紙を用いるなど、自然のぬくもりがあふれ、やわらかい光に包まれる優しい空間が広がる。床材には、ウイスキーの樽材を再生利用するなど環境にも配慮した。

サントリー美術館
住所/東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F
tel. 03-3479-8600 
開館時間/10:00~18:00(金曜~20:00、入館は閉館の30分前まで)
休館日/火曜、展示替期間、年末年始

公式HP

7

すみだ北斎美術館 / 妹島和世

すみだ北斎美術館
©Forward Stroke

2016年、妹島和世の設計により開館した「すみだ北斎美術館」は、スリットが印象的な鏡面のアルミパネルを使用した近代的なファサードながら、周辺の風景が映り込み、街に溶け込むデザインとなっている。またどこからでもアクセスできる正面を作らない構造が人々に開かれた美術館を表現。館内の4階展望ラウンジからは、東京スカイツリーなど下町の街並みを眺めることができる。

すみだ北斎美術館
住所/東京都墨田区亀沢2-7-2
tel. 03-6658-8936
開館時間/9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日/月曜(休日の場合は翌日)、年末年始

公式HP

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8

根津美術館 / 隈研吾

根津美術館

1941年に開館し、2009年に隈研吾の設計により新創した「根津美術館」は、大屋根が特徴の庭と建築とアート作品が一体化した空間が印象的な美術館。茶室や庭園からは古き良き日本風景を四季の移ろいとともに楽しむことができる。





根津美術館

隈建築らしい竹を使用した清涼感あふれるアプローチが、都会の喧騒から落ち着いたアート空間へと転換するしかけとなっている。

根津美術館
住所/東京都港区南青山6-5-1
tel. 03-3400-2536
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜(休日の場合は翌日)、年末年始

公式HP



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9

三菱一号館美術館 / ジョサイア・コンドル

三菱一号館美術館

1894年にイギリス人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された「三菱一号館」が可能な限り忠実に復元され、2010年に開館した「三菱一号館美術館」。19世紀後半にイギリスで流行した、クイーン・アン様式が取り入れられており、石造りの中央階段や重厚な6本の柱が存在感を放つ格調高いカフェ・バー、約40種もの薔薇が咲く一号館広場などこだわりの詰まったクラシカルな空間を堪能できる。

三菱一号館美術館
住所/東京都千代田区丸の内2-6-2
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間/10:00~18:00(入館は17:30まで)
※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は20:00まで
休館日/月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、年末年始

公式HP

10

東京都江戸東京博物館 / 菊竹清訓

江戸東京博物館
東京都江戸東京博物館

1993年、菊竹清訓の設計により開館した「東京都江戸東京博物館」は、大きな4本の柱が特徴的なユニークな建物。柱からせり出したキャンチレバー部分(片持ち式の構造)は圧倒的な存在感を放つ。「江戸東京ひろば」と名付けられた建物3階にあたるピロティ部分から常設展示室に伸びる真っ赤なエスカレーターが印象的だ。2016年より建築家の藤森照信が館長を務めている。

東京都江戸東京博物館
住所/東京都墨田区横網1-4-1
tel. 03-3626-9974
※大規模改修工事により2026年春(予定)まで休館中。

公式HP

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