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東京建築祭
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【東京建築祭2025】建築好きが行くべき、特別公開の名建築25

5月24日(土)と25(日)開催の特別公開から必見の名建築をピックアップ!

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2025年5月17日(土)より、「東京建築祭」がスタートする。2回目を迎える今回は、昨年の日本橋・京橋、大手町・丸の内・有楽町、銀座・築地に加え、上野や品川までエリアを拡大。参加建築は90件以上におよび、建築家や専門家によるガイドツアーを含むプログラムは昨年の2倍以上の規模となる。本記事では、「東京建築祭」に合わせて特別に公開される名建築を、エリア別にご紹介。普段は閉ざされた扉の内側に足を踏みれられるチャンスをお見逃しなく!

【東京建築祭2025】倉方俊輔が推す、建築好きが見るべき名建築5
建築初心者向け「東京建築祭」で楽しむ名建築散歩

1

旧宮脇ビル(川崎ブランドデザインビルヂング)/中央区・銀座

東京建築祭

全国的にも珍しい陶板のような加飾タイルが目を引く「旧宮脇ビル(川崎ブランドデザインビルヂング)」を、特別公開。関東大震災後、油商店の事務所ビルヂングとして竣工。2013年、老朽化が進み廃墟寸前で解体が決定していたのを、建築好きの現オーナーが保存を決断。改修後、ギャラリーとして再出発を遂げた。2025年春、国の登録有形文化財に指定。

東京都中央区銀座1-20-17 川崎ブランドデザインビルヂング
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2

カトリック築地教会/中央区・築地

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1927年に竣工した、東京最古の教会。壮麗な列柱が立ち並ぶギリシャ神殿のような聖堂は、この築地が外国人居留地だった記憶を教えてくれる。ステンドグラスが印象的な内部には、明治の頃から音を響かせるハルモニウムも。資料室では、写真や関東大震災で崩れた資材などが展示されている。東京の都心で、大切に守り継がれてきた祈りの空間に触れたい。

東京都中央区明石町5-26
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3

築地本願寺/中央区・築地

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奇想の建築家・伊東忠太の最高傑作と名高い、築地のランドマーク。古代インドの仏教寺院、西洋建築、アジア各国や日本建築の細部などを濃密に組み合わせた、独特な建築だ。1934年に完成。妖怪好きの伊東忠太が生み出した、数多くの怪獣や動物たちを探すのも楽しそう。今回は、講堂と講堂裏控室、講堂裏講師控室を特別に公開。

※現在大規模修繕工事中のため、写真の状況とは異なる。

東京都中央区築地3-15-1
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4

堀ビル(goodoffice新橋)/港区・新橋

東京建築祭

1932年の完成から約90年もの間、建築金物の製造販売を行う堀商店によって維持されてきたビル。スクラッチタイルや水平線が強調されたデザインなど、モダンな要素と装飾性が同居。そんなビルの味わいをそのままに、2021年「堀ビル」はシェアオフィスに。建築祭では、会員の共用スペースである1Fのラウンジを見学できる。

保存活用プロジェクトを手がけた竹中工務店のCOT-Lab 新橋代表・杉本照彦や、オフィスを運営するグッドルームが上階を案内するツアーも人数限定で実施。

東京都港区新橋2-5-2
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5

旧近衛師団司令部庁舎/千代田区・北の丸公園

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1910年に陸軍技師・田村鎮の設計により創建。明治期に建てられたレンガ造の官公庁建築の貴重な遺構として重要文化財に指定。その後、谷口吉郎の設計で美術館仕様に改装し、「東京国立近代美術館工芸館」として開館したものの、2020年の工芸館移転以来、一般には非公開に。今回は、正面ホールから2Fに伸びる両袖階段と、2F休憩室が建築祭の参加者に向けて公開される。

東京都千代田区北の丸公園1-1
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6

共立講堂/千代田区・北の丸公園

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東京タワーの設計者・内藤多仲博士が構造設計を担当し、かつては大型の音楽堂として、数々のコンサートが開かれた。現在は学校の講堂として活用されている講堂内部が、建築祭に合わせて見学可能に。迫力と格式を感じる客席空間、シンプルな意匠に青と赤のコントラストが映えるロビー、アーチがあしらわれた側部回廊など、どこかチャーミングな設計は前田健二郎によるものだ。

東京都千代田区一ツ橋2-2-1
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7

明治生命館/千代田区・丸の内

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古典主義建築の最高傑作と名高い「明治生命館」は、1997年に昭和期の建築として初めて、国の重要文化財に指定。皇居に面した外観を飾るコリント式の列柱が、建物にさらなる品格を添える。創建当時の姿を残す店頭営業室では、吹き抜けの大空間が圧巻。建築祭では、7F講堂を特別に公開する。

東京都千代田区丸の内2-1-1
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8

日証館/中央区・日本橋

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多くの証券会社が入居する建物として、1928年に竣工。かつて渋沢栄一の邸宅だったことでも知られている。設計を手掛けたのは、横河民輔が立ち上げ、「三越日本橋本店」や「日本工業倶楽部会館」も手掛けた横河工務所。建築祭では、通常業務日しか立ち入れないエントランスホールを特別に公開する。

東京都中央区日本橋兜町1-10
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9

三井本館/中央区・日本橋

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現存する日本最古の、アメリカンタイプのオフィスビル。1Fに入る銀行の印象が強いが、三井合名をはじめ、旧三井物産、三井鉱山など直系各社の本社機能を集中させるために建てられた複合ビルだ。今回は、そのことがよく分かる合名玄関を特別に公開。黒と白でデザインされた美しい床石、格間天井の精巧な装飾、今も現役で稼働する重厚なエレベーターに注目したい。

東京都中央区日本橋室町2-1-1
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10

HAMACHO HOTEL TOKYO/中央区・日本橋

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©Nacasa & Partners

「緑と手しごとが調和するまち」という、まちづくりコンセプトを体現するホテル。建築祭の参加者は、館内でも特別な一室「TOKYO CRAFT ROOM」に入ることができる。柳原照弘がクリエイティブディレクターを務めるこの空間では、日本各地の職人と国内外のデザイナーが共創し、伝統工芸を現代の暮らしに寄り添うプロダクトへと昇華している。

東京都中央区日本橋浜町3-20-2
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11

HAMACHO FUTURE LAB/中央区・日本橋

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©Nacasa & Partners

築40年を超える木造と鉄筋コンクリート造の2棟の建築と敷地をつなげて、新たな価値を創出。違法建築となっていた木造棟を減築・適法化し、減築により空いた場所に避難階段として増築した鉄骨棟は、2棟をつなぐデッキスペースやオフィスとした。建築設計は、ここに本社を構えるワクトと、再生建築研究所による協業。建築祭では、古材が残るワクトのオフィススペースを特別に披露する。

東京都中央区日本橋浜町3-9-8
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12

三越劇場/中央区・日本橋

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1914年に竣工した「日本橋三越本店」のなかでも、開場当時の壮麗な姿を強く受け継ぐ「三越劇場」を、特別公開。世界でも類をみない百貨店の中の劇場として誕生し、戦後は文化復興に貢献。古典芸能や演劇、落語会、コンサートなど多彩な文化を発信し続けてきた。ロココを基調とした重厚・華麗な意匠、ステンドグラスをはめ込んだ天井、大理石と石こう彫刻に彩られた周壁などを堪能してほしい。

東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店本館6F
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13

神田ポートビル/千代田区・神田

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1964年築の印刷会社旧社屋を、カルチャーやアカデミズム、ウェルビーイングをテーマにした文化複合ビルとして再生。60年代ならではのモダンデザインを残した階段をはじめとする共用スペースやサウナの前室、「?」と名付けられた茶室、「ほぼ日の學校」の教室スタジオなどが公開される。

東京都千代田区神田錦町3-9
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14

岡田ビル/千代田区・神田

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大胆な「減築」を1969年築の不適合建築に適用。床面積を減築させることで適法化と同時に採光や通風をもたらした。その社会性とデザイン性の高さから、2023年の「グッドデザイン・ベスト100」をはじめとして多数の建築賞を受賞。建築祭では、屋上まで続く階段と屋上を見学できる。

東京都千代田区神田錦町2-9
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15

安井建築設計事務所 東京事務所/千代田区・神田

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1924年に安井武雄が創設し、「サントリーホール」や「東京国立博物館」など幅広い分野の建築設計を手掛けた建築事務所。築約60年のオフィスビルをリノベーションし、現在は、1Fに「まちとつながりながら、私たちも自らやりたいことを実践する場所」、2・3Fには「自ら働き方を組み立てる場所」が設置されている。設計者によるツアー、「折り紙建築」をテーマにしたワークショップを開催。

東京都千代田区神田美土代町1
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16

東京都美術館/台東区・上野

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建築家は、ル・コルビュジエの薫陶を受けた前川國男。機能ごとに配置された空間、地下を生かした構造など、都市的な要素を内包する緻密な構成で、上野公園の森に溶け込むように設計されている。これは、前川による後期の代表作にも通ずる考え方であり、「東京都美術館」は、そうした作品のプロトタイプ的な建築であると言える。建築祭では、旧野外彫塑室を特別に公開する。

東京都台東区上野公園8-36
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17

東京国立博物館 日本庭園 茶室/台東区・上野

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「東京国立博物館」本館の奥に広がる日本庭園に佇む茶室を特別公開。春草廬、転合庵、六窓庵は、普段は閉じている扉を開け、内部の見学が可能。九条館は、内部への立ち入りることができる。まわり廊下やカリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りが施された欄間、狩野派による楼閣山水図など、それぞれ異なる時代や背景を持つ空間を目に焼き付けよう。

東京都台東区上野公園13-9
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18

MARU。Architecture/台東区・上野

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@中村絵

ツタに覆われた印刷工房を設計事務所にリノベーション。柔らかく光を取り込む大きな障子のような框戸(かまちど)の中へ足を踏み入れると、コの字型にデスクが配された空間が広がる。稼働中の全プロジェクトを一望するギャラリーや、上階の打ち合わせスペースに設えられた吹き抜けなど、内外、上下の境界をあいまいにし、会話が生まれる仕掛けをちりばめた。

東京都台東区上野桜木1-4-5
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19

旧岩崎邸庭園/台東区・池之端

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1896年竣工の「旧岩崎邸庭園」に佇む、日本でも珍しいシャレー風建築の撞球室(ビリヤードルーム)を特別公開。英国人建築家ジョサイア・コンドルが設計した木造平屋建ての空間で、壁紙の金唐革紙を実現した高い技術が垣間見える、貴重な版木ロールを展示する。

建築祭期間中は、洋館前の芝生に立ち入り可能なエリアを特別に用意。参加者は、ベランダを彩る「ミントン」のヴィクトリアンタイルを外側から見学することができる。

東京都台東区池之端1-3-45
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20

三段坂の和館/台東区・池之端

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池之端の閑静な地に佇む「三段坂の和館」は、明治時代末に弁護士の住まいとして建てられ、当時は洋館と対を成していた。その後、東京大学に通う学生・学者の住居として使われたことも。内部には、高い天井の座敷や趣ある数寄屋風の茶室を備えた、素朴ながらも工夫を凝らした空間が広がる。

東京都台東区池之端4-17-7
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