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大阪万博 北欧パビリオン ノルディックサークル
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「大阪・関西万博」で注目が集まる、北欧パビリオンのみどころとは?

家具から伝統料理まで、万博で北欧を旅しよう!

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4月13日に開幕する「大阪・関西万博」には、158カ国・地域、9国際機関が参加する。なかでも、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、アイスランドの5カ国が合同で出展する北欧パビリオンは、北欧ブランドの家具、伝統的な料理も登場し、デザイン好きならば必ずチェックしたいパビリオンだ。

「大阪・関西万博」で世界が注目する、大胆かつ軽やかな永山祐子の建築

北欧の風土を映し出す、ミケーレ・デ・ルッキの建築

大阪万博 ミケーレ・デ・ルッキ 建築 ノルディック・サークル

北欧パビリオンの名前は「ノルディック・サークル」。5カ国が協力し、共に持続可能な発展を目指すという意味で名付けられた。パビリオンの設計者は、イタリアの建築家、ミケーレ・デ・ルッキ。今年74歳になったデ・ルッキが初めて日本につくった建築だ。1,200㎡、高さ17m(3階建て)の木造建築で、北欧の伝統的な納屋がモチーフになっている。でもなぜ納屋だったのだろうか? デ・ルッキはこう語る。

「納屋はシンプルで機能的、さらに自然との深いつながりを象徴する建築です。万博が目指す『生活のための未来社会をデザインする』というコンセプトにあわせたもので、コミュニティと環境配慮への重要性を強調します。これは単なる構造物ではなく、パビリオン内で展示されるイノベーションとテクノロジーを保護するものでもあるのです」

寒さの厳しい北欧の地で、自然の脅威から大切な農作物を守り、さらに自然と調和しながら建つ納屋は、自然と建築との関係が見直される現代で参照すべき建築の「原型」といえるだろう。さらにこのプランが採用された理由を、デ・ルッキはこう答える。

「このパビリオンは、機能美とシンプルな素材使いをする北欧のデザイン哲学を強く表現しています。不必要な要素は排除され、形や素材の自然な質感が際立っています。この建築によって、より思慮深く責任ある生き方が育まれ、調和のとれた環境が創出され、人間と自然の関係が再定義されるのです」

<写真>建物内の階段。日本で調達されたスギ材を使い、柿渋に墨を混ぜた塗料を塗装。日本古来の方法を採用している点にも注目したい。

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デ・ルッキの設計の原則は「空間が人間の行動をつくる」だと言う。この建物を通じて、人工的な環境への意識や関わり方も見直してほしいというメッセージも込められている。

また、このパビリオンは夏の暑い時期を考慮し設計されており、水平方向のルーバーで覆われているのも特徴だ。これによって雨を遮りながら自然の風を通し、適度に自然光を取り入れることができるため、空調設備を最小限に抑えることができるという。これも、納屋からインスピレーションを得たデザインだという。

建物内の家具はデンマークを代表する3つのブランド、「ボーコンセプト」、「カール・ハンセン&サン」、「ヘイ」が使われる。BIGによる「ボーコンセプト」の“Nawabariコレクション”、ロナン&エルワン・ブルレックの「ヘイ」のアウトドア家具“PALISSADEシリーズ”、安藤忠雄がデザインした「カール・ハンセン&サン」の“DREAM CHAIR”などが使われる予定だ。

<写真>展示だけでなく各国の企業とのカンファレンスなども行われる予定だ。

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そしてユニフォームにはポップな柄と鮮やかな色使いで知られるフィンランドの「マリメッコ」、同じくフィンランドのフットウエアブランドの「VIBAE(ヴィバ)」が採用されており、こちらにも注目したい。

<写真>ユニフォームのイメージ。今年、「マリメッコ」の代表作とも言えるプリントデザイン、“Unikko(ウニッコ)”は60周年を迎え、ますます注目が集まっている。

北欧の伝統的な料理を楽しめる、屋上のレストランで舌鼓!

大阪万博 北欧パビリオン the nordic food bar

建物は展示エリアやショップ、レストラン、会議室、イベントスペースで構成されている。1階の展示エリアは高さ6m以上の空間で、廃棄する予定の米からつくった紙のスクリーンが円形状にぶら下がり、そこに北欧の自然や日常が映し出され、五感で北欧を体験できる没入型展示が展開される予定だ。

展示の他にも注目したいのが、パビリオン屋上で北欧の伝統的な料理を提供するレストラン「The Nordic Food Bar」。ノルウェーとアイスランドの新鮮なシーフード料理や、スウェーデンの伝統的なミートボールなどが登場する予定だという。監修はスウェーデンの有名シェフ Frida Ronge(フリーダ・ロンゲ)。 北欧と日本のガストロノミーを融合 させた料理で知られ、サステナブルな食材を使うことでも評価が高い。

<写真>1階の展示スペースのイメージパース。

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大阪万博 北欧パビリオン frida the nordic food bar

さらにカフェメニューは、スウェーデンをはじめとする北欧各国で北欧のスイーツの魅力を発信してきたヴェントゥラ愛が監修。たくさんの展示を見たあとに、休憩で食べるシナモンロールとコーヒーは格別に違いない。

<写真>Fridaがディレクターを務める「TAK」と「UNN」は、北欧と日本の味を融合した独創的なメニューを展開し、ストックホルムの名店として知られている。


5カ国の文化を体感する、ナショナル・デー

大阪万博 北欧パビリオン ミイナ・オカベ

北欧パビリオンでは、各国ごとに5つのナショナルデーが設定されており、その日でしか味わえない特別なイベントが開催予定だ。現状、デンマークのみが内容発表されている。

4月24日に開催されるデンマークのナショナル・デーでは、プログラムは午前・午後の2部構成。午前中はナショナルデーホールにて公式オープニングセレモニーが開催。午後は、デンマーク系日本人シンガーソングライター、ミイナ・オカベのライブと、ヤコブ・ブロ、ニコライ・ブスク、⾼⽥みどりによる北欧と日本の音楽が交差するジャズトリオの特別パフォーマンスが披露される。

ほか、5月14日はスウェーデン、5月29日はアイスランド、6月2日はノルウェー 、6月12日はフィンランドという日程が決定しており、内容は今後発表される予定。ナショナル・デーにあわせてチケットを予約するのもおすすめだ

<写真>世界的に注目される新星アーティスト。デンマークと日本のルーツを持つミイナ・オカベは、世界中で5億回以上のストリーミング再生を記録。

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