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twisting tower displaying colorful lights alongside a serene interior space with a view of a garden
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【茨城】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築10

県の魅力度ランキングも上昇し、都心からのアクセスも良く小旅行にぴったりの茨城県。実は日本を代表する建築家たちが手掛けた美しい建築がいくつも。次の休みは茨城で建築を巡る旅へ!

By miki tamura

世界で最も美しい駅舎と称される妹島和世による「JR日立駅」から、磯崎新や伊東豊雄といった日本を代表する建築家が設計した文化施設、隈研吾が手掛けた石が主役の美術館など、個性豊かな名建築が楽しめる茨城県。豊かな里山から太平洋を望む沿岸部、そして日本最大のサイエンスシティ筑波研究学園都市エリアまで、観光と合わせてぜひその目で見ておきたい名建築をピックアップ!

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水戸芸術館/水戸市

水戸芸術館
写真提供:水戸芸術館/撮影:田澤純

正三角形のチタンパネルがらせん状に連なる高さ100mの塔がシンボリックな「水戸芸術館」。水戸市政100周年記念事業として進められた複合文化施設で1990年に完成した。設計を担当したのは、国内外で数多くの美術館を手掛けてきた建築家、磯崎新。敷地内にはコンサートホール、劇場、現代美術ギャラリーと3つの独立した施設があり、それぞれが特徴的な外観を持っている。

水戸芸術館
写真提供:水戸芸術館/撮影:田澤純

水戸市のシンボルとなる塔にはガラス張りのエレベーターがあり、内部構造を見ながら地上86mにある展望室までのぼることができる。下から見上げた時の姿も圧巻だが、展望室からも水戸市の景観が楽しめる。色鮮やかにライトアップされた夜の様子も必見だ。

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水戸芸術館
写真提供:水戸芸術館/撮影:田澤純

用途の異なる3つの独立した施設を有する「水戸芸術館」。3施設共通となるエントランス空間もぜひ見ておきたい。幅7m、奥行き22mの細長いスペースはいくつもの柱で支えられた天井高11mの吹き抜けホールとなり、ヨーロッパの教会建築を思わせる圧巻の空間。日本人によるオルガン工房、マナ オルゲルバウのパイプオルガンが設置され、週末には無料コンサートなども開かれ多くの市民に愛されている。

水戸芸術館
茨城県水戸市五軒町1-6-8
公式サイト

2

水戸市民会館/水戸市

水戸市民会館

2023年7月に水戸市の中心地である泉町地区にオープンした、建築家・伊東豊雄、横須賀満夫による「水戸市民会館」。磯崎新が手掛けた文化施設「水戸芸術館」と道を挟んだ向かいに立ち、プリツカー賞を受賞した伊東豊雄、磯崎新の建築家作品が同時に見られることから建築好きに話題のエリアとなっている。

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水戸市民会館

施設は、大中小のホールにスタジオや会議室、そして「やぐら広場」と呼ばれる屋内広場からなり、市民のさまざまな活動拠点として機能。外観は全面ガラス張りとなり、周囲の街並みを取り込みながらダイナミックな木造架構を印象付けている。

<写真>茨城県最大の2000席を有する大ホールのグロービスホール。




水戸市民会館

中でも見どころとなるのは、木造架構による壮大な吹き抜け空間「やぐら広場」。4層に及ぶ大きな吹き抜け空間で、やぐら組みと呼ばれる美しく組み上げられた構造体が目を引く。さまざまなイベントを開催できる広場であり、道を挟んで立つ南側の京成百貨店や北側の水戸芸術館に通り抜けられる南北を貫く通路の一部としても機能し、地域の人々の憩いの場として活用されている。

水戸市民会館
茨城県水戸市泉町1-7-1
公式サイト

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3

JR日立駅/日立市

jr日立駅

刻一刻と表情を変える海や空の色が楽しめる絶景のフォトスポットとして人気のJR日立駅。デザイン監修を任されたのは高校時代に毎日、日立駅を利用していたという地元出身の建築家、妹島和世。海に隣接しながらも当時の日立駅は海が見えない構造が残念だったそう。

駅周辺整備に伴う駅舎の建て替え計画で、市からは東西に分かれていた機能をつなげながら日立らしさを表現することが求められた中で、妹島氏は海に面した立地を最大限に生かして全面ガラススクリーンの駅舎をデザインした。

jr日立駅

西口と東口をつなぐ広い自由通路は開放的でどこからでも海を感じることができる。軽やかかつ透明感のある建築を得意とする妹島らしい駅舎が完成した。

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jr日立駅

自由通路の東側の先端にあるホールが太平洋を一望できるビュースポット。ここにはSANAAがデザインした「フラワーチェア」も置かれている。駅に併設されたシーバーズカフェは午前7時からオープンしており、店内から美しい日の出を見ることもできる。

JR日立駅
日立市幸町1-1-1
公式サイト


4

笠間の家/笠間市

笠間の家

国内外で多くの大型建築を手掛ける伊東豊雄が40歳の頃に手掛けた住宅建築。陶芸家・里中英人のアトリエ兼住居として1981年に完成したもので、日本建築家協会新人賞を受賞した作品でもある。現在は笠間市に寄贈され、ギャラリー、カフェ、ワークショップスペースとして運営されている。実際に見学できる名作住宅として、遠くから訪れる建築ファンも多い。




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笠間の家

住宅は陶芸の街として知られる笠間の小高い丘の上に立ち、高低差を生かした設計に。エントランスは2階中央部分にあり、右手には直線状の空間が、左手には壁が湾曲したスペースが広がる。階下はかつて工房に使われていたそうで、真っ白な空間に。大きなワンルームとして設計された内部は、段差や勾配天井、緩やかな曲線、自然光などで空間全体に変化がもたらされている。

笠間の家

窓の外に自然豊かな里山の風景が広がるカフェでは、県内産の食材を使用し笠間焼で提供されるランチ(予約制)や茨城県産のさしま紅茶、笠間の家オリジナルブレンドコーヒーが楽しめる。

笠間の家
茨城県笠間市下市毛79-9
公式サイト

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5

古河総合公園 管理棟/古河市

古河総合公園 管理棟

春の始まりには約2000本の桃の花が美しく咲きそろう「桃まつり」でも有名な「古河総合公園」。自然の地形が生かされた25ヘクタールにおよぶ広大な園内には四季折々の植物が育ち、室町時代に築かれた古河公方館跡など史跡も多く歴史好きの間でも人気の公園。日本で初めてユネスコ「メリナ・メルクーリ国際賞」を受賞した公園としても知られている。


古河総合公園 管理棟

公園を訪れて最初に出迎えてくれるのが、内藤廣による管理棟施設。公園のゲートとしての役割も持つ長大な平屋の切妻屋根の建物で、管理室や休憩室、トイレなどの機能が収められている。公園の設計監修を担当した景観学者の中村良夫に依頼され設計したもので、小川が管理棟の中を横切り、管理棟の向こうには広大な自然の景色が広がる、公園のプロローグとして美しい建物だ。

古河総合公園
茨城県古河市鴻巣399-1
公式サイト

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6

古河総合公園 飲食施設/古河市

古河総合公園 飲食施設

「古河総合公園」管理棟から御所沼を挟んで立つのが、SANAAが設計した公園内の飲食施設。いくつもの細い柱がシンプルな平面屋根を支えるSANAAらしい透明感のある建物で、カフェとテラススペースに分かれている。






古河総合公園 飲食施設

半分がインテリアで半分がエクステリアとなる内外部ともに使える休憩所をというリクエストから、テラスとカフェをガラスで仕切りながら、スライディングドアになり開放することで内外につながるスペースとして機能させた。










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古河総合公園 飲食施設

カフェ内のテーブルや椅子もSANAAによるデザイン。自然の景色を取り込みながら公園に溶け込んでいく建物の姿も楽しんで。

古河総合公園
茨城県古河市鴻巣399-1
公式サイト







7

松見タワー/つくば市

松見タワー

科学技術振興と高等教育の拠点づくりを目的に、1960年代に始まった一大プロジェクト、筑波研究学園都市計画。当時、筑波大学と共にプロジェクトに先駆けて完成したのがつくば市天久保にある松見公園だ。ここに戦後の日本を代表する建築家の一人で「メタボリズム」を提唱した菊竹清訓が設計した展望施設とレストハウスが立つ。

公園のシンボルとなる展望施設は菊竹らしい鉄筋コンクリート造で栓抜きを思わせるユニークなデザイン。地元では「栓抜き塔」という愛称でも親しまれている。展望台は高さ45m。筑波研究学園都市から筑波山まで360度のパノラマが楽しめる。

また展望台内には環境造形作家、西田明未による美しい2対のモザイク画が飾られている。

松見タワー(松見公園)
茨城県つくば市天久保1-4
公式サイト

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8

茨城県天心記念五浦美術館/北茨城市

茨城県天心記念五浦美術館

近代日本美術の発展に大きな功績を残した思想家・岡倉天心の業績を顕彰をするとともに、横山大観を始めとする、五浦に関わる作家たちの作品が鑑賞できる美術館。設計は数々の文化施設や公共施設を手掛けてきた内藤廣。美しい五浦の海岸線の崖に立つため、できるだけ建物のボリュームが低く抑えられるように計画を進めたという。


茨城県天心記念五浦美術館

建築の見どころとなるのは、エントランスロビーのプレキャストコンクリートの架構だ。潮風から美術品を守りながら短い工期に対応できる部材として採用され、全国4つの工場で作られた全450ピースを運び込み組み上げられたそうだ。

エントランスロビーを見上げると、24mに揃えられた架構スパンのダイナミックさも圧巻だ。




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