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青森 フォトジェニック建築
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【青森】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築15

本州最北端・青森県には日本を代表する現代建築からレトロな名建築まで、次の旅行で巡りたい個性豊かな建築が多数。

By MICHIKO INOUE
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青森県立美術館/青森市

八戸市美術館 青森建築

建築好きなら1度は足を運びたいのが、2006年にオープンし、建築家・青木淳の代表作でもある「青森県立美術館」。白い箱を切り出した、まるで彫刻のようなファサードが特徴だ。内部に入ると、ホワイト・キューブの空間の次に土の中のような空間があり、ふたつの空間が交互に現れるような構成になっている。単純ではない導線は、まるでどこかの街を歩いているような気分にさせてくれる。

青森県立美術館 青森建築

建物は隣接する「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場から着想を得て設計された。斜面地に発掘現場のトレンチ(壕)のように空間を掘り、その上から塗装されたれんがの量塊の構造物が覆いかぶさるようにできている。青木いわく「まるで並びの悪い歯列かのように」生まれた隙間が空間になっている。








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青森建築 青森県立美術館

奈良美智による高さ8.5mの巨大な「あおもり犬」や、マルク・シャガールの描いたバレエ「アレコ」の舞台背景画など、ここでしか見られない大きな作品が常設展示されている。また、シンボルマークやサインは菊地敦己がデザイン、制服はミナ ペルホネンによるもの。建築と合わせてぜひチェックしてほしい。

青森県立美術館
住所/青森県青森市安田近野185
公式サイト




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弘前市民会館/弘前市

フォトジェニック建築 青森 前川國男

1964年に竣工した弘前市民会館は、ル・コルビジェの弟子で日本各地に名建築を残してきた前川國男の設計。弘前市民会館は神奈川県立音楽堂、東京文化会館などの後に生まれており、前川のホール設計のノウハウが詰まった建築とも言える。




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前井國男 青森建築

外観は打ち放しコンクリートで、コンクリート型枠の木目が印象的。建物は大ホールと管理棟を大きなピロティでつなぐ構成になっている。ピロティの上には岩木山を望むテラスもある。











青森建築 前川國男 弘前市民会館

ホール棟1階のロビーに入ると、前川が好んで使った青色の天井に「おむすび」型の大きな照明がある。吹き抜けには前川らしい、どっしりとした手すりの階段も見どころだ。












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弘前市民会館 青森建築 前川國男

ホールの側壁はブナ材の2次曲面積層合板が使われており、その音響の良さも有名だ。緞帳(どんちょう)は画家の棟方志功によるもので、前川と相談しながら制作を進めた。2012〜2013年に改修工事が行われ、その際にこの緞帳も色鮮やかによみがえった。









フォトジェニック建築

館内に配された赤や緑の椅子とのコントラストもかわいらしい。

弘前市民会館

住所/青森県弘前市大字下白銀町1番地6
公式サイト








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3

十和田市現代美術館/十和田市

十和田市現代美術館 建築 青森建築

十和田市の官庁街通り沿いにある「十和田市現代美術館」は、西沢立衛が設計し2008年にオープンした。







十和田市現代美術館

十和田市現代美術館 通路 撮影:太田拓実

庁舎の移転などで閑散としていた周辺の街の景観を考えながらつくられた建築で、17個の展示室をガラスの廊下でつなぐ構成だ。












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十和田市現代美術館 建築 青森建築

ロン・ミュエク《スタンディング・ウーマン》 撮影:太田拓実

ロン・ミュエクの「スタンディング・ウーマン」や塩田千春の「水の記憶」などの作品があり、各展示室は作品それぞれに合わせて日の光の入り方や大きさ、位置などが決められている。さらに美術館の外の通りから見た際の連続性も考えつくられているため、大きさもバラバラ。ガラス張りの展示室もあり、街の外から作品を見ることもできる。廊下や展示室の間にある外のスペースにも作品があり、イベントが行われることも。街を歩く延長に展示室があるような、まちに開かれた美術館だ。

十和田市現代美術館
住所/青森県十和田市西二番町10-9
公式サイト

4

十和田市民図書館/十和田市

十和田市民図書館 青森建築 安藤忠雄

2015年にリニューアルした「十和田市民図書館」は安藤忠雄が設計を手掛けている。市民のための図書館だが、十和田市現代美術館から徒歩7分のところにあり、十和田を訪れたのならぜひ1度は見たい建築だ。




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十和田市民図書館 安藤忠雄 青森建築

官庁街通りに並行するように細長い四角い建物が並び、所々に三角形のハイサイドライトが設けられている。その大きな開口からはふんだんに光が差し込む。安藤建築ならではの美しいコンクリート打ちっぱなしの空間に多くの光が差し込み、開放感のあふれる空間となっている。








十和田市民図書館 青森建築 安藤忠雄

建物内に5カ所設けられたサンルームは、冬の厳しい十和田市で温かな光が降り注ぐ空間となり、本を読むこと以外にも市民たちが集うコミュニケーションの場にもなっている。また、敷地内に樹齢100年の桜の木が2本あり、桜の季節には美しい桜を建物内から眺めることができる。

十和田市民図書館

住所/青森県十和田市西十三番町2-18
公式サイト


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5

十和田市地域交流センター(とわふる)/十和田市

十和田市地域交流センター(とわふる) 青森建築
@小山田邦哉

建築家の藤本壮介が設計し2022年にオープンした「十和田市地域交流センター(通称とわふる)」は「アートのまちのリビング」がコンセプト。作品の展覧会や講演会、音楽活動、舞踊などに利用されている。西沢立衛が手掛けた「十和田市現代美術館」や隈研吾設計の「市民交流プラザ」、安藤忠雄設計の「十和田市民図書館」などのエリアにある。外観にはアーティストの鈴木ヒラクによる「光と遊ぶ石たち」が描かれている。縄文の環状列石をモチーフとした壁画作品で、星の軌道や星座、日時計などを想起させる線が石と石をつないでいる。

十和田市地域交流センター(とわふる) 青森建築
@小山田邦哉

この建築の見どころは、建物半分ほどの大きさのある真っ白な外壁に囲われた中庭。開口部は外の通りの風景を切り取るように開かれ、噴水もあるので庭として使われたり、イベントなどと多用途に使われている。建物内はロビーと多目的室、大中小のギャラリーなどがある。ガラス張りのロビーからは中庭や通りを感じられ、街との連続性を感じられる空間になっている。







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十和田市地域交流センター(とわふる) 青森建築
@小山田邦哉

施設内にはカフェbloomも併設しており、街歩きの休憩スポットとしてもおすすめだ。

十和田市地域交流センター(とわふる)

住所/青森県十和田市稲生町16番1号
公式サイト








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ねぶたの家 ワ・ラッセ/青森市

ねぶたの家 ワラッセ 青森建築 

青森市に2011年にオープンした「ねぶたの家 ワ・ラッセ」は、青森ねぶた祭の文化や歴史を体感できる施設。祭りでねぶたの運行を盛り上げる「ラッセラー」のかけ声がその名前の由来だ。

設計はオランダ人建築家のフランク・ラ・リヴィエレ、日本の事務所​​d/dt、カナダの事務所モロ・デザインによる共同設計。青森周辺にあるブナの原生林をイメージしてつくられた、建物を取り巻く幅30cm、高さ12mの鋼板によるリボン状の赤いルーバーが特徴だ。この超長尺のスチール板でできたルーバーは、内部から見える光の量を調整するとともに雪から建物を守る役割も。スチール板はところどころ湾曲してねじりが加えられており、エントランスはのれんをくぐるような意匠だ。

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ねぶたの家 ワラッセ 青森建築 

内部は黒い空間で統一され、大空間にある原寸大ねぶたが美しく映える。

ねぶたの家 ワ・ラッセ
住所/青森県青森市安方1丁目1-1
公式サイト








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八戸市美術館/八戸市

八戸市美術館 青森建築 

Photo : ©Daici Ano

八戸市に2021年に新築としてリニューアルオープンした「八戸市美術館」は、西澤徹夫・浅子佳英・森純平の設計によるもの。周辺には「八戸市公会堂」などの文化・観光施設が集中している場所で、建物周辺の外部スペースには休日にキッチンカーが集まるなど、街全体のにぎわいも意識し設計されている。

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