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【建築】さらに進化する、世界の緑のプロジェクト最前線

世界各国でますます広がる、緑を生かした建築プロジェクト。近年に完成した事例をピックアップ。

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エルデコ 8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 公園 パブリックスペース

住宅のみならず、近年は世界的に都市の緑化が重要視されている。ここ数年でオープンした、緑あふれる注目のプロジェクトは?

「エル・デコ」2024年8月号より

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Tanatap Matraman/ジャカルタ・インドネシア

エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 カフェ tanatap matraman タナタップ マトラマン
MARIO WIBOWO

インドネシアの設計事務所、RAD+ar(ラダー)が設計したジャカルタのカフェ。手前の公園と一体化し、シルバーの額縁に人々が収まっているような不思議な建物が特徴だ。

1階はカウンタ-やテーブル席があり、階段を上ると写真の半屋外の空間へとつながる。傾斜がついているので、高い位置から見下ろすようにして、公園の緑を眺めることができる。屋内にも植栽をたくさん配置し、内と外の境界をあいまいにした。

<写真>公園と一体化するファサードのない建築を追求して、このフレームのような構造に。密集した住宅地のそばに位置するが開放的。

緑 建築
MARIO WIBOWO

インドネシアでは、公共公園の整備がいまだ十分でなく、公園をもっと活用しようとこのプランが生まれた。展示やライブ、イベントなども開催され、人気を博している。

<写真>2階の半屋外空間の中央にはガラス窓が設置され、ここから光が1階の室内に取り込まれるように設計。

Tanatap Matraman
住所/Jl. Taman Matraman Timur No.11-11A, RT.8/RW.4,Pegangsaan, Kec. Menteng, Kota Jakarta Pusat,Daerah Khusus Ibukota Jakarta 10320

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2

ケンペゴウダ国際空港 第2ターミナル/ベンガルール・インド

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 kempegowda international airport ケンペゴウダ国際空港
AR. EKANSH GOEL © STUDIO RECALL

インドのIT都市、ベンガルールの国際空港「ケンペゴウダ国際空港」の第2ターミナルが2023年に開業した。設計はアメリカの設計事務所SOMが手掛けた。

庭園の中のターミナルをテーマに、至るところが地元の植物で彩られ、空港のあるカルナータカ州の自然風景を連想させる岩や滝がつくられた。竹を格子状に張り巡らせた天井からは、柔らかい光が差し込み、植物の緑が輝くオアシスのような空港に。豊富な植栽には雨水を再利用した灌漑システムを採用するなど、持続可能性にも配慮して設計されている。

<写真>つるした植物のかご、柱のカバーリングなどに竹を多用。屋内の滝は視覚的にも体感的にも、暑さを和らげる役割を果たす。

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 kempegowda international airport ケンペゴウダ国際空港
AR. EKANSH GOEL © STUDIO RECALL

既存の空港建築とは全く異なるデザインアプローチで、利用者の増加が期待されている。

<写真>第2ターミナルの外観。ターミナルの屋根はこの規模の空港では最も軽く、インド産の資材だけでつくられた。

Kempegowda International Airport Bengaluru – Terminal 2
住所/KIAL Rd, Devanahalli, Bengaluru Karnataka 560300

公式サイト



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3

The Opera Park/コペンハーゲン・デンマーク

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 公園 パブリックスペース the opera park オペラパーク
Francisco Tirado

2023年、コペンハーゲンの内港に完成した「オペラパーク」は、6つの庭園と温室を擁する、緑豊かな都市公園。デンマークの建築事務所、Cobe(コーベ)が設計を手掛けた。

長い間、ただ芝生が広がったままだった島は8万株の植物と600本以上の木が植えられ、都会のオアシスへと変化。さらに厳しい冬でも市民が植物を感じられるようにと、カフェを併設する温室がつくられ、一年を通して豊かな緑を楽しむことができる。

<写真>有機的なデザインの草屋根が特徴。まるく切り抜かれた天窓から、建物内に光が取り込まれる。この建物から地下の駐車場にアクセスできる。

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 公園 パブリックスペース the opera park オペラパーク
Francisco Tirado

都市開発が進むのと同時に、植物のある空間が減少したコペンハーゲンにとっては待望の施設。人のためだけでなく、鳥や虫にすみかや食物を提供するという役割も果たす。

<写真>園内の中央にある温室とカフェ。温室には柑橘類などの地中海地域の植物が植えられている。

The Opera Park
住所/Ekvipagemestervej 18, DK-1438 Copenhagen K

公式サイト

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4

The Leaf/ウィニペグ・カナダ

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 公園 the leaf ザ・リーフ
EMA PETER PHOTOGRAPHY

カナダ・マニトバ州の都市ウィニペグにある、広大な「アッシナボイン・パーク」。2022年、この敷地内に世界中の植物を観賞できる施設「ザ・リーフ」がオープン。設計はカナダのKPMBアーキテクツアーキテクチャ49が共同で担当した。

<写真>温室の屋根は咲き誇る花を連想させる、細い曲線でデザイン。建物の側面をガラス張りにし、屋外の緑も眺められるようにした。

エルデコ8月号 エルデコ8月号 グリーンプロジェクト green project 緑化 公園 the leaf ザ・リーフ
RICHARD SECK

らせん状の屋根が特徴的な温室内には、400種以上の植物と、カナダ国内で最も高い屋内の人工滝を設置。温室の外には先住民、食用植物など6つのテーマの庭園が広がる。施設での体験を通して、自然の生態系への理解と愛情を育むことを目的とした施設。さらに、冬は極寒のウィニペグにおいて、年間を通して植物と触れ合える貴重な場所でもある。

<写真>天井にはETFEという透明度が高く、軽い素材を使用。日光を必要とする植物に最適な素材だ。

The Leaf
住所/145 The Leaf Wy., Winnipeg, MB R3P 2N6

公式サイト

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『エル・デコ』2024年8月号

エルデコ 8月号
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