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マリー・アントワネットの隠れ家が一般公開中

革命直前、王妃が愛した隠れ家での優雅な日常とは?

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Chateau de Versailles/S. Giles

誰もが知るフランスの歴史上の人物、マリー・アントワネット。2024年パリオリンピックの開会式でも、彼女をイメージしたと思われる首をもつ王妃の演出は、その過激さも相まって大きな話題を集めた。もしフランスを訪れる予定があるなら、ヴェルサイユ宮殿への日帰り旅行を計画してみてはいかがだろうか? なぜなら7年間にわたる大規模な修復工事を終え、再オープンしたマリー・アントワネットの私室が一般公開されているからだ。あなたも歴史的なこの部屋を実際に訪れて、華麗な王妃のプライベートな空間を体感できる。US版「タウン&カントリー」より。

マリー・アントワネット 私室  部屋 実際の部屋 私室 ベルサイユ宮殿 ベルばら
Chateau de Versailles/T. Garnier

マリー・アントワネットが1774年に王妃として王宮に移り住んだとき、彼女は前任者たちと同じく、王妃の「ステート・アパート」という特別な部屋に住むことになった。そしてこの部屋では、彼女は以前の妃たちと同じように、厳格な宮廷のルールや決まったスケジュールに従って生活することが求められていたのだ。

ルイ16世は、彼女に「プチ・トリアノン」という小さな宮殿をプレゼントし、そこで自由に過ごせるようにした。マリー・アントワネットは、このプチ・トリアノンで美しい庭園を作ったり、小さな村のような場所を作って楽しんだりして、宮廷の束縛から解放される時間を過ごした。しかし、ヴェルサイユ宮殿の中、つまり王妃の「ステート・アパート」には、そんな自由に使える場所はなかった。

<写真>メリディアン・ルームは、マリー・アントワネットとルイ16世の最初の息子誕生を記念して作られた。

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Chateau de Versailles/T. Garnier

マリー・アントワネットは、自分だけの特別な部屋を作ることにした。王の建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルの苛立ちにもかかわらず、彼女は寝室の秘密の扉からしか入れない、誰にも邪魔されない静かな部屋をたくさん作った。これらの部屋で、マリー・アントワネットは女王としての義務から解放され、彼女の親しい仲間たちと遊んだり、子供たちと楽しく過ごしたりしたのだ。

<写真>ファミリールーム。





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Chateau de Versailles/T. Garnier

研究者、キュレーター、およびアーカイブ担当者は、昔の図面や歴史文書、さらにはソファや椅子の下で見つかった布切れまでありとあらゆるものを調べて、マリー・アントワネットの部屋を再現した。

各部屋はそれぞれ特定のテーマに基づいて作られており、例えば、「メリディエン・ルーム」という部屋は、夫婦の最初の息子の誕生を祝うために設計され、現在では、マリー・アントワネットが使っていたライラック色の布をそっくりそのまま使って飾られている。他にも、本がたくさんある図書館や、古代エジプトが好きだったマリー・アントワネットが作った「ゴールド・ルーム」などがある。階上には、彼女と彼女の侍女や召し使いのための部屋があり、「トワルドジュイ」の生地で装飾されている。

マリー・アントワネットは、いつもインテリアデザインに情熱を注いでおり、1788年まで愛する秘密の空間を改装し続けていた。1年後の女性たちのヴェルサイユ宮殿への行進で革命家たちが宮殿を襲撃したとき、これらの部屋は一時的にせよ隠れ場所として役立つことになった。

<写真>ビリヤードルームの一角。


original text : Leena Kim

>>US版『Town&Country』のオリジナル記事はこちら

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