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タクシーで隈研吾建築を巡る!ガイド付きツアー徹底紹介

『エル・デコ』編集部員が「隈研吾 建築ツアー in Tokyo」に参加! そのレポートをお届け。

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隈研吾タクシーツアー
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「隈研吾 建築ツアー in Tokyo」は、日本交通が提案する「東京観光タクシー」の一つで、 2020年からスタートした期間限定のサービス。2021年10月1日から、「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」がルートに追加されたことで、改めて注目を集めている。今回、『エル・デコ』編集部員AKARIが実際にツアーに参加し、そのレポートをお届け!

隈研吾 建築ツアー
Koji Tsuchiya

「隈研吾 建築ツアー in Tokyo」最大の魅力は、ドライバーによる隈研吾建築についてのガイド。隈研吾氏ならびに隈研吾建築都市設計事務所から直接レクチャーを受けたドライバーが案内をしてくれるので、このツアーでしか知ることのできない見どころやエピソードを聞くことができる。

出発地点は、東京23区内・武蔵野市・三鷹市内であればどこからでもOK。自宅や最寄の駅まで迎えに来てくれるのは嬉しいポイント。今回はドライバーの神成さんによるガイドを聞きながら各所を回っていく。それでは、ツアースタート!




スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京

スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
Koji Tsuchiya

木で作られた軒が重なり、五重塔のようなファサードが特徴的な「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」。

吊り下げられた植栽について、どのようにして水をあげているのか聞くと、「水は雨樋の原理で上から降りてくる仕組みです」と教えてくれた。

「隈氏曰く、このプラントボックスはファサードの主役としてデザインされており、その意味で、同じく雨樋をファサードの主役とした桂離宮をはじめとする日本の伝統建築にもつながる試みだそう」と神成さん。

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スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
Koji Tsuchiya

内装設計はスターバックスのデザインスタジオ。

店内へ入ると、まず目に入るのがこの大きな機械。「こちらはキャスクと呼ばれる高さ17mのコーヒー豆の貯蔵庫です。天井に施された幾何学的な模様は、折り紙がモチーフになっています」と、各所に施された様々なこだわりを説明してもらった。

パイプから聞こえるコーヒー豆の音とともに機械や人々の動きが同時多発的に繰り広げられ、まるで工場見学に来たような気分が味わえる。

隈研吾 建築ツアー
Koji Tsuchiya

2階に上がると、キャスクをよりダイナミックに感じることが出来る。

「表面の凹凸や、吊り下げられた銅製の桜は職人の手作業によって仕上げられています」

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スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
Koji Tsuchiya

テラスへ出ると、目黒川と桜並木を見下ろすことができる。ツアーの途中でコーヒーを楽しむことも可能。

店員さんにおすすめされて「クラフトキャラメル ラテ」をいただく。使用されているキャラメルソースは、コーヒーに合わせるために一から開発されたそう。取り扱っている店舗が限られている特別なドリンクなので、ぜひここに来たときは注文してみて。


スターバックス リザーブ ロースタリー
東京都目黒区青葉台2丁目19-23
tel. 03-6417-0202
公式HP

※「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」を含むコースは、2022年3月18日(金)までの期間限定運行
※降車し館内を見る際、ドライバーは車内で待機する場合があります。

瑞聖寺庫裡

瑞聖寺庫裡
Koji Tsuchiya

次に訪れたのは、2017年に聖寺創建350年記念事業として建替え工事が行われ、隈研吾氏によって生まれ変わった「瑞聖寺庫裡」。

庫裡とは、住職や家族の居住する建物のこと。大雄宝殿から流れるようなコの字型に配置されている。








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瑞聖寺庫裡
Koji Tsuchiya

「隈氏は『屋根の梁と外壁の木製ルーバーとが共鳴し、黄檗宗に相応しい幾何学的なリズムを奏でている』という言葉で表現していました」と一緒に建物を見ながら教えてくれた。そのほか、住職が隈氏に伝えた再建に対する思いなども聞くことができた。

瑞聖禅寺
東京都港区白金台3丁目2-19 紫雲山瑞聖禅寺
tel.03-3443-5525
公式HP





国立競技場

国立競技場
Getty Images

隈研吾建築が多く建つ南青山方面へ。
その途中で、神成さんから「今は工事中だから立ち寄ることは難しいけれど、国立競技場をぐるっと一周してみましょう」と提案が。

「外周の軒庇は47都道府県から調達した⽊材を使⽤し、⽅位に応じて配置されています。さらに季節に応じて吹く風を想定し、縦格子の間隔もそれぞれ調整されています」というガイドを聞きながら、実際にその様子を確かめることができた。

国立競技場などの大きな建築物の全体を見て回ることができるのは、タクシーツアーならではのメリット。

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根津美術館

根津美術館
Koji Tsuchiya

両側に連なる竹が特徴的な「根津美術館」のアプローチ。

「隈氏は、コンクリートの箱として閉じたミュージアムではなく、大きなガラスの開口によって庭と一体化した展示空間をつくり、庭と建築とアート作品とがひとつに融合した状態をつくり出そうと考えたそうです」

根津美術館
Koji Tsuchiya

ガラスからのぞく鮮やかな緑と全体に差し込む光が美しいエントランスホール。この緑を背景に中国の仏像などが配置されている。

庭園に出ると、同じく隈研吾氏が手がけた「NEZUCAFÉ」が見えてくる。天井には木々の影が映り込み、三方がガラス張りのため、緑に囲まれながら過ごすことができる。

根津美術館
東京都港区南青山6丁目5-1
tel.03-3400-2536
公式HP

※「NEZUCAFÉ」は当面の間、食事の提供を休止中。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
※入館の間、ドライバーは車内で待機しています。

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サニーヒルズ南青山

隈研吾 建築ツアー
Koji Tsuchiya

住宅街にひときわ存在感をあらわす「サニーヒルズ南青山」。「サニーヒルズ」は台湾発のパイナップルケーキブランド。

「“地獄組み”という釘や金具を使わない日本の伝統木造技法を現代化し設計されたそうです。斜めに組み上げられているため垂直荷重に強く、強度のある構造体としての機能を果たしています」と説明を受けながら店内へ。

サニーヒルズ南青山
Koji Tsuchiya

2階に上がり、購入したものを台湾茶と共におもてなしを受けることができるスペースへ。

“都市の中に森をつくる”という建築コンセプトのもと、木漏れ日の差す森の中にいるようなゆったりとした時間を過ごすことができる空間になっているという。

新型コロナウイルスの影響で2階での営業を休止していたが、10月18日から再開した。

※新型コロナウイルスの感染拡大状況や情勢をふまえ、今後も予告なく休止となる可能性があります。

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サニーヒルズ南青山
Koji Tsuchiya

ここでは、“地獄組み”を模したボックスに、隈研吾氏のスケッチが描かれたミニバッグがセットになっている限定のパッケージが販売されている。

「このツアーのお土産として購入する参加者も多いですよ」と神成さん。

南青山限定セット

¥1,800

サニーヒルズ南青山
Koji Tsuchiya

最後に、店舗スタッフから「屋上に登ってみませんか?」と嬉しい提案が。このツアーの参加者は、特別に普段は立ち入ることのできない屋上に登ることができる。上から“地獄組み”の層を覗くことができるのはとても貴重な機会なので、ぜひ立ち寄ってみて。

※小さなお子さんが同行する場合やお店の混雑状況により、屋上に登ることが出来ない場合があります。

サニーヒルズ南青山
東京都港区南青山3丁目10-20
tel. 03-3408-7778
公式HP

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梅窓院

梅窓院
梅窓院

2003年に隈研吾氏による設計で、高さ5階、地下2階の本堂が再建された「梅窓院」へ。

伝統ある仏教寺院でありながら、寺院のイメージと離れたこの建築は、都市に馴染み多くの人の心を癒す場所となっている。









梅窓院
梅窓院

ガイドでは、梅窓院と隣接している隈研吾建築都市設計事務所との関係性についても言及があり、隈氏の人となりを表すエピソードも知ることができる。

梅窓院
東京都港区南青山2-26-38
tel.03-3404-8447
公式HP







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明治神宮ミュージアム

明治神宮ミュージアム
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鎮座百年祭記念事業の一環として2019年に開館した「明治神宮ミュージアム」へ。このツアーでは、普段車では入ることの出来ないミュージアムのすぐ近くまでタクシーで行くことができる。

「和風の鉄骨屋根では普通、垂木を“木”であるかのように見せるが、隈氏の建築では先端を尖らせ鉄のシャープさを強調する事で軒先を薄くしています。その様はまるで葉を支える葉脈のようです」と神成さん。





明治神宮ミュージアム
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「現地に来なければ感じられない、森と融け、森に消えていく様な透明なミュージアムです。その屋根や壁の色、木漏れ日の反射、木立のリズムとの共振を感じてみてください」と、このミュージアムの見どころを教えてくれた。

明治神宮ミュージアム
東京都渋谷区代々木神園町1-1
tel.03-3379-5875
公式HP






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ツアーを終えて

takanawa gateway station
Getty Images Ryosei Watanabe

このほか、「高輪ゲートウェイ駅」や「ONE表参道」など都内には数多くの隈研吾建築が存在する。ツアー中は時間の制限があるので全ての建築をじっくり見ることは難しい。興味や目的によって、ドライバーと相談しながらルートや立ち寄る場所を決めることができるので、ぜひこの記事を参考にして。

ツアーに参加して思ったことは、実際に足を運び、建築を体験することの素晴らしさ。写真や映像では感じることのできないスケール感や洗練されたディテール、材料の質感や季節によって変わる背景を堪能することができた。

次々と隈研吾建築を巡ることで、共通する仕上げや時代によるデザインの変化を見比べることができたのも、一日でギュッとまとめて回ることができるタクシーツアーならではのポイント。

今回教えてもらったことを振り返りながら、展覧会や庭園の散歩、夜のライトアップなどを後日ゆっくり見て回りたいと思う。

one omotesando
Getty Images

紹介した内容はこのツアーで知ることができるうちのほんの一部。ぜひ参加して、知識を深めるとともに、これまでとは違った視点で東京を楽しんで。

バスツアーよりも気軽に、徒歩よりも快適に、電車よりもゆっくりとできるのが観光タクシーの良いところ。

日本交通が提案する「観光タクシー」では、東京観光の専門資格を持ち、ツアーごとに、前職の経験や趣味などの得意分野によって選ばれた特別なドライバーが集結。冬はイルミネーション、春はお花見など季節の風物詩を楽しめるものから、富士山まで日帰りで行けるものまで、様々なコースが用意されている。休日の過ごし方の一つに「観光タクシー」を取り入れてみてはいかが?

「隈研吾 建築ツアー in Tokyo」

半日コース(1台/最大6名まで)3時間30分
¥21,110〜
詳細はこちら

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