記事に移動
駅 建築
Hearst Owned

【2025年版】旅の目的地になる、名建築家が手掛けた国内の美しい駅

その目で見たい! 注目の道の駅と鉄道駅20選。

By

建築好きにとっては旅の目的地にもなる、著名建築家が手掛けた国内の駅。歴史ある名駅から、竣工して程ない最旬スポットまで、注目の道の駅も加えた訪れるべき20の駅をご紹介。

1

渋谷駅/安藤忠雄

渋谷駅

安藤忠雄が手掛けた駅として広く知られている東急東横線の「渋谷駅」。地中に約100mの卵形のシェルが埋め込まれたこの近未来的な空間は、「地宙船」をイメージしてデザインされたという。






渋谷駅

大きな吹き抜けは、複数の改装と様々な路線が入り混じる複雑な渋谷駅のなかで、自分の位置をわかるようにするため。大きな穴の中を覗くと下に電車が通り抜けていく...というのは、なかなか他では見られない風景だ。この吹き抜けは空気が流れる通路として、自然換気システムとしての機能も持ち合わせている。






ADの後に記事が続きます
2

東京駅/辰野金吾

東京駅

日本の近代建築のパイオニアである辰野金吾氏が建築し、1914年に誕生した東京駅。赤レンガの駅舎は国の重要文化財にも指定されている。戦災によって一部が失われていたが、2012年には全面復元が行われ、東京駅のシンボルにもなっている南北のドームをはじめとした往年の姿を楽しめるようになった。創建当時の構造れんがを残した場所や、駅舎に関するギャラリーも設けられているので、訪れる際はぜひその歴史に触れてみよう。



3

高輪ゲートウェイ駅/隈研吾(※デザインアーキテクト)

高輪ゲートウェイ駅
© Kengo Kuma & Associates

東京オリンピックへ向けて、JR東日本が隈研吾氏をデザインアーキテクトに迎えて、2020年3月に開業した山手線の新駅、高輪ゲートウェイ駅。日本の折り紙をモチーフにした大屋根に、障子を連想させるやわらかな光と木を感じられる駅舎内など、和の伝統を生かした設計が特徴だ。温かみのある照明は、照明デザイナーの面出 薫(めんで かおる)氏によるデザイン。

ADの後に記事が続きます
4

浅草駅/久野節

浅草駅

東武鉄道の「浅草駅」は、関東初の百貨店併設駅として1931年に開業。アーチ状の窓や大きな時計台など、ネオ・ルネサンス様式を用いた意匠が特徴で、鉄道省の初代建築課長を務めた建築家の久野節が設計を手掛けた。戦災などの影響でしばらくは外観がアルミルーバーで覆われていたが、2012年には耐震改修および内外装改修工事が行われ、創建時の姿を取り戻した。


浅草駅

2023年には「スペーシア X」の運行開始に合わせて、浅草駅における発車番線となる5番ホームやインフォメーションカウンターがリニューアル。栃木県産の大谷石・芦野石や木目調の装飾をあしらうことで、東武日光駅との繋がりをデザインに反映させている。







ADの後に記事が続きます
5

高尾山口駅/隈研吾

高尾山口駅

>ミシュラン観光ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で3つ星評価を獲得した高尾山の最寄り駅であり、国内外からの観光客でにぎわう高尾山口駅。2015年春に隈研吾氏のデザインでリニューアルされた駅舎は、東京都指定天然記念物である「高尾山のスギ並木」にちなみ、内外装に杉材を用いた空間が特徴的。

高尾山薬王院をイメージした大屋根や、高尾山の行灯からヒントを得た照明器具が並ぶ駅のホームなど、高尾山の雄大な自然を彷彿させる。

6

元町・中華街駅/伊東豊雄

元町・中華街駅

横浜駅から元町・中華街駅をつなぐ、2004年に開通したみなとみらい線。駅ごとに異なる建築家が携わっており、新高島駅は山下昌彦氏、みなとみらい線は早川邦彦氏、馬車道駅は内藤廣氏、そして終点である元町・中華街駅は伊東豊雄氏がデザインを担当した。
 
元町・中華街駅の周辺には横浜開港の歴史を感じられるスポットが多くあることにちなみ、同駅の壁面は横浜開港資料館が所蔵する開港当時の風景をタイルに焼き付けて取り入れた。当時の様子を眺めながら知ることが出来、ガイドブックのような役割を果たす「本の駅」をデザインコンセプトにしている。

ADの後に記事が続きます
7

馬車道駅/内藤廣

馬車道駅

多様な側面を持つ横浜の土地性を空間に反映した、みなとみらい線の駅舎は他にも。観光地として賑わうみなとみらい地区、レトロな近代建築が立ち並ぶ関内エリアの中間に建つ「馬車道駅」は、内藤廣による設計。地下へと足を踏み入れ、改札へと進むと大迫力のドーム空間が広がる。駅の壁面には、手作業で積み上げられた大正以前の古レンガのほか、横浜銀行旧本店の金庫扉などが埋め込まれており、馬車道の歴史も感じることができる。

馬車道駅

歴史を感じられる要素と混ざり合うように存在するのが、近未来的な天井のライティングや空調システムと中央で存在感を放つアクリルのチェア。「馬車道駅」は、過去と未来を融合させた空間デザインが見られる貴重な駅だ。








ADの後に記事が続きます
8

足柄駅/隈研吾

足柄駅

静岡県小山町に位置するJR御殿場線「足柄駅」は、2020年に「足柄駅交流センター」を併設する形でリニューアルした。設計を手掛けたのは隈研吾。富士山ー金時材をふんだんに使用した大きな屋根は富士山に向かって反り上がっており、風景とリンクしたデザインとなっている。





足柄駅

ガラス張りの2階には、富士山を目の前に望む大階段状の多目的空間が。ここは休憩所としてだけでなく、展示や地域の情報センターとしてなど、交流場所としての役割を果たしている。

ADの後に記事が続きます
9

上州富岡駅/武井誠+鍋島千恵/TNA

上州富岡駅
(C)DAICI ANO

世界遺産の「富岡製糸場」の最寄駅として多くの観光客を迎え入れる「上州富岡駅」。現在の駅舎は、コンペによって選出された武井誠+鍋島千恵/TNAによってデザインされ2014年に完成した。竣工年にはブルネル賞を、翌年には日本建築学会賞、グッドデザイン賞などを受賞している







上州富岡駅
(C)DAICI ANO

ホームに沿うようにすらりと伸びる約90mの軽やかな建築は、ほとんど壁面を持たず開放的だ。大屋根を支える構造は、「富岡製糸場」の『木骨煉瓦積造』の最先端の構造を追求する気概を継承した、鉄骨と煉瓦が組み合わされた『鉄骨煉瓦積造』になっており、ところによりベンチのようにして座ることができる。また、中央部分にはオープンスペースがあり、市民が利用できる自由度の高い空間となっている。

【群馬】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築

ADの後に記事が続きます
10

宝積寺駅/隈研吾

宝積寺駅
JR東日本提供

栃木県塩谷郡に位置する「宝積寺駅」は、東北本線と烏山線の分岐駅。2008年のリニューアル時に「木の天井とガラスの大きな開口部を持つ、人に優しく明るい駅舎」をコンセプトに、隈研吾とJR東日本建築設計がつくりあげた。新たに設けた東口駅側には、同じく隈研吾が手掛けた「ちょっ蔵広場」という石積みの公共施設があり、駅と広場の連続性がデザインに落とし込まれた。

宝積寺駅
JR東日本提供

トンネルのような階段と橋上化した駅舎の天井には木製合板が幾何学的に組まれており、唯一無二の存在感を放っている。









ADの後に記事が続きます
11

日立駅/妹島和世

日立駅

思わず長居をしたくなるほど、大きなガラススクリーン越しに美しく広がる海景を臨む常磐線日立駅。「開放的で透明な空間」をデザインコンセプトに、日立市出身の建築家・妹島和世氏がデザインを監修した。
 
2012年グッドデザイン賞をはじめ、国内外で数々の建築やデザイン賞を受賞。観光スポットとしても親しまれており、駅舎内には空に浮かぶような造りのレストランも設けられている。

12

旭川駅/内藤廣

旭川駅
JR北海道提供

宗谷線の起点、富良野線の終点であり、多くの特急が停車する北海道のターミナル駅である「旭川駅」は内藤廣による設計だ。冬季には積雪も厳しい旭川。利用者が暖かく過ごせるよう、17本の鉄骨トラス柱を用いて屋根全体を覆う建築とし、壁面にはガラスを多用することで冬季の日射を確保すると共にボリューム感を抑え、内部からは忠別川とその先にある大雪山・十勝岳連峰の美しい風景を見ることができるようにしている。



ADの後に記事が続きます
旭川駅
JR北海道提供

駅構内は北海道のタモ材に包まれた暖かな印象の空間。「旭川家具」のテーブルやチェアなどが点在しており、気軽にその使い心地を体験できる。










13

女川駅/坂 茂

女川駅

東日本大震災からの復興のシンボルとして、復興計画の中でもいち早く取り組まれたJR女川駅新駅舎のプロジェクト。2015年3月に完成した新駅舎は、羽根をひろげるウミネコをイメージしたという屋根が印象的。3階建ての駅舎は、町営の温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」や、女川湾を一望する展望フロア、ギャラリーなどを有している。

再生可能な建材を使った構法に取り組む坂 茂氏ならではの、紙管を用いたベンチや天井、画家の千住 博氏によるタイルアートを眺めながら入浴できる浴室、デザイナーの水戸岡鋭治氏がディレクションを行った休憩所のタイルアートなど、見どころがたくさん!

Page was generated in 7.4474999904633