ミシュラン1つ星のイノベーティブタイ料理「80/20(エイティ・トゥエンティ)」や、タイのストリートフードをモダンに昇華した予約困難店「サムロー(Samlor)」など次々と注目レストランを立ち上げ、フーディーたちの心をつかんでやまないタイ人シェフ・ジョーことナポール・ジャントラゲット(Napol' Joe' Jantraget)さんと、日本人パティシエ・サキこと星野早紀さん夫婦。

2023年には「ナワ(Nawa)」をオープンするなりミシュラン1つ星を獲得、2024年には炭火料理「クワン(Kwann)」開業と話題に事欠かない2人が、今年またもや2つの新店を誕生させた。ウィットに富んだアイデアでタイの魅力を発信する最強バディの新たな挑戦とは?

※฿1=約¥4.55(2025年8月時点)

>>タイ・バンコクの話題沸騰エリア! ソンワット周辺のおしゃれなグルメ&カルチャースポット8

>> バンコクのルーフトップバー新名所「サンクチュアリ」大人のナイトアウト

>>創業国タイに凱旋オープン。「アマン ナイラート バンコク」の見どころ6

Verlan Bangkok
ヴェルラン・バンコク

バンコク観光おすすめ人気グルメ verlan ヴェルラン

バンコク発、新感覚のネオ・ビストロ体験

バンコクの注目グルメエリア、スクンビット・ソイ26に2025年1月オープンした「ヴェルラン」は、今、バンコクのフーディーたちの間で話題沸騰中のネオ・ビストロ。「タイらしさを味わえる旬食材に、フレンチのエッセンスを加えたビストロ料理です」とジョーさん。ユニークな発想と美意識で伝統的なメニューを再構築する“遊び心ある再解釈”がこの店の真骨頂だ。

店名の「Verlan」はフランス語のスラングで、“単語の音を逆さにする遊び言葉”を意味するもの。その名の通り、料理も空間もどこか“裏返された感性”で新しさを感じさせてくれる。築80年以上の伝統家屋をモダンにリノベーションした店内は、昼は柔らかな自然光が差し込み、夜は大人の社交場としての顔を見せる魅惑的な空間。

バンコク観光おすすめ人気グルメ verlan ヴェルラン
クリーミーで旨味が高い希少な無添加熟成N25キャビアは、海藻マドレーヌやココナッツクリームといったタイ食材との合わせ技で。キャビアセット(Caviar Set)฿2,400。
バンコク観光おすすめ人気グルメ verlan ヴェルラン
シュリンプカクテル(Verlan’s Shrimp Cocktail)฿450はぜひオーダーしたい一品。

発想力に驚かされる料理はアラカルトで楽しめ、フランスのナチュラルワインも豊富にそろう。シグネチャー料理のひとつ「ヴェルランズ シュリンプカクテル」は、クラシカルなメニューを、ワサビとナンプラーのきいた海藻ソースで大胆にアレンジ! ひと口で、アジアとヨーロッパのフュージョンを実感できる洗練の味わい。

バンコク観光おすすめ人気グルメ verlan ヴェルラン
タイ産チーズと相性抜群の鶏レバーのテリーヌ(Chiken Liver Terrine)฿480は最高のワインのおとも。自家製ブリオッシュと。
バンコク観光おすすめ人気グルメ verlan ヴェルラン
香り×食感×旨味が見事で多くの美食家を唸らせるローストダック(Roasted Duck Breast)฿880。

そしてもう一つ、マストで注文したいのは「ローストダック」。タイのブランデーを毎日吹きかけながら14日間熟成させた鴨胸肉はリュウガンの木で燻されスモーキーで、絶妙な火入れによりはっとするほどジューシー。南タイの柑橘類を使いほどよい酸味のあるソースと合わせた逸品は、重層的な旨味と美しいプレゼンテーションで多くの食通を魅了している。食後の締めには、サキさんが監修するデザートもお忘れなく。

Verlan Bangkok
ヴェルラン・バンコク

76 Sukhumvit 26, Khlong Tan, Khlong Toei, Bangkok
TEL.+66-93-324-6665
営業時間/ランチ11:30~14:30(土・日曜のみ)、ディナー18:00~0:00
無休
Instagram

Google Map

Sàat Bangkok
サート・バンコク

バンコク観光おすすめ人気グルメ saat bangkok

伝統菓子と遊び心が交わるスイーツダイニング

2025年4月、サキさんによる初のスイーツダイニング「サート・バンコク」がオープン。今、バンコクきってのおしゃれエリアとして注目が集まるソンワット通りから歩いて10分ほどの場所に位置し、倉庫をリノベーションしたスペースに木のぬくもりを感じる洗練空間が広がる。建築デザインは「サムロー」も手がけたナート(Nart)さんとのタッグによるもので、店名は二人の名前をつなげた造語だそう。

「メニューは全て、タイで古くから親しまれてきた伝統料理やお菓子がインスピレーション源になっています」とサキさん。日本人ならではの繊細さとモダンな感性をかけ合わせてアップデートされたスイーツは、味の魅力はもちろん、タイの食文化に触れる楽しさも兼ね備えている。

特筆すべきはココナッツへのこだわり。「いろいろ試したけどタイのものが濃厚で香りもよくていちばん!」というサキさんの思いを反映して、スイーツのメニューには全てココナッツが使われている。

バンコク観光おすすめ人気グルメ saat
いちばん人気のスイーツ、フラッフィーパンケーキ&ココナッツシュガーアイスクリーム(Fluffy Pancake & Coconut Sugar Ice Cream)฿280。

なかでも人気なのが「フラッフィーパンケーキ&ココナッツシュガーアイスクリーム」。着想源は“カノムトーキョー”という、薄いパンケーキでカスタードなどを巻いた日本インスパイアのタイの伝統的なストリートスナックだ。ふわふわの生地に包まれるのは、希少でなかなか手に入らないホワイトクラウドココナッツという、若い実の内部にある厚くて柔らかい果肉で、もっちりとした食感に舌が躍る。博士が育てたものから仕入れているというほどのこだわりぶりで、奥深きココナッツの世界を堪能できる。

バンコク観光おすすめ人気グルメ saat
ココナッツミルクともち米を混ぜた生地でココナッツ餡を包み、バナナの葉で巻いて蒸した伝統菓子“カノムサイサイ”に着想を得たココナッツリビリエ(Coconut Riverie)฿360。


バンコク観光おすすめ人気グルメ saat
パンシップ(Pansib)฿280は、魚のすり身などを包んだ一口サイズの揚げ菓子から発想。

ほかにも、ホワイトクラウドココナッツをココナッツゼリーとムース、牛皮で包み、さらにサブレを敷いた「ココナッツリビリエ」は、バナナの葉で香りづけされ、重層的な食感のハーモニーが至福。大きな魚の形に進化させた伝統菓子「パンシップ」は見た目にも楽しく、フィッシュフロスやカピ(エビの発酵ペースト)をパイ生地で包みもとの味を再現したものと、 ココナッツフィリングのスイーツの2種で満足感ある食べ応え。

ちなみにセイボリーも充実。“カノムトーキョー”でよくあるソーセージをハンバーグにアップデートしたものや、タイの唐辛子ペーストの揚げおにぎりなどもメニューに並び、スイーツとセットで満喫したいところ。タイに根づく食文化と自由な発想力に心が躍る、唯一無二のスイーツダイニング体験をぜひ!

Sàat Bangkok
サート・バンコク

41-45 Maha Phruettharam Rd, Bang Rak, Bangkok
TEL.+66-88-130-5555
営業時間/10:00~19:00
定休日/火曜
Instagram
Google Map

coordination : SACHIKO MATSUMOTO/chico design