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【速報】カンヌ国際映画祭 2025、ジャファール・パナヒ監督がパルム・ドールに!受賞結果リスト一覧

6年連続で専門配給会社ネオンに最高賞。パナヒ監督は史上4人目となる世界3大映画祭最高賞を制覇!

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closing ceremony the 78th annual cannes film festival
Pascal Le Segretain//Getty Images

5月13日から開催された第78回カンヌ国際映画祭。今年コンペティション部門に参加した22作品のうち、最高賞パルム・ドールはイランのジャファール・パナヒ監督『Un Simple Accident』が輝いた。

コンペティション部門の審査員長はジュリエット・ビノシュ。審査員にはハル・ベリーやジェレミー・ストロング、ホン・サンスのほかインド人監督で脚本家のパヤル・カパディア、イタリア人俳優アルバ・ロルヴァケル、フランス系モロッコ人作家の レイラ・スリマニ、コンゴ人監督ディウド・ハマディ、メキシコ人監督・脚本家・プロデューサーのカル米国ロス・レイガダスらが名を連ねた。

パルム・ドールはジャファール・パナヒ監督『Un Simple Accident』が快挙!

closing ceremony the 78th annual cannes film festival
Andreas Rentz//Getty Images

2度目のコンペティション部門出品でパルム・ドールを受賞したジャファール・パナヒ監督『Un Simple Accident』。同作は、元政治犯が自分を拷問したと信じていた男を誘拐し、他の反体制派と共に彼を殺すべきか許すべきかを議論する様子を描いたスリラー映画。

パナヒ監督といえばイランの国家体制に批判的で、幾度となく投獄され、2010年には懲役6年と20年間の映画制作禁止を宣告され2022年に逮捕。約7か月にわたり拘留されたのち、2023年2月ハンガーストライキを経て釈放されている。『Screen Daily』のインタビューによれば、本作もイラン国内では違法に、限られたスタッフと制作されたという。受賞に際しパナヒ監督は「今最も大切なのは、私たちの国と私たちの国の自由です。力を合わせましょう。どんな服を着て何をすべきか、誰にも指図されるべきではありません」とスピーチ。審査員長のジュリエット・ビノシュは「この映画は、現代において絶対に必要な抵抗と生存の感情から生まれているものです」と言及した。

世界3大映画祭の最高賞を制覇したパナヒ監督は史上4人目となる快挙。これまでに2000年の第57回ベネチア国際映画祭で『チャドルと生きる』が金獅子賞、2015年の第65回 ベルリン国際映画祭で『 人生タクシー』が金熊賞を獲得。カンヌでは過去1995年に監督デビュー作『白い風船』で新人監督賞のカメラドールを受賞している。

専門配給会社ネオンは6年連続!

"un simple accident" photocall the 78th annual cannes film festival
Stephane Cardinale - Corbis//Getty Images

専門配給会社ネオンは、『パラサイト 半地下の家族』、『タイタン』、『逆転のトライアングル』、『落下の解剖学』、『アノーラ』に続き6回連続でパルム・ドールを受賞する記録を打ち立てた。

写真:5月21日のフォトコールに登場したパナヒ監督と『Un Simple Accident』チームの面々。





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a outdoor wedding scene with a couple and a person standing nearby
©JafarPanahiProductionsLesFilmsPelleas

【コンペティション部門】

パルム・ドール(最高賞):『Un Simple Accident』ジャファール・パナヒ監督(イラン)

グランプリ(次点):『Sentimental Value』ヨアキム・トリアー監督(ノルウェー、フランス、デンマーク、ドイツ)

審査員賞:『Sirat』オリヴァー・ラクセ監督(スペイン、フランス)、『Sound of Falling』マシャ・シリンスキー監督(ドイツ)

監督賞:『O Secreto Agente (The Secret Agent)』クレベール・メンドンサ・フィリオ監督(ブラジル)

特別賞:『RÉSURRECTION』ビー・ガン監督(中国、フランス)

女優賞:ナディア・メリッティ『The Little Sister(仏題:La petite dernière)』

男優賞:ワグネル・モウラ『O Secreto Agente (The Secret Agent)』

脚本賞:『Jeunes mères』ジャン・ピエール・ダルデンヌ監督&リュック・ダルデンヌ監督

【ある視点部門】

最高賞:『La misteriosa mirada del flamenco (The Mysterious Gaze of the Flamingo)』ディエゴ・セスペデス監督(チリ、フランス、スペイン、ドイツ、ベルギー)

審査員賞:『UN POETA』シモン・メサ・ソト(コロンビア、ドイツ、スウェーデン)

監督賞:アラブ&タルザン・ナサール監督『Once Upon a Time in Gaza』(フランス、パレスチナ、ドイツ、ポルトガル)

脚本賞:『Pillion』ハリー・ライトン監督(英国)

女優賞:クレオ・ディアラ『O RISO E A FACA(I ONLY REST IN THE STORM)』(ポルドガル、フランス、ブラジル、ルーマニア)

男優賞 フランク・ディレイン『Urchin』(英国)

早川千絵監督『ルノワール』ほか日本勢は惜しくも受賞を逃したが、今年は多数の作品がカンヌで上映され、確かな存在感を放っていた。

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