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【釜山国際映画祭 2024】日本で早く見たい注目作と受賞結果を、ライター渥美志保さんが総括!

10月2日~10月11日に開催された第29回釜山国際映画祭の受賞結果一覧をチェック。

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busan, south korea october 02 people attend the opening ceremony of the 29th busan international film festival on october 02, 2024 in busan, south korea photo by chung sung jungetty images
Chung Sung-Jun//Getty Images

釜山国際映画祭2024が閉幕!したところで、これまでの記事で触れられてない注目作と受賞作を総まくりしたいと思います!

まずは今年から来年あたりに、日本で見られそうな韓国映画から!

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「いつになったら公開するのかな〜」と思っていた、ソン・ジュンギ主演の『ボゴタ:ラストチャンスの地』。IMF危機によってすべてを失い家族で渡ったコロンビアで、韓国に帰りたいと思いながら、どんどん悪のドツボにハマっていく主人公を描くクライムもの。『このろくでもない世界で』『ロ・ギワン』に続く(っていうかこれが最初に撮った作品だけれども)ワイルド系のソン・ジュンギが見られます!


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組織の金を食い詰めた二人の刑事が横取りしようと目論む『汚いお金に手を出すな』は、「賢い医師生活」のキム・デミョンが「え?!ソッキョンがこんな役を⁉」という意外性のクライム・サスペンス。共演は「応答せよ1994」のスレギことチョンウで、この義兄弟の関係がラストに泣かせます!







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ソル・ギョング&キム・ヒエの『旋風』コンビに、チャン・ドンゴンとクローディア・キム(「ヒーローではないけれど」)という豪華メンバー共演の『普通の家族』は、リッチな二組の夫婦が、自分たちの子どもが犯罪を犯す場面を捕らえた映像を見たことで、モラルを引き剥がされてゆくドラマ。緊張感溢れる大物俳優たちの演技に注目!日本でも来年公開が決まってるようです!

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「弱いヒーロー」「悪鬼」のホン・ギョンと、「私たちのブルース」「イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで~」優等生、ノ・ユンソ共演の『聴説』は、台湾大ヒット映画をリメイクした青春ラブストーリー。とひねくれ野郎を演じたら同世代No.1のホン・ギョンが、愛に真っ直ぐな青年を演じるとかマジで楽しみすぎる!






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これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
You Are the Apple of My Eye (2025) Official Trailer | TWICE Dahyun, Jinyoung
You Are the Apple of My Eye (2025) Official Trailer | TWICE Dahyun, Jinyoung thumnail
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「SweetHome -俺と世界の絶望-」のジニョン(B1A4)が、映画初主演のダヒョン(TWICE)と共演する『あの頃、君を追いかけた』も、これまた台湾の青春ラブストーリーのリメイク作品で、そうかあ、ジニョンが高校生役やるかあ、という作品。ジニョンは来年は台湾ドラマ「The Photo from 1977」に主演することも釜山で発表してまして、これからグローバルな活躍が期待されます!







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「パチンコ」の主演女優キム・ミンハ主演の『目を閉じた少女』は、あるベストセラー小説家の殺害事件から、十数年前の拉致事件とそれをめぐって女子の連帯を描くサスペンススリラー。いつもどおりイ・ギウ(「ただ愛する仲」)がクソみたいな悪党を嬉々として演じています。

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BTSのRMことナムさんの2ndソロ・アルバム「Right People, Wrong Place」のメイキングを追ったドキュメンタリー「RM: Right People, Wrong Place」は、釜山で最も大きい屋外劇場で上映。2023年の2月~10月に密着した記録は、兵役に入る前のナムさん20代最後の記録として、ファンにはめっちゃ貴重な作品になっていると思います!

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このあたりは日本でも公開されるんじゃないかと思いますが、その他にもシム・ウンギョン主演『ザ・キラーズ』、チョン・ドヨン主演の『リボルバー』などの日本公開が決まってるそうです。

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続いては配信系!

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今年はオープニング作品がNetflix映画『戦と乱』で、作品の出来栄えもろとも物議を醸した釜山でしたが、配信ドラマをスクリーンで見る部門「On Screen」は、坂口健太郎くんの「さよならのつづき」(Netflix)に、チ・チャンウクの「江南Bサイド」(ディズニープラス)に、ユ・アインからキム・ソンチョル(「その年、私たちは」)にスイッチした「地獄が呼んでいる」(シーズン2)にと、バラエティも人気も上々。



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そんな中、私がイチオシするのはイ・ジュニョク(「ビジランテ」)&パク・ソンウン(「ライフ・オン・マーズ」)主演のサスペンス「良いが悪い、ドンジェ」(T ving)。大ヒットドラマ「秘密の~深い闇の向こうに~」のスピンオフ作品で、最高の脇キャラ、イ・ジュニョク演じるソ・ドンジェ検事を主人公にしたシリーズです。またしても昇進を逃したドンジェは、ある交通事故を巡り潰されかけてる小さな食堂、その裏に再開発を巡る建設会社陰謀を嗅ぎつけます! 政財界にコネを持つ大悪党の社長パク・ソンウンに脅迫と買収で揺さぶられ、仕方ない説得するか……と訪ねた店主が、実はソンウンよりずっとヤバいヤツなんですね!大悪党二人に挟まれた小悪党ドンジェの綱渡りのサバイバルが、初回から最高に怖くて笑えます!配信してくれてありがとうU-NEXT!

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そしてそして今年は閉会式の司会も務めたコンミョン(「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」)の主演作「私が死ぬ一週間前」(T ving)も、死を目前にしたヒロインと初恋の男の子が、高校時代と20代を行き来するタイムトラベル系の…え?それってもしかして「ソンジェ背負って走れ」的?な青春ラブストーリーです!コンミョンって日本だと俳優ユニット「Supri5e」(ソ・ガンジュン、ユイル、カン・テオ、イ・テファン)のひとりなんですが、KポファンにはNCTドヨンのお兄ちゃんというほうが通りがいいんでしょうか!オープントークで見たらシュッとした細身に小っさ!という頭、育ちの良さを感じさせる背筋の伸びた立ち姿がめっちゃ好感です!11月には出演映画『市民ドクヒ』が日本で公開されますが、これまためっちゃ面白い映画なのでぜひ!

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
BIFF2024 Trailer l 아침바다 갈매기는 The Land of Morning Calm l 뉴 커런츠
BIFF2024 Trailer l 아침바다 갈매기는 The Land of Morning Calm l 뉴 커런츠 thumnail
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最後になっちゃいましたが、最初にやれよ!という今年の映画祭の受賞作をいくつか。釜山国際映画祭は韓国のインディーズを応援する映画祭なので、韓国映画を中心にコンペの他にスポンサーや関係団体の賞を重複授賞できるシステムになっています。

なんで圧倒的な作品があると「総なめ!」になることも多いんですが、今年は結果が割れているのでいくつかの賞を重複受賞した3本をご紹介。メインコンペ部門「New Current」の賞を含む2部門を授賞したのは『朝の海のカモメは』。港で起きた船員の行方不明事件から始まるヒューマンサスペンス。目撃者の頑固な老船員、船員の帰りを待つ母親、保険金を受け取る船員のベトナム人妻など、弱者たちの痛ましいドラマが描かれます。

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busan, south korea october 02 people attend the opening ceremony of the 29th busan international film festival on october 02, 2024 in busan, south korea photo by chung sung jungetty images
Chung Sung-Jun//Getty Images

最も多い3つの賞を獲得したのは『3学年2学期』。3年生の2学期って最後の高校生活って意味なんですけど、高卒で就職する子どもは学校からの推薦で中小企業でインターンを経験するんですが、映画が描くのはそうやって工場で働き始めた主人公の成長物語。2部門を授賞した『破片』は、殺人事件の被害者と加害者、その両方の子どもたちの孤独な日常を追いながら、彼らが理不尽にも背負わされた矛盾と残酷を描く作品。これ私見逃してるんですが、ラストには奇跡的なことが起こるらしいし、めっちゃ面白そうなんで、どこかの配給会社が買ってくれることを祈る!ということで、釜山映画祭2024レポートはこれにて!

第28回釜山国際映画祭の受賞結果

busan, south korea october 02 the busan cinema center is seen ahead of the opening ceremony during the 29th busan international film festival on october 02, 2024 in busan, south korea photo by chung sung jungetty images
Chung Sung-Jun//Getty Images

・The Asian Filmmaker of the Year

 黒沢清(日本)

・Korean Cinema Award

 LEE Sun-kyun(韓国)

・New Currents Award

 『The Land of Morning Calm』(韓国)

 『MA-Cry of Silence』(ミャンマー・韓国・シンガポール・フランス・ノルウェー・カタール)

・KIM Jiseok Award

 『Village Rockstars 2』(インド・シンガポール)

 『Yen and Ai-LEE』(韓国)

・BIFF Mecenat Award

 『Works and Days』(韓国)

 『Another Home』(台湾・香港・中国・フランス)

・Sonje Award

 『Yurim』(韓国)

 『A Garden in Winter』(日本・フランス)

・Actor of the Year

YOO Lee-ha『The Final Semester』(韓国)

 PARK Seoyun『Humming』(韓国)

・The Choon-yun Award

 キム・ジヨン/Producer, CEO of Crankup Film(韓国)

・KB New Currents Audience Award

 『The Land of Morning Calm』(韓国)

・Flash Forward Audience Award

 『Tale of the Land』(インドネシア・フィリピン・台湾・カタール)

・Documentary Audience Award

 『K-Number』(韓国)

・FIPRESCI Award

 『Tale of the Land』(インドネシア・フィリピン・台湾・カタール)

・NETPAC Award

 『The Land of Morning Calm』(タイ)

・DGK PLUS M Award

 『The Final Semester』(韓国)

 『Red Nails』(韓国)

・CGV Award

 『Fragment』(韓国)

・KBS Independent Film Award

 『The Final Semester』(韓国)

・CGK Award

 『Waterdrop』(韓国)

・Critic b Award

 『Inserts』(韓国)

・Chorokbaem Media Award

 『Waterdrop』(韓国)

 『Fragment』(韓国)

・Watcha Short Award

 『Lost Target』(韓国)

・Songwon Citizen Critics' Award

 『The Final Semester』(韓国)

・Busan Cinephile Award

 『No Other Land』(パレスチナ・ネパール)

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