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MAGA化するセレブたち。米エンタメ界の最新政治事情【ピーチズのOM(F)G!】

今年1月に第二次トランプ政権が発足。その後、徐々にMAGA化が広がっているエンタメ界だが、その背景や理由はさまざま。

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Make America Great Again――米国を再び偉大にするというスローガンを掲げるトランプ大統領。その熱心な信者たちはスローガンの足ら文字をとってMAGAと呼ばれている。そんなMAGA派に転身したセレブとは? 人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesが顔ぶれをチェック!

トランプ政権の脅威を恐れるエンタメ界

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第二次トランプ政権発足後、エンタメ界は目に見えない検閲に対して戦々恐々。トランプ陣営のレーダーに引っかからないように、リベラルで多様な、つまり「Woke(ウォーク)」な作品と断定されるのを避けるため、製作サイドはクリエイティブな判断を大幅チェンジ。赤狩りの新バージョンと怯える人がいる一方、保守派やMAGA派にシフトするセレブも少なくない。



グウェン・ステファニー

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最近、MAGA確定とファンから失望の声があがったのが、ミュージシャンのグウェン・ステファニーだ。原理キリスト教礼賛と失笑されたTVシリーズ「ザ・チョーズン」でイエス・キリストを演じた俳優ジョナサン・ルーミーがトランプ信奉者であるタッカー・カールソンと“宗教”について語り合ったことをXで絶賛。「Wow @JonathanRoumie u r a powerful inspirational human what an what an enlightening intelligent beautiful interview thank you for being u, gx.(ワオ、@ジョナサンルーミー、あなたって力強く、インスピレーションを与えてくれる人間だわ。なんて知的で啓発的で美しいインタビューでしょう。あなたのままでいてくれて、ありがとう。グウェン、キス)」というポストを目にしたファンの多くが、グウェンのMAGA化を残念がっている。

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イタリア系アメリカ人であるグウェンは、カリフォルニア州オレンジカウンティで敬虔なカトリック教徒として生まれ育ち、破天荒キャラとして知られていたバンド、ノー・ダウト時代から教会に通う姿を頻繁に目撃されてきた。最近では信仰について語ることも増えていたし、昨年12月とこの春には同じく敬虔なカトリック信者マーク・ウォールバーグがローンチした祈りのアプリ「Hallow」のコマーシャルにも登場。3月25日から始まる四旬節の40日間の祈りのチャレンジに参加するようにファンに呼びかけていたが、これに対しても「スカからMAGAね。寂しくなるよ」とか「彼女、ロボトミー手術でも受けたのか?」とネガティブな反応ばかり。

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宗教について語り、右派の論客がゲストに迎えた俳優の発言に賛同することがグウェンのMAGA化の証明とはならない。しかし、実は彼女がトランプ信奉者の政治評論家キャンディス・オーウェンズや「我々自身と子供を罪と世界、神と敵対する文化の悪魔から守る」を標榜する超保守派の@catholictruthofficial(就寝前の子供に読み聞かせする男性が盾でレインボー交戦をシャットダウンする絵柄からは反LGBTQ +の姿勢が読み取れる)をSNSでフォローしているし、夫がレッド・ステイト出身の保守派なカントリー歌手ブレイク・シェルトンということを考え合わせると、MAGA派に取り込まれたとしても不思議ではない。かつてはシスターフッドやLGBTQ+コミュニティをエンパワーするメッセージを込めた楽曲で人気を獲得したグウェンの変貌ぶりは実に残念だ。

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シェリル・ハインズ

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夫の影響で政治思想がコロッと変わったと噂されているのはグウェンだけでなく、コメディ女性俳優シェリル・ハインズも同様だ。「ラリーのミッドライフ★クライシス」のクリエイター兼主演のラリー・デヴィッドの紹介で出会ったロバート・F・ケネディJr.と再婚し、ケネディ一族の仲間入りをしたシェリルはハリウッドで活躍する多くのリベラル派スターと同じで長年の民主党支持者だった。過去にはトランプの言動を「馬鹿げている」と批判したこともあった。しかし、民主党では大統領候補になれなかった夫ロバートがトランプを支持し始め、閣僚ポストを約束されたとあっては、批判することもできないまま。選挙戦の最中に夫と40歳も年下の政治ジャーナリストとのネット不倫が明らかになったときは、シェリルもロバートと離婚するのではと思われたが……。

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離婚するどころか、支持政党はもちろん、政治に関する考えも公言することを一切しなくなった。さらにトランプ候補(当時)の選挙キャンペーンでは、MAGA派の人々と気さくに交流し、「ハリウッドのリベラルとは思えない」と受け入れられたという。夫ロバートによるとシェリルがトランプ大統領を認めたのは、ペンシルベニアでの暗殺未遂事件がきっかけ。事件直後にシェリルは夫に「トランプ氏の言うことをよく聞くべきよ」と彼に進言したのだそう。しかし、シェリルのMAGA転身はエンタメ界ではよく思われておらず、夫妻のキューピッドであるラリー・デヴィッドは元親友とは距離を置いているという。

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またケネディ一族の星とみなされているジャック・シュロスバーグは、インスタグラムで「麻疹で亡くなった子供の家族に電話をして、謝罪してほしい」とシェリルに要求。反ワクチンのロバートを諌めないことを暗に責めていて、ケネディ一族からも爪弾きにされているのは間違いない。

ザッカリー・リーヴァイ

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反ワクチンの思想が一致していたロバート・F・ケネディを熱狂的に支持していた俳優ザッカリー・リーヴァイも、トランプ支持に乗り換えた一人だ。2016年の選挙では「どちらも権力を求めているだけ」と怒りをあらわにし、ヒラリー・クリントンにもドナルド・トランプにも投票しないと公言していたザッカリーの気持ちを変えさせたのが閣僚入りを目指すケネディの日和見というのは皮肉な話。トランプ支持を表明後、MAGA視聴者が多いメーガン・ケリーの番組に出演したザッカリーは「ケネディこそが最高の大統領になると信じている」と前置きしつつ、「ケネディとトランプが団結して生まれるチーム、アベンジャーズというかヴァルトロンというか、とにかく彼らはトランプがやると約束したことを実行に移す」と熱弁を奮っている。

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キャリー・アンダーウッド

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トランプ大統領の就任式で「美しきアメリカ」を熱唱し、世界中からMAGA派と思われてしまったカントリー歌手のキャリー・アンダーウッド。第一次トランプ政権発足時に就任式でパフォーマンスしたためにキャリアが下り坂となった多くのミュージシャン同様、キャリアが下降線を辿る可能性もある。これまで政治的な発言はほとんど行ってこなかったキャリー自身は支持政党を明らかにしていないし、実際にMAGA派なのかは不明だ。しかしキャリーのインスタグラムには、「反乱バービー」や「MAGAスネーク」といった罵詈雑言が次々とポストされていた。3月上旬からはケイティ・ペリーに代わって「アメリカン・アイドル」審査員に就任しているが、番組の製作&放映はトランプ大統領の広報機関となっているFOXチャンネル!? 何らかの忖度が働いていると考えるのは、うがち過ぎ?

マーク・ザッカーバーグ

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第二次トランプ政権で重要なポストを任されたイーロン・マスクに負けてなるかとIT富豪たちが次々とトランプの軍門に屈しているが、なかでもMAGAメイクオーバーが話題になっているのがメタのマーク・ザッカーバーグだ。トランプ勝利の鍵を握ったと言われるジョー・ローガンのポッドキャストに出演してバイデン政権を悪様に罵ったり、Facebookのファクトチェックを廃止したり(移民や性別などのテーマに関するオープンな議論を制限しなくなるのでユーザーが誤情報を監視できるようになる、という建前)、メタ社内のリベラル派を降格させているという噂もある。ここ数年、柔術や格闘技、サーフィンにハマり、マッチョに変身していたザックは、トランプ大統領同様にAlpha Male(アルファメール)を目指していると思われる。そんな彼が昨年からイラン人デザイナーのマイク・アミリと組んで売り出した格言Tシャツが人気だが、これらの格言からわかるのはザックが権力を重視し、それを維持するためにはどんな手段も講じるということ。つまりザックは、トランプ大統領やファースト・バディであるイーロン・マスクと同類なのだろう。

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コナー・マクレガー

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3月21日にアイルランド大統領選に出馬すると公表した元総合格闘技チャンピオン、コナー・マクレガーは、完全なるMAGA派だ。アイルランドのマイケル・マーティン首相がホワイトハウスを訪問した際にトランプ大統領が最も好きなアイルランド人の名前として挙げたの「コナー」であり、念頭にはコナー・マクレガーのことがあったに違いない。というのも、首相訪問から5日後の聖パトリック・デーにマクレガー自身がホワイトハウスを訪問し、大統領やマスクと記念撮影を行い、ピート・ヘグゼス国防長官はじめとする政府要人と会合を持ったのだ。公的地位もアメリカの選挙権もない、引退した総合格闘技家が政府要人と何について話し合うのかは謎だが、マーティン首相よりもウェルカムされていた。MAGA派に友好的で政治的野心もあり、大統領と同じく女性に対する性的虐待で有罪となったマクレガーこそがトランプ政権にとってはアイルランドを代表するに相応しいとの判断なのだろうか。残念で仕方ない。

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