a seated individual in a black floral lace garment sits on a green sofa with a red pillow
CEDRIC DIRADOURIAN
米・ペンシルベニア州出身。アメリカ大学国際サービス学部社会的企業修士号取得。アメリカ商工会議所財団で女性の経済的エンパワーメントとグローバル企業市民権プログラムを創設・指導した後、2013年にケイト・スペード ニューヨークに入社、ソーシャルインパクト活動をリード。

女性の支援に全力を注ぎ、メンタルヘルスの重要性をファッション業界から発信する試みを担う(ケイト・スペード ニューヨーク ソーシャルインパクト エグゼクティブ・ディレクター)タリン・バードさんにお話を聞いた。

ケイト・スペードが築く“心の支援”インフラ

international women's day event
CEDRIC DIRADOURIAN
3月1日、国際女性デーイベントでエンパワーメントとフレンドシップについてトークを開催。左からスペシャルゲストの俳優、仲 里依紗、昭和女子大学キャリアカレッジ学院長の熊平美香、Blossom The Project代表の中川 愛。

女性と女の子のメンタルヘルスに資金の支援をするケイト・スペード ニューヨーク。2024年、パートナー企業と共に「グローバル・ファンド・フォー・ウィメンズ・メンタルヘルス」を設立し、北米、英国、日本、オーストラリアで、非営利団体への助成金交付を始めた。このプロジェクトを推進するのがタリン・バードさん。

「前職では国際機関で働いていましたが、その仕事を通し、女性が力を発揮することがどれほど社会に良い影響を与えるかを身をもって知りました。女性の支援に自分のキャリアを懸けるべく、フィールドワークのためにルワンダに移住し、支援活動をスタートさせたのです」

そこで当時のケイト・スペードニューヨークのCEOに出会い、サプライチェーンの援助をするパートナーを探していると聞いて、自ら手を挙げたという。

当時、メンタルヘルスのトピックは今よりさらに話題にしづらいテーマだった、とタリンさん。けれど当時からここが最も重要だと考えていた。「ルワンダでは、1994年のツチ族に対する虐殺が、多くのルワンダ人、特に女性に、家族や友人を失う経験とトラウマをもたらしました」。けれどメンタルヘルスの課題は目に見えづらく、また口にする人も少ないため、支援の手が届くことはほとんどなかった。「女性のメンタルヘルスに関するリサーチは、特にコミュニティで実施できるものがまだ少ないです」

多くの女性は自分自身を後回しにしている

depicting mental health as a plant
メンタルヘルスの根っこが、女性のエンパワーメントという花を咲かせるのに欠かせないという図。

ケイト・スペードでは、女性や女の子を支援する組織に投資し、サポートするとともに、ファッションブランドとして世界に向けて発信している。

「私たちは年に1度、メンタルヘルスのグローバルサミットをニューヨークで開催しています。アスリートやアーティスト、ジャーナリストらに登壇してもらうことで多くの方にリーチできたと思います」。このサミットは、今秋4回目の開催を予定している。

メンタルヘルスの重要性、女性が自分自身をケアすることの大切さは徐々に浸透しているが、まだ多くの偏見がある。

「女性たちは、家族、パートナー、子ども、上司、部下などのサポートをする役割を多く担っていて、自分自身のための器は空っぽになっている人が多い。この状況を変え、女性や女の子たちが自分の健康を最優先に考えるようになることを願っています」

タリンさん自身が自分のためにどんなケアをしているのかを伺った。「2週間に1回ははりを打ちに行きます。それから毎朝ジャーナリングとメディテーションを行うこと、お気に入りのアロマオイルを持ち歩くことも大事。読者の皆さんも、まずは何より、自分自身のケアをしてほしいと思います」


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