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【クイズ形式】ダイエット新常識11連発!体重・体脂肪が減るのはどちら?管理栄養士が徹底解説

「痩せたい!」 思い込みや間違った方法でダイエットを繰り返していませんか?

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【クイズ形式】ダイエット新常識11連発!体重・体脂肪が減るのはどちら?管理栄養士が徹底解説
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「食事量を減らしているのに痩せない」「運動しても体に変化がない」……。ダイエットがうまくいかないのは、時代錯誤の“思い込み”かもしれない。新たな研究結果などにより、ダイエット方法は目まぐるしい進化を遂げている。ひと昔前の定説がいまでは逆効果、なんていうことも。管理栄養士の篠原恵里佳さんが、最新の学会による発表などもふまえて、ダイエットの新常識をクイズ方式で解説!

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体脂肪が減少しやすいのは? A卵ダイエット B地中海式ダイエット

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正解は B地中海式ダイエット

ダイエットで最優先すべきは、糖質、脂質、たんぱく質をバランスよく食べること!

卵ダイエットのような単品だけを食べ続けるダイエットは、カロリーが低いので、最初は体重が減るが、卵で痩せたわけではなく、単にカロリー不足によって体重が減っている状態。栄養素も偏っているため、栄養不足(栄養失調)も引き起こす。一方、地中海式ダイエットは、さまざまな食材をとり入れて、栄養バランスもよく、健康的な体を作るダイエット法である。

3大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)は、どれかが欠けてもNG。3つそろえるとダイエットに適した体づくりの基礎ができる。主食と主菜をそろえることで、3大栄養素のバランスは整う。また、3大栄養素とビタミン&ミネラルは、なくてはならぬ関係。互いに助け合って働いている。主食、主菜に、副菜(野菜、海藻、きのこ、芋、豆を主材料とする料理)を加えることで、さまざまな栄養素をバランスよくとることができる。

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摂取カロリーは少ない方が痩せるに決まっている  YES / NO

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正解は NO 

ダイエットは食べなければ成功しない!

「食べなければ痩せる」は大きな間違い。カロリーを必要以上に減らしすぎると、少ないカロリーで生命を維持していくために代謝を悪くして、食べたカロリーは消費せずにため込もうとする体になる。

カロリー不足が慢性的に続けば、筋肉量が減り、貧血を招きやすくなり、基礎代謝も落ち、せっかく落ちた体重もリバウンドしやすくなる。骨量も減り、肌、髪、爪などの美しさを作る栄養素もとれなくなるため、見た目がグッと老け込む。冷え性や疲労、倦怠感などの不調も招き、生理が止まってしまうことも。体の中で負の連鎖が起こってしまう。

体脂肪を減らして体重を減らすためには、カロリーが必要。ダイエットは食べなければ成功しない。

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朝食は食欲がなければ無理に食べないほうがよい? YES / NO

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正解 NO 

朝食を食べないと、体重が増える!

なぜ、朝食抜きはよくないのか? 
・筋肉量が減る*
・体内時計が乱れて、体重が増加しやすくなる
・体内時計のズレが睡眠の質の悪化につながり、太りやすくなる
・老化が加速する。特に見た目
・低体温や貧血を招きやすい

長い絶食時間の後の食事を脳も体も「朝」ごはんと認識し、昼食を朝食と勘違いをして、体内時計が乱れてしまうことに注意したい。これにより、睡眠の質が低下し成長ホルモンの分泌が抑制されるため、睡眠中の体脂肪の代謝が悪くなる。睡眠不足は、食欲を増進させる物質(グレリン)が増加し、食欲を抑える物質(レプチン)が減少するため、食欲を増進させてしまうことも。また、絶食時間が長いと食後に血糖値が急上昇し、血糖値の乱高下が起こる。そのため、太りやすくなる上に、糖化を招き、老化が進み、見た目の老化も加速。

また、たんぱく質は食べ溜めができない。食事と食事の時間が空き過ぎると、たんぱく質が枯渇し、筋肉を分解して、他のたんぱく質に作り替えをしてしまうため、筋肉量が減少する。多くの栄養素は、食べ溜めができないことを意識して、1日3回食べて、栄養素の不足を招かないようにすることが大切。

朝、食欲がないのは、食事を食べないほうがよいということではなく、体が不調を招いているサインのひとつ。朝食を食べない習慣が長く続いている場合は、朝は胃腸が動きにくくなっているため、おなかがすかないのは当然のこと。豆乳やヨーグルトなどの液状のものからとり始め、時間をかけて徐々に品数を増やして、朝食を習慣化する訓練をするとよい。

* 多くのエビデンスがあるが、1例:朝食を食べないマウスは、体重が増えて筋肉量が減少する。

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ダイエットにおすすめの朝食メニューは? A りんごとヨーグルト B アボカドとサーモンのオープンサンド 

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正解 B アボカドとサーモンのオープンサンド

朝食に欠かせないのは、たんぱく質と糖質!

朝食は、まずたんぱく質と糖質が大切。たんぱく質は、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)や乳製品に豊富に含まれる。また、たんぱく質を代謝させるための糖質も必要なので、主食となるご飯やパンなども一緒にとること。よって3大栄養素とセットにとるべきビタミン&ミネラルを豊富に含むアボカドとサーモンのオープンサンドはおすすめ。ツナサンド、卵サンド、卵かけご飯、納豆ご飯も手軽。毎食とりたいビタミンC豊富なバナナやキウイフルーツも添えるとよりよい。

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夕食の時刻が遅くなるときは A食べたほうがよい B食べないほうがよい

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正解 食べたほうがよい

空腹で寝るのはNG。ただし夕食の内容に注意!

21時までに夕食を済ませるのが理想的。でも21時を過ぎてしまったからといって、夕食を抜くのは、空腹の状態で眠ることになり、栄養不足や、眠りの質の悪化を招きやすく、結果太りやすくなってしまう。

夜は、消化器官の働きが低下するため、胃腸に負担をかけないように消化のよいものを食べるとよい。揚げ物、バラ肉、ラーメンなどの脂っこいものは控える。主食の量はいつもよりも控えめに。消化の良い白米でOK(白米は脂質が含まれないためヘルシー)。副菜は、野菜の煮物や、野菜たっぷりの味噌汁やスープ、主菜には、卵や納豆、サラダチキン(鶏肉は消化がよい)、冷や奴など。リゾットやお茶漬けなどのスープご飯、手軽にできる1人分の鍋などもおすすめ。朝食時間まで短いため、「まだ、食べられそう」というくらいの腹7~8分目にして、食べ過ぎないようにすることも大事。

もし、あらかじめ夕食の時刻が遅くなることが分かっていれば、17~18時頃におにぎりなどの主食を食べ、夕食時はおかずのみを食べる、というような分食をするのも、血糖値の上昇を抑えることもできてよい。

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ダイエット中に食べるスパゲティは? A ペペロンチーノ B ペスカトーレ

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正解 B ペスカトーレ

ダイエット中でもパスタはOK! でも栄養バランスを考えて

パスタとにんにくのスパゲティであるペペロンチーノは、糖質に偏っている。一方で、ペスカトーレは、魚介がたっぷり使用されているため、たんぱく質やビタミン、ミネラルもとりやすいし、代謝に関わる亜鉛や鉄も含まれる。カルボナーラも栄養的にはおすすめだが、カロリーが高いのが難点。いずれもパスタの場合は食物繊維が不足するため、サラダをプラスするとよい。

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体重を落とすなら、どちらの糖質オフが効果的? A 菓子類や清涼飲料水 B 糖質が豊富なご飯やパンなどの主食

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正解 A 菓子類や清涼飲料水をオフ

ヘルシーにダイエットするなら1日の摂取カロリーの50~65%は糖質由来を確保!

糖質は、生きるために必要な栄養素。穀類(ご飯やパン、麺)や芋類、果物に豊富に含まれる。これらをオフすることはイコール、一緒に含まれている栄養素、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も不足してしまう。菓子類や清涼飲料水は、糖質オンリー、しかも人工的に作られた甘味料でもあるため、オフしたほうが健康によい。穀類(主食)をオフすると、おかず(主菜)の摂取量が増えがちになり、肉の量や塩分も増え、動脈硬化系の病気や糖尿病、腸内環境が悪化しやすくなるリスクも高くなることも知っておこう。

8

ダイエット中は、おやつは厳禁! YES / NO

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正解 NO

適度なおやつはダイエットを長続きさせる!

おやつを無理に我慢するとストレスが溜まり、ダイエットを挫折することになりかねない。無性に甘いものが食べたくなったら、少量を少しずつ、時間をかけて食べるとよい。少しの血糖値アップで満腹感が生まれる。ときにはチートデーを設けて自分を甘やかして好きなおやつを食べるのも、ダイエットが長続きするコツ。

おすすめのおやつは、スーパーの店頭に並んでいる、旬の果物、食物繊維が含まれるみつ豆、ビタミン・ミネラル・ポリフェノールが豊富な高カカオチョコレート、ジェラート、アーモンドチョコ、こんにゃくゼリー、ドライフルーツなど。おやつで、不足しやすい栄養素を補給できるとなおよい。

ただし、21時以降のおやつは控えること。

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野菜から食べる? おかず(主菜)から食べる?

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正解 人によって適切な食べる順番は異なる

必ずしも野菜ファーストではない。たんぱく質ファーストの場合もある

万人が野菜から食べ始めるとよいわけではない。おかず(主菜)から食べて、次いでご飯(主食)、野菜(副菜)を食べるという「三角食べ」が適している人もいる。食が細い人は、この「三角食べ」がおすすめ。なぜなら、野菜から食べると、野菜だけでおなかがいっぱいになってしまい、主菜や主食が食べられなくなり、エネルギー(カロリー)やたんぱく質不足を招いてしまう。

食事の量を1人前しっかり食べることができる人や、食べすぎてしまう人は野菜から食べるとよい。食物繊維を最初に胃腸に取り込むことで、糖の吸収が緩やかになることから、血糖値の急上昇を抑えることができる。それにより、太りにくくなり、生活習慣病の予防効果が期待できるというわけ。

食物繊維が血糖値の急上昇を抑えるには、野菜を食べ始めてから5分以上経ってから、ということも覚えておこう。

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体重が標準体重より軽い人(痩せている人)はダイエットは? したほうがよい / しないほうがよい

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正解 しないほうがよい

痩せている人は、まず標準体重まで増やそう!

標準体重*より体重が軽い=痩せているということは、エネルギーをはじめ、さまざまな栄養素が不足している証。軽い体重は骨密度が低下し、骨粗鬆症を招いたり、冷え症や倦怠感など、さまざまな不調もきたしやすくなる。不妊症のリスクも。肥満と同じく、痩せも糖尿病のリスクにもなる。また、体脂肪が少なすぎると女性ホルモンが分泌されなくなり、生理が止まってしまう。

痩せすぎの人は運動にも注意が必要だ。運動すれば消費エネルギーが増える。エネルギーを生み出すために、筋肉をエネルギーに変えてしまうため、筋肉が減少する。筋トレをして筋肉を増やしたいのであれば、エネルギーを確保した状況で運動しなければ、運動の意味をなさない。エネルギーも栄養素も不足している状況であれば、老化が加速してしまう。

*標準体重=身長(m)×身長(m)×BMI値(18.5~24.9)

 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  BMIの標準 …~49歳まで:18.5~25未満
       …50~64歳:20.0~25未満
       …65歳以上:21.5~25未満

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体脂肪を燃やすためには、有酸素運動を20分以上しないと効果がない? YES / NO

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正解 NO 

続けて20分行わなくても細切れでもいいから体を動かそう!

以前は、20分以上連続した運動をすることで、体脂肪が燃えやすくなる、といわれていたが、いまは細切れでもよいので、より多く運動をするほうが効果的ということが数々の研究結果からわかっている*。運動はハードルが高いと感じる人は、「活動量」ととらえて。運動という形にこだわらず、日常の活動量を増やしていけばよい。日常生活のほんのちょっとした行動の差が、活動量を増やすことにつながる。

例えば、
・階段とエスカレーターがあれば、階段を選ぶ
・上り階段を一段飛ばしで大股で歩く
・買い物では、売り場をウロウロ歩く、フロアを見て歩く(ウインドーショッピング)
・電車内では席には座らずに立つ
・つり革を持って軽く爪先立ち運動を行う
・車で買い物に行くところを自転車に、自転車の移動を徒歩にする
・車を建物から少し遠いところに停めて歩く距離を増やす

健康的にダイエットをするには活動量を上げることも大切。また、活動量を増やすことで、骨の健康維持にもなる。

*短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られる
Okada K, Hayashi T, Tsumura K, et al. Leisure-time physical activity at weekends and the risk of Type 2 diabetes mellitus in Japanese men: the Osaka Health Survey. Diabet Med.2000; 17(1): 53-58.

*HIPAをを意識して行うとスポーツジムに行かずにHIITのような健康効果を得ることができる

一回5分〜10分程度の有酸素運動を、1日に数回行うことで脂肪が減ったという研究結果

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健康的に痩せるためのまとめ

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ダイエット成功の秘訣は、摂取カロリーよりも3大栄養素のバランス。つまり、糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質をバランスよく食べることが大切。ビタミン&ミネラルをプラスして、主食・主菜・副菜を揃えて、1日3回食べること。

糖質オフダイエットに安易に手を出してはいけない! なぜなら、体脂肪は糖質がなければ燃焼することができない。もし糖質オフで体重が減るなら、それは体脂肪ではなく筋肉の減少によるもの。糖質ゼロでプロテインを摂っても筋肉はつきにくい。また、たんぱく質は、糖質がなければ、筋肉や血液など身体をつくることができない。

例えば2つのメニュー、「ご飯、みそ汁、焼き魚、野菜の和え物」と「菓子パン+ブラックコーヒー」は、カロリーはほぼ同じ。前者は「糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル」が含まれているが、後者は「糖質と脂質」のみで、体脂肪が付きやすくなる。同じ摂取カロリーでも、いろいろな栄養素をとり入れることを意識しよう。

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お話を聞いたのは 管理栄養士 篠原絵里佳さん

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Profile●日本抗加齢医学会認定指導士、睡眠改善インストラクター、上級睡眠健康指導士、野菜ソムリエプロ。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験から、体の中から健康に美しくなる生活習慣を見い出し、わかりやすく発信することを得意とする。また、働く女性の健康支援に注力し、フィーカレディースクリニックにて、栄養相談・睡眠相談を担当。ericashinohara.com

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