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瞑想でフェムケアを。女性特有の不調に「瞑想」でアプローチ

“女性性”を使えていない女性が増えている!?

Kaori Shimura
young woman enjoying sunset
Muriel de Seze//Getty Images

近年ますます注目を集めている瞑想は、実は、現代を生きる多忙な女性の心身のバランスを整えるためにもすごく効果的! 女性の俳優やモデル、経営者たちを中心に多くの支持を集める瞑想家、ニーマル・ラージ・ギャワリさんに、女性特有の不調の予防や軽減に役立つTIPSを伺った。ニーマルさんの瞑想スタジオに通う俳優の高橋メアリージュンさん、メイクアップアーティストのyUKIさんの体験談も併せてチェックして。

女性の不調は、“女性性”が閉じていることが原因

students focused on the study in a public library
LeoPatrizi//Getty Images

インド・ネパール地方に5000年以上前から伝わるヴェーダ思想をもとに、瞑想やヨガを通して現代人の心と身体の健康をサポートしているニーマル・ラージ・ギャワリさん。ニーマルさんによると、生理トラブルやプレ更年期、産後うつといった女性特有の不調の一因は、女性性のエネルギーが閉じてしまっていることにあるそう。

「女性はもともと女性性が強いのですが、現代の働く女性たちは男性性が強くなりすぎている傾向にあります。特に日本の場合、昔からジェンダーギャップがひどく、女性が社会で活躍するには男性のやり方にならうしかなかった。つまり、自分の男性性を使うしかなかったんです。そういった働き方は残念ながら、今も根づいています」

男性性のエネルギーを象徴するのは「火」で、「燃やす」「スタートさせる」などのパワーを持つ。一方、女性性のエネルギーを象徴するのは「水」で、「創造する」「調和する」「表現する」といった力がある。

「出産できるのは女性だけという事実からもわかるとおり、女性は本来、とてもクリエイティブな存在です」とニーマルさん。ところが、女性性と男性性のバランスが崩れてしまうと、女性としての持ち味を発揮できなくなることから、やる気が減退し、イライラや落ち込みが起こりやすくなってしまう。「人によっては、熱がこもりやすくなることや、体臭がきつくなることもあります」

頭で解決しようとするよりも、瞑想で心を浄化するほうが効果的

thoughtful woman standing against blue wall
Klaus Vedfelt//Getty Images

「不調の予防や改善には、女性性のエネルギーを開くことと、生活習慣の見直しの2つが重要です。ただ、仕事や子育て、介護などで忙しく、生活習慣や環境をすぐに整えるのは難しいという女性も多いんですよね。そこで、毎日たった5分の健康習慣として、女性性を高める効果のある瞑想を始めることをおすすめします」

私たち女性の内なる男性性が強くなりすぎると、自分ひとりですべてを抱え込もうとしたり、意固地になりやすかったりなど、視野が狭くなりやすい。とはいえ、人間は考え方やモノの見方、気持ちを変えようとしても、簡単には難しいもの。そのため、頭で解決しようとするよりも、瞑想で心と体に直接アプローチしていくほうがスムーズというわけだ。

「たった5分でも毎日瞑想を続ければ、心が落ち着き、浄化され、やがては細胞レベルで自分を整えていくことができます」

今回は女性性を開花させる瞑想のやり方と、簡単にできる呼吸法などのヒントを教えてもらった。次のページからさっそくチェック!

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「満月の光の瞑想」を毎日の習慣に取り入れる

瞑想

女性性をうまく使えるようになるには、「満月の光の瞑想」が効果的。

やり方はまず、ラクな姿勢で目を閉じて、身体の力を抜き、頭の上に白い満月が浮かんでいる様子をビジュアライズする。そして、「私は女性としてこの世に生まれてきました」「私の内側には女性の力が存在しています」「私は女性として生まれてきてよかったです」「私は自分のことが大好きです」と、自分の心に素直に語りかける。

「自分に語りかけるときは、照れや自己否定は脇に置いて、心を開いていきましょう。そうすると、実際の月から女性性のエネルギーがあなたに降り注ぎ、パワーを与えてくれます」

心に語りかけたあとは、5分~15分間ほど、頭の上に浮かんでいる満月のやさしい光が柔らかなシャワーのように、自分の身体の細胞一つひとつにまで降り注いでいるさまをイメージし続ける。

「自分を変えたいと思うならば、この瞑想を毎日続けて行ってみてください。時間帯は朝でも昼でも夜でもかまいません。何カ月か続けてみると、変化を感じられるようになります」

「片鼻呼吸」で女性性と男性性のバランスを整える

瞑想

「片鼻呼吸」とは、左の鼻腔から吸って右の鼻腔から吐き、右の鼻腔から吸って左の鼻腔から吐く、というように、左右の鼻腔を交互に使う呼吸法。男性性のエネルギーは人間の身体の右側に、女性性のエネルギーは左側に宿るといわれるけれど、この呼吸法を行うと左脳と右脳のバランスが整うので、おのずと女性性と男性性のバランスも改善されていくそう。

「本来は吸ったあとに一度息を止めてから吐くのですが、息を止めずに呼吸を繰り返すだけの簡単なやり方で問題ありません」

まずは、手の準備から。右手の親指、薬指、小指の3本を使って鼻腔の開閉を行うので、右手の人差し指と中指を折り曲げて手のひらにつけておく。右の親指で右の鼻腔を閉じて左から吸い、次は、右の薬指と小指で左の鼻腔を閉じながら右の親指を解放し、右から吐く。今度は、そのまま右から吸い、右の親指で右の鼻腔を閉じながら右の薬指と小指を解放し、左から吐く。これを、自分の心地よいペースで行っていく。途中で右手が疲れたら、左手に変えてもOK。

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左手を胸の中心に当てて、自分の心を“手当て”する

瞑想

女性性の特徴のひとつが「愛」。女性性を高めるには、自分を愛のエネルギーで満たしていくのもいい。

「女性性が自然に開いている状態だと、何に対しても愛を感じます。例えば、太陽の光の温かさや風の心地よさなど、日常の小さなことに愛や喜び、楽しみを見出すことができます。そのためには、まず、心をオープンにする必要があります」

心をオープンにするには、自分への“手当て”が有効。左手を自分の胸の中央に置き、「私は満足しています」「私は愛を広げていく存在です」とイメージしながら、手のひらの温かさを味わってみよう。

「できれば、左手で直接肌に触れるのがベター。女性ホルモンがより活性化するといわれています。朝起きてすぐか、夜寝る前に行うのがおすすめです」

家族やパートナーとの時間を大切にする

a couple have a conversation as the woman bathes and her partner leans on the side of the tub
Catherine Falls Commercial//Getty Images

仕事ややるべきことに追われていると、つい、自分ひとりの時間や、大切な人と過ごす時間を後回しにしてしまうことも。

「みなさんはひと口に仕事というけれど、実は仕事には2種類あります。ひとつは、収入ややりがい、社会とのつながりを目的とした“外側の仕事”。もうひとつは、自分と大切な人たちをケアするという“内側の仕事”です。私たちは本来、“外側の仕事”と同等に、“内側の仕事”にもエネルギーを費やすべきです」

パートナーや家族との温かいひとときは、お金では買えないもの。真の意味で人生の満足度を高めてくれるのは、そんなふうに目に見えないけれど価値のあるものだという。

「パートナーや子どもとのハグやスキンシップも大切です。幸せホルモンが出て、自分の不調を整えることにもつながります」

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パートナーと過ごすときは、相手の左側をキープ

cheerful couple walking through the city together
sergeysaraev//Getty Images

先にも述べたとおり、男性性のエネルギーは人間の身体の右側に、女性性のエネルギーは左側に宿るといわれる。並んで歩くときや座るとき、寝るときなどは相手の左側をキープすると、女性である自分のエネルギーが相手の女性性のエネルギーとひとつになり、女性性の持つ愛のエネルギーが増幅していくのだそう。





「瞑想で肌まで変わり、食いしばりも軽減」高橋メアリージュンさん

高橋メアリージェン

5年ほど前に瞑想に興味を持ち、独学でスタートしたという俳優の高橋メアリージュンさん。ほぼ毎日続けるうちに心が穏やかかつポジティブになり、引き寄せ力がアップしたそう。

「ニーマル先生に出会ったのは約1年半前。それまでは自己流でしたが、先生の教えに従って、瞑想の前に呼吸やストレッチなどの準備を丁寧に行うようになりました。すると、瞑想に深く入れるように。さらには自律神経が整って、心も肌も調子が安定。特に肌はうるおいがアップした感が。スキンケアアイテムをプロデュースするという長年の夢も叶いました」

また、無意識に行っていた食いしばりがなくなり、以前よりもフェイスラインがシュッとした、とも。瞑想のおかげで「全部を完璧にできなくてもいいんだ」と思えるようになり、その結果、肩の力が抜けて、食いしばりが減ったのだとか。

「瞑想や呼吸など、静かな時間を自分に与えてあげることは、自分を愛してあげること。自分が持っていないものは他人にあげられないのだから、まずは自分を愛してほしいなと思います」

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「自分の勝手な思い込みに気づき、鉄の鎖が外れた感覚」yUKIさん

瞑想

メイクアップアーティストのyUKIさんが瞑想に出会ったのは、10年ほど前からミランダ・カーと仕事をするようになったのがきっかけ。

「彼女は仕事の合間に撮影チームのみんなを集めて瞑想をするのですが、たった10分でもみんなスッキリして、仕事の効率がアップするのが面白いなと思っていました」

そして昨年、縁あってニーマルさんのスタジオで瞑想を体験。自分に合っていると感じ、講座に通うように。

「コロナ禍もあり、迷いがあったタイミング。講座に通い始めたら視野が広がって、今後の人生の旅の入り口が見つかりました」

日常生活でも朝と夜の2回瞑想を行うようになってからは、人間関係が変化し、居心地のよさがアップ。自分の体を大切にしていなかったことにも気づいたそう。

「集中すると走り出しちゃうタイプ。仕事が忙しいほど運動やトレーニングでケアしなくてはとすべてが過剰になるので、これではダメだと。『こうあるべき』という勝手な思い込みを持っていたことに気づいて、今はもう鉄の鎖が外れたような感覚。気持ちに余裕を持てるようになりました」

お話を聞いたのは……瞑想家のニーマル・ラージ・ギャワリさん

瞑想

ネパールの瞑想家の家系に生まれ、9歳からハタヨガの研鑽を積み、15歳からネパール王族にヨガの指導を開始。アーユルヴェーダの博士号を22歳で取得。世界20カ国で瞑想やヨガを教え、2003年に来日。

2019年、東京・広尾に瞑想スタジオ「suwaru(https://www.suwaru.co.jp/)」を設立。瞑想やヨガのコースのほか、集中講座やリトリートツアーなどを行う。女性が持つ豊かなエネルギーを目覚めさせ、夢をかなえるパワーを引き出す女性のための瞑想集中講座「Veda Woman Empowerment」も人気(今年度は満席)。著書に『黒感情が消える ニーマル10分瞑想』(小学館刊)など。

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