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環境月間に考える、人に地球に優しいコスメとは? エキスパートが解説

6月の「環境月間」に改めて考える、サステナブルなコスメやスキンケアアイテムの見分け方。

colorful background with laboratory utensils, samples of cosmetics and glass vials on pink background natural medicine, cosmetic research, bio science, organic skin care products top view, flat lay
Tanja Ivanova//Getty Images

クルエルティフリーやオーガニック、サステナブルなど、私たちがビューティ製品に求める要素は年々増え続けている。ソイルアソシエーション(英国土壌協会)が発表した報告によれば、2022年に天然成分で作られた製品を探したという人は50%に達し、環境に配慮した製品を購入する傾向が強かった人も55%に上っているのだという。この結果からひとつわかることは、私たちはかつてないほどに、コスメにもエシカルであること=“倫理観”を求めようとしているということだ。

エシカルビューティ製品は、労働者の福祉、動物実験ゼロ、環境への積極的かつ継続的なプラスの影響など、社会的基準と環境的基準を満たすアイテムを指す。基準のリストは多岐にわたるが、ビューティブランドはそのすべてを満たすことができるのだろうか?

ここでは、6月の「環境月間」に改めて考えたい、人や環境に優しいコスメやスキンケアプロダクトの選び方について、ビューティライターのヴェリティ・クラークが専門家とともに解説。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Translation: Masayo Fukaya From Good Housekeeping UK

coconut hair care
Mizina//Getty Images

サステナビリティ情報を発信するジャーナリストで、エシカルライフスタイルウェブサイト「リブ・フランクリー」の創設者でもあるリジー・リヴェラ氏は、前述の疑問に対し、「すべての基準を満たすことは可能です」と述べ、「すべてをやり遂げることができないと言うことは、ブランドを責任から逃れさせることになります」と語っている。

大切なのは、一夜にして完璧を目指すのではなく、少しずつ約束や誓約を交わし、ブランドが責任を負うべき目標を設定することだ。

リヴェラ氏は、クルエルティフリーやオーガニックを実現するいっぽうで、公正な賃金、サプライチェーンで働くすべての労働者のための良好な環境、サステナビリティを向上させるための継続的な努力を行っているビューティブランドとして、「オディリーク」「フェア・スクエアード」「ベネコス」を挙げている。

ただし、同時に「本当にエシカルなブランドを見つけるのは難しい」ことも認めている。特に現在私たちはグリーンウォッシュの“無法地帯”におり、一部のブランドは実際よりもエシカルであるかのように装っているからだ。

フェアトレード財団の広報担当者は、「残念ながら、第三者機関の認証による裏づけがない企業の用語やフレーズ、主張は、完全に信用することはできません」「ブランドは、『ナチュラル』『プラスチックフリー』『カーボンニュートラル』などについて、独自のマークを自由に作り、もっともらしく見せてしまうのです」と説明する。

hands surrounding leaf
We Are//Getty Images

いまビジネス界で最も話題となっており、信頼できる倫理基準団体は、国際認証基準である「Bコープ(Bコーポレーション)」だ。環境・社会認証のゴールドスタンダードと言われており、「エレミス」「ネオム」「バランスミー」「パイ」「ザ・ボディショップ」「フェイス・イン・ネイチャー」「プラントピア」「ダヴィネス」などのビューティブランドを含む世界6000社以上の企業が、約200の質問からなる厳しい審査に合格している。これらの企業は、地球に良い影響を与える活動をしていることを証明するのに、十分なポイントを獲得している。

Bコープは、環境への取り組みから従業員の待遇まであらゆる側面に目を向けるだけでなく、カーボンニュートラルや男女同一賃金などの目標を守ることもブランドに求めている。サステナビリティ・コミュニケーション・エージェンシーのエンバイラル社を創設したジョス・フォード氏は、「社会的および環境的責任の観点から見ると、Bコープは非常に包括的な認証基準です」「業界全体を前進させるものであり、最初の出発点が何であれ、ブランドはより倫理的な方法で事業を運営する責任を負わされます」と説明している。

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organic, bio cosmetics healthy concept with petri dishes with natural plants and beauty products
Iryna Veklich//Getty Images

まだ取り組みの途上である、という考えはとても重要だ。小規模なブランドや立ち上げて間もない新しいブランドにとって、サプライチェーンの追跡や、バージンプラスチック(リサイクル原料などの再生素材を使用せず、新しい原材料のみで製造されたプラスチック)の使用削減、詰め替え可能なパッケージの導入は、大手のブランドよりも簡単に取り組むことができる(いっぽうで、監査や認証の費用を負担することのほうが難しい場合があることを、念頭に置いておくべきである)。

同様に、グローバルブランドだからといって変化できないわけではない。知名度の高いビューティブランドの多くが、大きな転換に向けて一歩を踏み出している。世界最大の化粧品ブランドのひとつである「ロレアル」傘下の「ガルニエ」は、2025年までにパッケージに使用するバージンプラスチックをゼロにし、100%を再利用可能、リサイクル可能、または堆肥化可能なものにするという目標を掲げている。また、自社工場での再生可能エネルギーの使用を76%から100%に引き上げる予定とのこと。

いっぽう、フランスの大手「クラランス」は、“T.R.U.S.T”と呼ばれるトレーサビリティ・プラットフォームを立ち上げている。これにより、製品のQRコードをスキャンすると全成分が表示され、畑から生産者の顔までを追跡することができる。

では、私たちがビューティ製品を購入するうえで、どのようなことに気をつけなければならないのだろうか。認証を理解すると同時に、ブランドが人間や地球に優しいと主張しているからといって、それが必ずしも正しいとは限らないという、疑いの目を持つようにしよう。

動物愛護に配慮したい人は:

girl with rabbit in hands
FredFroese//Getty Images

クルエルティフリー・インターナショナルのCEOであるミシェル・シュー氏は、次のように語る。

「クルエルティフリーであることを証明しようとする認証マークは数多く存在します」「しかし、リーピングバニーは世界的に認められたゴールドスタンダードです。リーピングバニーは最終製品だけでなく、サプライチェーン全体において動物実験を廃止するために、ブランドが真摯に取り組んでいることを示すものです」「動物実験を規制する現行法を上回る、最も厳格なグローバル基準に合格していることになります」

覚えておくべき点は、リーピングバニーの認証マークはその製品がヴィーガンであることを示しているわけではなく、ハチミツやミツロウのような動物由来の成分が含まれている可能性もあるということ。

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オーガニックや天然成分にこだわる人は:

young girl exploring organic body care goods at an open air market with zero waste concept
ArtMarie//Getty Images

合成成分を含む製品の使用を最小限に抑えたい人は、慎重に選ぶ必要がある。ソイルアソシエーションのペイジ・トレイシー氏は、「オーガニック成分がたとえ1%しか含まれていなくても、ビューティ製品にオーガニックと表示することは合法です」と語る。

高い割合のオーガニックまたは天然成分を含む製品については、最低でも95%の天然成分を含み、かつ20%がオーガニックであるコスモス・オーガニック(COSMOS Organic)、またはコスモス・ナチュラル(COSMOS Natural)のロゴを確認してみよう(後者は、天然成分の基準を満たしているが、必要なオーガニック成分割合を満たしていない製品を示す)。

これらは、オーガニックおよび天然コスメに関する世界最大の基準となっており、英国では、コスモス認証を管理しているソイルアソシエーションのロゴが使われている。※認可された防腐剤などの石油化学成分を含む製品もあります。

リサイクルに配慮したい人は:

hand holding recycle symbol on green bokeh background eco and save the earth concept
baramee2554//Getty Images

ビューティ業界も、他の業界と同様に廃棄物の問題を抱えている。トラベルサイズの容器だけでも、毎年980トンものリサイクル不可能な製品が廃棄されていると推定されるそう。多くの問題は使い捨てプラスチックにあり、製品にリサイクル可能と謳われていても、最終的には埋め立て処分されることも。

この問題に取り組むためには、日本でも活動拠点を持つ、「テラサイクル」のような消費後・使用後のリサイクルプログラムを行っている企業に注目しよう。空になった製品のパッケージを同社に郵送したり、購入した店舗に持ち込んだりすることで、その容器を洗浄し、別の製品の容器として再利用できるように仕分けしてくれるそう。

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労働者の福祉に配慮したい人は:

bathroom amenities
ximushushu//Getty Images

自分が購入するメイクアッププロダクト/コスメが、公正な賃金と適正な労働条件を与えられた人々によって作られた原料でできているかを知りたいのなら、フェアトレード財団の認証マークに注目しよう。

この認証マークは世界的に最も信頼されている倫理認証のひとつであり、認証を受けている成分のサプライチェーンが、農家や労働者、環境を保護していることを意味する。2024年には、その対象が250種類以上の認証コスメ製品に拡大した。Bコープも、環境への献身的な取り組みとともに、倫理的な労働文化を証明できるブランドにのみ認証を与えている。

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From: ELLEgirl
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